アジアで海外ノマドしてみた・6カ国まとめ
ノマドとは近年定着しつつある「特定のオフィスなどを持たない働き方」ですが、ノマドをアジアでやったらどんな生活を送る事になるのか。連載は今回が最終回になります。
こんにちは!今年の4月から、パソコン1台で働きながら1ヶ月ずつ場所(国)を変えて旅をしていました。世界新聞特命記者の豊永奈帆子です。この半年間に過ごした香港・タイ・ラオス・中国・マレーシア・カンボジアのそれぞれの国の感想や独断によるランキングを発表したいと思います。
こんな感じで旅をしていました。バックパックはMilletの55+10L、総重量は約20kgでした。
ノマド生活をスタートさせた香港は日本とほぼ変わらない発達した街で、快適に生活することができました。交通も発達していて、基本的にどこへでも電車やバスで行けます。ノマド生活としては家賃の高さと物価の高さに苦しみましたが、美味しい飲茶、種類豊かなインターナショナル料理を楽しめる食べ物天国でした。
香港といえば飲茶。
蛇が入ったスープにも挑戦しました。
【支出】
家賃:6000香港ドル(約8万円)
コワーキングスペース料金:2000香港ドル(約2万6000円)
交通費:700香港ドル(約9200円)
食費・生活費:4000香港ドル(約5万2000円)
合計:1万2700香港ドル(約16万7000円)
◆2カ国目:タイ
タイではチェンマイに滞在しました。食べ物や住居など、払う金額に対しての質はピカイチだと感じました。コワーキングスペースがあったりと、フリーで働いている外国人も多く、知り合いができやすかったのが楽しかったです。
大好物のパパイヤサラダ。甘辛い味がクセになりました。
タイのコワーキングスペース。綺麗でビックリしました。
外国人が集まる食事会なども多く開催されていて、友達も作りやすかったです。
【支出】
家賃:ゲストハウス(110バーツ×30日)=3300バーツ(約1万円)
食事代:3500バーツ(約1万500円)
カフェ、コワーキングスペース代:2000バーツ(約6000円)
遊び代(観光ツアーなど):2000バーツ(約6000円)
交通費(バイクタクシー):1500バーツ(約4500円)
買い物代:1000バーツ(約3000円)
国移動費(香港→チェンマイの飛行機代):3200バーツ(約1万円)
合計:1万6500バーツ(約5万円)
◆3カ国目:ラオス
ラオスのルアンパラバーン(ルアンパバーン)ではメコン川の目の前のゆったりとした雰囲気に癒やされました。タイ以上に時間の流れがゆったりに感じました。そんな自然に囲まれた環境の中でも、Wi-Fiエアコン付きのカフェがあったりとそのギャップに驚かされました。
ラオスでの食べ物といえば盛り放題のバッフェが印象的でした。1皿150円ほど。
川を眺めながらハンモックで作業するのがお気に入りでした。
【支出】
・家賃
ルアンパラバーン(ドミトリー):1泊4万Kip(約500円)×10日間 = 40万Kip(約5000円)
バンビエン(個室):1泊3万Kip(約400円)×10日間 = 30万Kip(約4000円)
ビエンティエン(ドミトリー):1泊3万kip(約400円)×10日間 = 30万Kip(約4000円)
合計:100万Kip(約1万3000円)
食事、カフェ代:90万Kip(約1万1500円)
遊び代(観光名所のチケットなど):10万Kip(約1300円)
レンタルバイク費用:1万5000Kip×3日 = 4万5000Kip(約600円)
買い物代:10万Kip(約1300円)
・移動費
国移動費(タイからラオスのルアンパラバーンへのボート移動):40万Kip(約5000円)
ルアンパラバーンからバンビエン:8万Kip(約1000円)
バンビエンからヴィエンチャン:5万Kip(約635円)
合計:267万5000Kip(約3万4000円)
◆4カ国目:中国
中国のヒッピータウンとして名高い大理に滞在しました。標高2000mの場所にあるために、涼しい気候で過ごしやすかったです。住んでいる人も自由人が多く、ロン毛、ドレッドヘアの中国人の姿に驚かされました。外国人は、バーやカフェのオーナーなどが多かったのが印象的でした。70円で楽しめるベジタリアンバッフェや、美味しい中華料理を安く楽しめるのが良かった一方で、インターネットの制限が不便でした(中国では、Facebook、YouTubeを含めて多くのサイトの観覧が制限されています)。
中国風のホステルに泊まれて面白かったです。一泊400円でこの雰囲気を楽しめるのが驚きでした。
【支出】
家賃(ドミトリー):1泊25元(約400円)×30日間 = 750元(約1万2000円)
食事、カフェ代:1200元(約2万円)
・移動費
