AIが子どもたちに最新の世界を教え、お年寄りの生活をサポートするロボット社会の到来
人間の知能をコンピューター上で再現する人工知能(AI)は、21世紀の世界を作る技術で最も重要とも考えられています。AIに関しては「人間を追い越してしまって人類を危機に陥れる」という懐疑論も議論されていますが、実際にAIが実現するであろう未来を語るムービーが公開されています。
Artificial Intelligence: Your Tutor and Nurse | XPRIZE & Popular Science on Vimeo
科学者・アインシュタインらしき人物が登場。しかし、明らかに普通の人とは異なる様子がわかります。
それもそのはず、このアインシュタインは小さなロボットに取り付けられた顔。
ムービーで語っているのは、アメリカ生まれのロボット科学者、ベン・ゲーツェル博士。
ゲーツェル博士は、エチオピアの首都アディスアベバでタブレットを使ったAIの研究チームに加わっている人物です。
その目的は、子どもたちの教育にタブレットのAIを活用するもの。
アフリカの発展途上国は教師の数が少ないばかりでなく、教師そのものも十分な教育を受けていないケースも少なくありません。そんな環境でも、十分な教育を行き渡らせることができるのが、AIを使った教育環境というわけです。
ここでは、タブレットが生徒たちの「チューター」として働くことになります。
AIは数学や文学、英語、生物学などありとあらゆる学問における、インタラクティブなチューターとして教育環境を発展途上国の子どもたちに提供します。
もちろんそこでは、先進国における現代の最新技術もふんだんに提供されることになるはず。
世界をけん引するといっても過言ではない、シリコンバレーのテクノロジーに直接触れることができるようになります。
ゲーツェル博士は「AIこそが変革を起こすテクノロジーである」と考えています。
その理由についてゲーツェル博士は「AIは人間よりも速いスピードでモノを生みだすことができるから」と語ります。
AIは人類の生活を豊かにし、進歩させる可能性を秘めています。
その恩恵は、若いコンピューターオタクから、電力にも困るアフリカの子どもたちにも行き渡るだろうとのこと。
また、AIは世界を人間だけのものから、ロボットと共存できる社会へと変化させる手助けをする可能性も備えています。
そこに存在するのは、映画「ターミネーター」シリーズに登場するような人殺しロボットではなく、人間の生活を支えるロボット。
若者に寄り添ってチューターとなるAIや……
お年寄りの生活を補助し、家族の外出時にはお世話することもできるロボット。
AIの進化により、21世紀のどこかでAIが人間の能力を超えるシンギュラリティ (技術的特異点)が訪れると考えられています。
いつの日か、AIを搭載したロボットが人々の生活に入り込み、そしてそんな日が訪れるのはそう遠い未来ではないのかもしれません。
ムービーにも登場していたゲーツェル博士が加わっているプロジェクト「YaNetu」は、アフリカの子どもたちに教育カリキュラムを組み込み済みの教育用タブレットを提供するというもので、クラウドファンディングサイト「Indiegogo」でのキャンペーンを展開していたこともあった様子。現在は、XPRIZE財団が主催している世界の教育を考えるコンペティション「Global Learning XPRIZE」にも参加しています。
Global Learning XPRIZE Home Page
http://learning.xprize.org/
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