デザイン

賞味期限ラベルを改良してムダな食べ物の廃棄を防ぐ発明とは?


世界中で生産される食料の約3分の1が廃棄されていることが明らかになっており、地域別に見れば最も食料廃棄の多い地域は日本も含まれる東アジアだそうです。そんな食料廃棄問題を解決するための新しい方法が、ジェームズダイソン財団主催の国際デザインコンペティション「ジェームズ ダイソン アワード」に登場しました。

Young inventor’s intelligent expiry label could save tonnes in waste | Technology | The Guardian
http://www.theguardian.com/technology/2014/dec/10/intelligent-food-expiry-label-waste-bump-mark

インダストリアルデザイナーのSolveiga Pakštaitėさん(22歳)が開発した「Bump Mark」は、ゼラチンを使って巧妙に食べ物の賞味期限切れを知らせてくれるラベルです。これは食品の包装部分に貼り付けられるスマートかつシンプルなラベルで、視覚障害のある人にも食品の賞味期限切れを知らせることが可能になり、現在パッケージにプリントされている賞味期限表示よりも正確な表示を目指したものです。

実際の「Bump Mark」は三角形のこんなデザインで、これを食品のパッケージに貼り付けるだけでOK。ラベルの感触がツルツルな際は食べ物がまだまだ新鮮ということで、この肌触りがデコボコになってくると食べ物を廃棄した方が良い、という風にラベルの感触で食料品の鮮度を消費者に教えてくれるわけです。


「Bump Mark」は4つの層で構成されており、上から2番目の層はゼラチン製で、これがラベルから漏れないように1番上と下のプラスチック層でパッキングしています。ゼラチン層は、食べ物が腐敗していく際の要素(温度・酸素・日光など)に反応して徐々に軟らかくなっていくように設計されており、ゼラチンが軟らかくなるとラベルを触った際に上から3層目のプラスチック製のデコボコシートの感触が分かるようになるので、これが分かるようになったらその食べ物は廃棄した方が良い、ということになるわけです。


以下の画像でいうと、画像上部のイラストのように食べ物が新鮮なうちはゼラチンが固まっており、鮮度が落ちて腐ってくるとゼラチンが液化してデコボコシートの感触が分かるようになるということです。


実際に食料品のパッケージにつけるとこんな感じ。


この三角形ラベルが「Bump Mark」。コンパクトでほとんど目立ちません。


「Bump Mark」のキモはデコボコの感触がどれくらいしっかり伝わるのかなので、複数の試作品を作ってテストが行われた模様。


これは「Bump Mark」に注入するゼラチン。


アイデアの発案者であるSolveigaさんは、「ユーザーがすべきなのはゼラチンの変化を感じ取ることだけ」と述べており、食べ物の種類ごとに異なる賞味期限の長さの違いは、ゼラチンの量で調節することができる、とのことです。また、既存の賞味期限管理方法では電子機器を使用しますが、「Bump Mark」は一切必要としないのでコストも低く済む、ということも優れた点のひとつとして挙げられています。

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in デザイン,   , Posted by logu_ii

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