サイエンス

「海綿を使ってエサを探すイルカ」は遺伝子に変化が生じていることが明らかに

by Holterscan

オーストラリア西部のシャーク湾に生息するミナミハンドウイルカの中には、口先にスポンジ状の海綿動物を装着し、海底のエサを探す「sponging(スポンジング)」という採餌行動をする個体がいます。そんなスポンジングが、イルカの遺伝子にも特有の影響を与えることが明らかになりました。

A culturally transmitted foraging technique in Indo-Pacific bottlenose dolphins can be predicted by DNA-methylation levels | Philosophical Transactions of the Royal Society B | The Royal Society
https://royalsocietypublishing.org/rstb/article/381/1955/20250017/482594/A-culturally-transmitted-foraging-technique-in

Sponge Foraging in Dolphins Does Something Unique to Their Genes : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/some-dolphins-use-tools-and-it-does-something-unique-to-their-genes

シャーク湾に生息する一部のミナミハンドウイルカは、口先を海綿動物で覆って海底の魚などのエサを探すスポンジングを行います。スポンジングには、口先を覆うことで海底の岩や砂の摩擦から口先を保護する効果や、口先よりも広い範囲を一度に探せるといったメリットがあると考えられています。


ミナミハンドウイルカのスポンジングは25年以上前から知られている行動で、母イルカから子イルカへと受け継がれる技術だとされています。しかし、口先を海綿動物で覆うことでエコーロケーション能力が阻害されるため、イルカにとって習得は容易ではないそうです。以下の動画を見ると、口先に海綿動物を付けたイルカの様子を確認できます。

Dolphins in Australia seen using sponges to protect their snouts as they look for fish on seabed - YouTube


スポンジングを行うイルカは採餌行動により多くの時間を費やし、しばしば単独で狩りを行いますが、同じくスポンジングを行う個体同士でより緊密な関係を結ぶこともわかっています。しかし、同じ海域に生息しておりスポンジングを行う個体と近縁関係にあるにもかかわらず、決してスポンジングを習得しない個体もいるそうです。

そこで今回、スイス・チューリッヒ大学の進化生物学者であるマイケル・クリュッツェン氏が率いる研究チームは、スポンジングを行うイルカに生じるエピジェネティックな変化を調べる研究を行いました。

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