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ファストファッションの台頭が将来的に甚大な環境被害を引き起こす可能性があると指摘される

By Antonio Rubio

安価な衣料品を短いサイクルで大量生産・大量販売するファストファッションは衣類の生産現場が劣悪な労働環境であることが多く、問題視されることがあります。国際連合欧州経済委員会(UNECE)によると、ファストファッションは劣悪な労働環境以外にも、将来的に環境に甚大な影響を与えることが懸念されています。

Fast fashion is causing an "environmental emergency” — Quartz
https://qz.com/1222569/fast-fashion-is-causing-an-environmental-emergency/

2018年現在、ファッション業界は2兆5000億ドル(約265兆円)規模の市場となっています。世界中で6人に1人がファッションに関する仕事に従事しているとされており、ファストファッションの台頭により劣悪な労働環境、児童労働、搾取的な慣習も問題視される現状となっているとのこと。さらに特定の業界としては世界で2番目の水資源を使用しており、1着の綿のシャツを生産するには2.5年分の飲み水に相当する約2700リットルの水が必要となるため、水質の汚染などが懸念されています。


UNECEは貧困の削減や清潔な水と衛生設備を提供するなどの「持続可能な開発」を達成するためには、ファッション業界を無視できないものと位置づけました。そこで2018年3月1日(木)にスイスのジュネーヴで「ファッションと持続可能な開発の目標:国連の役割とは?」と題した国際会議を開催しました。

この会議で、事務局長のオルガ・アルゲェロワ氏は「ファッション業界は歯車を変える必要がある」と発言しています。

ファッション業界における通常の顧客は数十年前と比較して、多くの衣類を購入するものの、以前と比べて半分ほどの期間しか身に付けない傾向にあり、衣類のライフスパンが短くなっています。アメリカやヨーロッパでは「安い服を短期間で買い換える」というファッションのニーズは転換してきていますが、一方で中国などの国でファストファッションへのニーズが高まっており、今後も別の国で同様のパターンが生まれることが予測されます。

By Clean Wal-Mart

UNECEは世界の中流階級の人口が2015年の30億人から2030年には54億人に増えると予想しており、中流階級の人々のファストファッションへの需要がさらに高まることになると、2050年には衣類に使用する天然資源の消費量が2000年と比較して3倍に膨らむと指摘しています。

問題視されているのは資源の使用だけではなく、アパレル業界が衣類を生産するために使用するエネルギーや綿栽培に使用する殺虫剤、染色と仕上げに必要な化学物質などの増加による汚染が懸念されています。

By Marie

さらにClimateWorks FoundationとQuantisの報告書によると、2018年現在にアパレル業界と靴業界が排出している温室効果ガスの量は全体の8%ほどであるとのことですが、生産方法に何も変革が起きなかった場合、2030年には排出量が地球全体の49%に達する見込みであると予測されています。

天然資源防護協議会(NRDC)のリンダ・グリア氏は「この報告書で示された数字は小売業者やファッションブランド、顧客などに対する強いメッセージとなり、環境被害を食い止めるための良い動機付けになると思います」と語り、期待を寄せています。

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