取材

香港で「海外ノマド」をやってみたら10万円の大赤字だった


ノマドとは近年定着しつつある「特定のオフィスなどを持たない働き方」ですが、ノマドを香港でやったらどんな生活を送る事になるのか。実際に体験してみました。

皆さん、はじめまして!第2代世界新聞特命記者を襲名しました香港在住の豊永奈帆子です。これから1年、働きながら、1ヶ月づつ国を変えて旅をします。25歳駆け出しフリーライターの私が、海外でノマドして生きていけるのか?毎月第3週末は、各国からノマド報告をお届けします。


◆これからノマドする予定の国
変更の可能性がありますが、こんな予定を立てています。
4月:香港
5月:タイ
6月:ラオス
7月:カンボジア
8月:ベトナム
9月:ネパール
10月:トルコ
11月:エジプト
12月:モロッコ
1月:スペイン
2月:アルゼンチン
3月:チリ

私がこの海外ノマド企画をやる理由は「好きなことを仕事にする」ためです。「書く」ことを仕事にできたらとずっと思っていましたが、25歳になり、今後の人生を考えた時に、「今やらなければ一生やらない」と行動に移すことにしました。


ただ、今の私のライターとしての現状では生活費の高い国に住むことはできません。そのため、ノマドしながら海外を渡り歩き、徐々に物価の安い国へ移動していくという今回の企画を思いつきました。

◆香港コワーキングペース事情
1カ国目は香港。私が1ヶ月毎日通ったコワーキングスペース「Cocoon」の利用料金は1ヶ月2000香港ドル(約2万6400円)!高いです……。


Cocoonは立地もよく、香港では珍しく広々としていて、気持ち良いです。夜の11時半までここで働くことも。頑張っている人が周りに多いので、モチベーションを保つのに助かっています。


ミーティングスペースもあります。私はここでYouTube動画を収録したりしています。


香港に現在ある15ほどのコワーキングスペースの一覧はこんな感じ。中には月4000香港ドル(約5万2000円)以上するところも……。家賃の高い香港では、コワーキングスペースの料金も高めに設定されています。

Cocoon利用者の内訳は香港人7割に外国人が3割ぐらいで、職種で見るとスタートアップの人とフリーランスの人が半々といったところ。例えば、彼は香港人の父とオーストラリア人の母を持つゲームプログラマー。「香港は英語を話せる人が多いので、外国人でも市場に参入しやすい」と語る彼は、3年前からフリーでゲーム開発を行っているそうです。


◆香港住宅事情
香港で不動産業を手がけているCBREによると、1平方フィート(約0.092平方m)の年間家賃が香港は世界トップの4328ドル(約44万円)だとのこと。ちなみに東京は銀座あたりを参考にしているのか1坪(約3.3平方m)単価が月26万5000円で、1平方フィートあたりだと年間家賃は850ドル(約8万7000円)。私が以前、香港の中心地の近くに住んでいた時は、6帖(約9.72平方m)ほどのスペースに1ヶ月7万円ほど払っていました。香港ではルームシェアも一般的に行われています。

イメージ通りの高いマンションが街中に建っています。


◆香港ノマドのある一日
8時、家を出ます。自然が好きなので現在は香港では田舎のランタオ島という島に住んでいます。家賃はキッチン付きで約8万円。ビーチを横目に見ながら徒歩でフェリー乗り場に向かいます。


8時30分、フェリー乗り場にあるお店で朝ごはんを購入。


9時、フェリーにて朝食。先ほど買った焼賣(シューマイ)は5個で7香港ドル(約90円)。日本と比べるととても辛いソースにも慣れてきました。


9時30分、香港で一番大きなアップルストアを横目に、電車に乗ってコワーキングスペースへ。


10時、コワーキングスペースで仕事開始。マンゴージュースを飲みながら自分のYouTubeチャンネルをチェック。どんな動画を上げればより多くの人が見てくれるのか?といつも考えています。今のところ「日本人が中国語を話してみた」シリーズの再生数が多いです。


14時、お昼ご飯は友人と香港定番の「飲茶」。香港には食器をお茶でジャブジャブ洗う習慣がありますが、香港人の友人曰く「洗わないと気が済まない」とか。


19時、夜は友人のカラオケパーティーに参加。


香港でカラオケの時に飲むお酒といえば、ウィスキーの水割り。歌う人そっちのけでサイコロゲーム(負けた人が水割りを飲む)に夢中な姿に、日本との違いを感じます。


22時30分、フェリー乗り場でストリートライブを楽しんでから島へ。


◆香港ノマド週末編
週末はYouTube動画や、記事のための写真撮影を行っています。写真は香港にある世界一長いエスカレーターで撮影。


BBQにお呼ばれすることも。串に刺して焼くのが香港流で、主な具材は焼賣や魚ボールなど。香港には無料のBBQスペースがたくさんあるので、日本より気軽に楽しめます。


香港からフェリーで1時間半ほどのマカオで、競馬ならぬ「競犬」を楽しんだりもします。


◆香港ノマド生活の収支(1ヶ月)
【支出】
家賃:6000香港ドル(約8万円)
コワーキングスペース料金:2000香港ドル(約2万6000円)
交通費:700香港ドル(約9200円)
食費・生活費:4000香港ドル(約5万2000円)
合計:1万2700香港ドル(約16万7000円)

【収入】
寄稿記事(3媒体):数万円
ブログ広告収入:数百円
YouTube広告収入:数千円
メルマガ収入:数百円
翻訳収入:0円

約10万円の大赤字です……。

香港のお金はカラフルで、色からいくらか判断できるので便利です。


◆香港ノマドまとめ
家賃、物価共に高い香港でノマドをするのは、相当に大変なことが分かりました。会社に勤めていた時は物価の高さに応じたお給料を貰えましたが、フリーはどこに住んでいようとお給料は変わらない……そんな当たり前のことに、今更気づきました。

来月は、タイのチェンマイに引っ越します。生活費は下がるはずなので、あとは仕事を頑張るだけです。今月は質を気にするあまり、記事やYouTube動画のアップロードの数が少なくなってしまったので、まずは仕事に割く時間を増やして、収入UPに繋げたいと思っています。次回は黒字報告が出来るように頑張ります!

文・取材:豊永奈帆子
http://jp.nahokotoyonaga.com

監修:世界新聞
sekaishinbun.net


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in 取材, Posted by logc_nt

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