ワーナー・ブラザースがパラマウントによる約17兆円の買収提案を拒否してNetflixとの合意を維持、「パラマウントの案は実現を裏付けるだけの資金がなく実体がない」

by Gage Skidmore
ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)の取締役会は、パラマウント・スカイダンスによる約1080億ドル(約17兆円)の敵対的買収提案を全会一致で再度拒否し、Netflixとの既存の合意を維持することを決定しました。この提案について、取締役会は会社に870億ドル(約13兆7000億円)もの負債を負わせる「レバレッジド・バイアウト」であると批判し、取引が成立しないリスクが高いとして株主に拒否を促したと報じています。
Warner Bros rejects revised Paramount bid, sticks with Netflix | Reuters
https://www.reuters.com/legal/transactional/warner-bros-rejects-revised-paramount-bid-risky-leveraged-buyout-2026-01-07/
Warner Bros. Discovery rejects Paramount's bid again, calls it a 'leveraged buyout' | TechCrunch
https://techcrunch.com/2026/01/07/warner-bros-discovery-rejects-paramounts-bid-again-calls-it-a-leveraged-buyout/
Warner Bros. sticks with Netflix merger, calls Paramount’s $108B bid “illusory” - Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2026/01/warner-bros-sticks-with-netflix-merger-calls-paramounts-108b-bid-illusory/
Netflixは2025年12月5日、WBDの映画・テレビ制作事業とストリーミング事業を買収する最終契約を締結したことを発表しました。
Netflixがワーナー・ブラザース買収の最終契約を締結 - GIGAZINE

この発表を受けて、パラマウント・スカイダンスがNetflixの提示額を上回る金額で、かつWBDの全事業を対象とした敵対的買収に乗り出したことがわかりました。
パラマウントがワーナー・ブラザース・ディスカバリーの敵対的買収を開始、全事業まとめて約17兆円で - GIGAZINE

パラマウントは当初Netflixとの契約が発表される前に買収を検討しており、2025年12月上旬に1株あたり30ドル(約4700円)の現金提供を掲げて株主に直接提案を行っていました。これに対しWBD側は、パラマウントの提案を「十分な資金がなく、空疎(illusory)である」と一蹴し、Netflixとの現金および株式による取引を選択したと報じられています。
その後、パラマウントはオラクルの共同創設者であるラリー・エリソン氏による404億ドル(約6兆3400億円)の個人保証や、540億ドル(約8兆4700億円)の負債による資金調達を含む修正案も提示しましたが、WBD側の懸念を払拭するには至らなかったとのこと。

by Mirco Wilhelm
WBD側がパラマウントの提案を拒否する主な理由として、財務上の不確実性が挙げられています。時価総額が約140億ドル(約2兆2000億円)に過ぎないパラマウントが、940億ドル(約14兆7500億円)以上の資金調達を必要とする構造は、株主にとって極めて高いリスクを伴うと指摘しています。
また、パラマウントの格付けはあくまでも投機的水準であり、フリーキャッシュフローもマイナスであることから、巨額の負債を抱えることでさらに財務状況が悪化し、取引の完了を危うくする可能性が懸念されました。

by Antonio Longo
一方、Netflixは時価総額が約4000億ドル(約62兆8000億円)に到達し、A/A3の投資適格格付けを保持。2026年には120億ドル(約1兆8800億円)を超えるフリーキャッシュフローが見込まれています。また、Netflixとの契約を解除してパラマウントに乗り換える場合、WBDはNetflixに対して28億ドル(約4400億円)の解約手数料を支払う義務があり、その他のコストを含めると合計で47億ドル(約7380億円)の追加費用が発生することも障壁となっています。
さらに、WBDは、ケーブルテレビネットワーク部門「ディスカバリー・グローバル」の分離独立を計画していましたが、パラマウントの案ではこれが制限されていたとのこと。WBDの取締役会は、「ケーブルテレビネットワーク事業を別会社として分離すれば、各エンティティが独自の戦略に集中できるようになり、株主に大きな利益をもたらす」と主張していたため、分離計画を中止させて会社全体を買い取る条件のパラマウント案はのめないというわけです。一方で、Netflixが買収するのはあくまでも映画・制作事業とストリーミング事業のみで、ケーブルテレビネットワーク事業分離計画の実施を前提としたものになっていました。
ただし、第7位の株主であるペントウォーター・キャピタル・マネジメントなどの一部の投資家は、パラマウントとの交渉を拒む取締役会の姿勢は受託者責任に反していると批判し、さらなる協議を求めています。規制面では、Netflixがアメリカ司法省や欧州委員会との協議を開始しており、取引の完了には12か月から18か月を要する見通しです。
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in メモ, ネットサービス, Posted by log1i_yk
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