メモ

GoogleのAI開発を支援する外部諮問委員会が立ち上げ直後に解散することに

by Thomas Drouault

Googleが2019年3月26日に発足させた、AI開発時の倫理基準について意見を得るための外部諮問委員会「Advanced Technology External Advisory Council(ATEAC)」が「期待通りに活動することが難しい」ということで解散することになりました。Googleでは、AI開発にまつわる重要な問題について外部からの意見を得るべく、今後も、様々な方法を探っていくとのこと。

An external advisory council to help advance the responsible development of AI
https://www.blog.google/technology/ai/external-advisory-council-help-advance-responsible-development-ai/


Google’s brand-new AI ethics board is already falling apart - Vox
https://www.vox.com/future-perfect/2019/4/3/18292526/google-ai-ethics-board-letter-acquisti-kay-coles-james

GoogleはAI開発をリードする企業として、今後AI開発が正しい方向に進むために「社会的に有益であること」「不公平な偏見を生み出したり強化したりするのを避けること」「安全性を確保して製造・テストされていること」「人々に対して責任を負うこと」「プライバシーデザインの原則を取り入れること」「科学的卓越性の基準を高く維持すること」「これらの原則に一致する用途で使えるようにすること」という指針を示しています。

AI at Google: our principles
https://www.blog.google/technology/ai/ai-principles/

そして、その意見を得るために組織されたのが、外部の諮問委員会である「ATEAC」でした。メンバーは、プライバシー研究者のAlessandro Acquisti氏、数学研究の専門家・Bubacarr Bah氏、自然言語処理・音楽技術・機械学習の研究者De Kai氏、産業工学・無人システムの専門家・Dyan Gibbens氏、心理学とAIの専門家でAI倫理についても長く取り組んでいるJoanna Bryson氏、公共政策専門家のKay Coles James氏、デジタル倫理学の専門家で哲学者のLuciano Floridi氏、外交政策の専門家・William Joseph Burns氏の8名です。


委員会は2019年3月26日(火)に発足し、4月から活動していく予定となっていました。

ところが、Acquisti氏が「ATEACはこの重要な仕事に取り組む正しい場だとは思えない」とツイートして、委員を辞退。

I'd like to share that I've declined the invitation to the ATEAC council. While I'm devoted to research grappling with key ethical issues of fairness, rights & inclusion in AI, I don't believe this is the right forum for me to engage in this important work. I thank (1/2)

— alessandro acquisti (@ssnstudy)

Google for their consideration (2/2)

— alessandro acquisti (@ssnstudy)


さらに、委員の1人・Kay Coles James氏が移民やLGBTQに対して否定的な見方を持つ人物であり、そのような人物を委員に選ぶということで見解を支持することになるのは受け入れがたいとGoogle社内と有識者からの反発もありました。

Googlers Against Transphobia and Hate – Googlers Against Transphobia – Medium
https://medium.com/@against.transphobia/googlers-against-transphobia-and-hate-b1b0a5dbf76

こうした動きの結果、GoogleはATEACを続けることはできないと判断したというわけです。リリースによれば、今後も外部からの意見を得るための方策は練るとのことです。

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in メモ, Posted by logc_nt

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