国移動費(ラオスのビエンチャンから中国の昆明への寝台バス):700元(約1万1500円)
昆明から大理へのミニバス120元(約2000円)
合計:2770元(約4万5500円)
◆5カ国目:マレーシア
滞在したマラッカでは、自転車で綺麗な町並みを回ることができたのが良かったです。英語が出来る人が多く、現地の人とコミュニケーションを多く取れたのが好印象でした。マレーシアは多民族国家で、マレー系、インド系、中華系のマレーシア人が暮らしているため、食べ物も、マレー系、インド系、中華系と美味しく安く楽しめるのが嬉しかったです。
インド系のレストランではよく、バナナリーフの上に野菜カレーが盛られるセットを注文していました。この量で150円。お代わりも自由です。
週末は夜市を楽しみました。
【支出】
家賃(ホステルの個室):1泊10リンギット×30日間=300リンギット(約1万円)
食事、カフェ代:450リンギット(約1万5000円)
マラッカ内での交通費:なし
→ホステルでの自転車無料貸し出し+ほぼ徒歩移動のため
・マラッカまでの移動費
国移動費(中国の大理からクアラルンプールへ):9697円
空港からマラッカへのバス:35リンギット(約1100円)
→私はマッサージチェア付きの高いバスを利用してしまい高くなってしまいましたが、もっと安いバスもあるようです。
合計:約3万6000円
◆6カ国目:カンボジア
これから伸びる国として名前を聞くことが多かったカンボジア。首都のプノンペンでは新しくイオンモールが出来たり、アパートや新規お店の建設ラッシュだったりと、これからの発展が楽しみだな、と思いました。
食事はこんな感じ。全体的に優しい、日本人の口に合う味付けです。
川の目の前で作業。
【支出】
カンボジアの入国ビザ(1ヶ月):30ドル
・家賃
ホステルのドミトリー(エアコン付き):1泊5ドル×20日間=100ドル
ホステルのドミトリー(ファン付き):1泊3ドル×10日間=30ドル
コワーキングスペース:100ドル
食費:200ドル
交通費(自転車購入):30ドル
バイクタクシー&トゥクトゥクなど:30ドル
遊び代:40ドル
合計:560ドル
◆勝手にランキング
滞在した国のランキングを私の独断で書いてみました。
住居ランキング
1.タイ
2.中国
3.マレーシア
マンスリーマンションが多かったチェンマイが1位です。外国人のリタイア先としても人気が高いために、安いところでは1ヶ月1万円からコンドミニアムを借りることができるのには驚かされました。
料理が美味しかったランキング
1.中国
2.タイ
3.マレーシア
1位は中国。日本人の私の口に合いました。また、外国人観光客向けに高めの値段を設定するレストランも多かった東南アジアに比べて、中国では中国人観光客をターゲットにしているお店が多かったために、食べ物の値段が想像以上に安かったのも助かりました。
英語が通じたランキング
1.香港
2.マレーシア
英語が通じる国では、現地の人とコミュニケーションが取れたのが楽しかったです。
総合ノマドランキング
1.タイ
2.中国
3.カンボジア
物価の安さに対する質の良さという点で、私はタイのチェンマイが気に入りました。チェンマイはタイ第二の都市であり、都会すぎず田舎すぎない雰囲気が私は気に入りました。
◆海外ノマドまとめ
当初の予定では1年間「海外ノマド」の旅を続ける予定でしたが、事情により半年で終わりにすることになりました。半年間、1ヶ月毎にいろいろな国に暮らしてみて改めて感じていたのは「想像していたのと実際に住んでみるのでは違う」ということです。中国でヒッピーな暮らしをしている人がいたり、「カンボジアに学校を建てよう」というような貧しいイメージしかなかったカンボジアで、高級車を乗り回す人達がいるのを見たりしました。また、同じ国とはいっても、東京と沖縄の雰囲気が違うのと同じように、同じ国でも街によって暮らし方の違いを感じました。
自分がどのような環境を「心地良い」と感じるか、自分にとって「大切」なのは何なのかなど、半年前と今ではより自分のことを分かるようになった気がしています。憧れを抱いていたノマド生活も、色々な人との新しい出会い、見たこともなかったような食べ物を食べられるというような楽しみがある一方で、想像以上に寂しさや不安定さを感じることも多く、あらためて「何事もやってみないと分からない」と感じました。この半年間で学んだことを胸に刻んで、前に進んで行きたいと思います。
文・取材:豊永奈帆子 http://jp.nahokotoyonaga.com
監修:世界新聞 sekaishinbun.net
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