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人工知能が人工知能の出てくる映画を分析して予告編を作るとこうなる


IBMが開発した「ワトソン」は、人間のように考え学習し分析を行う人工知能で、2015年には日本語を習得し三井住友銀行の入社試験を突破し内定をもらったことがあります。そのワトソンを使って映画「Morgan」の予告編を作るというプロジェクトが立ち上がり、ワトソンによって作られた予告編がYouTubeで公開されています。

映画「Morgan」は、ある企業の問題処理係の女性が超極秘施設で発生したおぞましい事故の調査を行うというスリラー作品で、人工知能をテーマにしています。人工知能を作品で扱うことから配給元の20世紀フォックスがIBMに話を持ちかけて人工知能のワトソンに予告編を作らせるというプロジェクトを発足。そのワトソンが作った予告編は以下のムービーから確認できます。

Morgan | IBM Creates First Movie Trailer by AI [HD] | 20th Century FOX - YouTube


ワトソンが作った予告編は問題処理係のリー・ウェザーが極秘施設を訪れて調査しているところから始まります。


ウェザーが見ているのは、施設の職員がMorganの誕生パーティーを開いているときの映像です。いわゆる「幸せ」な感情があふれているシーン。


庭を走り回るMorganの表情には笑顔がこぼれています。


しかし、職員は「このときは大きな期待を抱いていたんだ」と表情を曇らせます。この辺りから予告編の雰囲気が一気にサスペンスの空気感を漂わせ始めます。


Morganとウェザーがガラス越しに対面。


監視カメラ越しにMorganが職員に襲いかかる様子が映されています。


「あなたには13歳の娘がいますね。これからはあまり会えなくなりそう」と話すMorgan。


Morganと面談をしていた調査員はMorganの圧力に恐怖で後ずさりします。


今度は施設の外で職員が何かから逃げ回っているシーン。女性が「そっちにいってはダメ!」と叫んでいて、2人がパニックを起こしていることがこちらにも伝わってきます。


パニックを起こす女性の元にMorganが近づいてきて「怖がらないで」と言い……


「お母さんにサヨナラを言いにいかなきゃ」と話すMorganのアップで予告編は終了。予告編は「幸せ」から始まり、最後は「恐怖」で落とすという構成になっていました。


IBMで人工知能を研究しているジョン・スミス氏は、「MorganはAIホラースリラーというジャンルの映画です。20世紀フォックスから人工知能のワトソンを使って映画の本編を分析し、自動で予告編を作ることは可能か?という話がありました」とプロジェクトの経緯を説明。


これはMorganの作中で何らかのアクションが起こったことをタイムラインで示したグラフで、青い線が高くなっているところは何らかのアクションがあったということになります。このグラフを作成するときと同じように、ワトソンは作中からアクションが突出した部分を抜き出して予告編に使ったとのこと。


ワトソンはビジュアルから怖いシーンやハッピーなシーンを認識することができるそうです。


しかし、ゼロから何かを作り出すのはまだまだ難度が高く、人工知能が人間レベルの創造力を持つにはまだまだ研究が必要とのこと。


なお、以前に公開されたティザー予告編では、Morganの顔を一切見せずに恐怖をあおるという手法が取られていました。

人間が人間を超える「何か」を生み出してしまうSFスリラー映画「Morgan」予告編 - GIGAZINE

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in ソフトウェア,   動画,   映画, Posted by darkhorse_log

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