ディズニーの21世紀フォックス買収にケーブルテレビ最大手のコムキャストが割って入る
by Batranu
アメリカのケーブルテレビ最大手であるコムキャストが21世紀フォックスの事業買収を検討中であることを明かしました。21世紀フォックスはウォルト・ディズニーによる買収の準備を進めているところだったので、コムキャストは両社の間に割って入る形です。
Comcast Considering Superior All-Cash Offer to Acquire Twenty-First Century Fox After Spinoff of “New Fox” | Comcast Corporation
https://www.cmcsa.com/news-releases/news-release-details/comcast-considering-superior-all-cash-offer-acquire-twenty-first
Comcast confirms plan to buy 21st Century Fox and control of Hulu | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2018/05/comcast-confirms-plan-to-buy-21st-century-fox-and-control-of-hulu/
21世紀フォックスは2017年12月に524億ドル(約5兆7600億円)で映画やドラマ、地方放送局などをウォルト・ディズニーに売却することに合意していますが、以前から「コムキャストは買収に割って入るために600億ドル(約6兆6000億円)を準備している」ということがうわさされていました。そして2018年5月23日付けで、コムキャストは買収を検討していることを正式に発表しました。コムキャストは買収について「検討中であり、準備の発展的段階にあります」と述べており、21世紀フォックスの株主がディズニーとの買収に対して再考するような株主総会の準備を行っているとのこと。ディズニーが提案した買収は株式交換方式ですが、コムキャストは全額現金で、ディズニーの提示額を上回る価格になっています。
今回の買収に含まれるのは、21世紀フォックスの映画やテレビスタジオ、ケーブルテレビネットワーク、FOXスポーツネット、スター・インディア、スカイの所有権39%など。フォックス・ニュースチャンネル、フォックス・ビジネス、フォックス放送などは含まれません。
注目されているのは、21世紀フォックスが動画配信サービスのHuluの株を30%所有していること。コムキャストは既に30%のHulu株を所有しているため、買収が行われれば、コムキャストがHuluのコントロールを行えるようになるとみられています。
コムキャストによると、最終的な決定はまだ行われていないとのこと。
2017年には通信会社のAT&Tが総合メディア企業のタイム・ワーナーの買収を行おうとしたところ、アメリカ司法省反トラスト局によって独占禁止の観点から買収が阻止されています。司法省は買収阻止のため提訴しており、2017年6月12日までには判決が出る見通しです。AT&Tの買収と同様に、コムキャストと21世紀フォックスについても司法省からの厳しい目が向けられると見られています。
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