サイエンス

食事の時間を制限する「時間制限食」は肥満に2つのメリットをもたらすという研究結果


特定の時間だけ食事を摂取し、それ以外の時間は一切カロリーを摂取しないという食事制限法を「時間制限食(TRE)」と呼びます。スペインのスポーツ科学者であるマヌエル・ドテ・モンテロ氏らの研究チームが、TREは肥満の人に2つのメリットがあると論じる研究結果を発表しました。

Effects of early, late and self-selected time-restricted eating on visceral adipose tissue and cardiometabolic health in participants with overweight or obesity: a randomized controlled trial | Nature Medicine
https://www.nature.com/articles/s41591-024-03375-y

Study Reveals Intermittent Fasting Has 2 Key Benefits For People With Obesity : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/study-reveals-intermittent-fasting-has-2-key-benefits-for-people-with-obesity

研究チームは、197人の過体重または肥満の参加者を対象とした調査を行いました。参加者は30歳から60歳で、野菜や果物、乳製品、豆類を毎日摂取する「地中海式食事療法」に従い、栄養に関するアドバイスを受けました。参加者は食事の時間について、「朝から午後の8時間に食事を制限する群」「午後から夜の8時間に制限する群」「参加者が自由に選択した8時間に制限する群」「地中海式食事療法以外の時間制限のない対照群」の4グループに分けられました。


このうち、TREを実施した群は対照群と比較して、平均2.4〜3.1キログラムの体重減少を達成したとのこと。MRIスキャンによる分析では、内臓脂肪組織の減少に関してはグループ間で有意な差は見られませんでしたが、早い時間帯に食事を制限したグループでは、皮下脂肪組織の減少が顕著でした。

さらに、血糖値モニターのデータから、早い時間帯に食事制限をしていた群では、非摂食時および夜間の血糖値調節が改善されていることが判明しました。これは体がより健康的な方法で血糖を管理できていることを示しています。研究チームは、日中の早い時間帯に食事を終えることで、体が食事や栄養を適切に処理する時間が増加すると考察しました。


このことから研究チームは、TREには「追加的な体重減少効果」と「代謝機能の改善」という2つのメリットが存在すると結論づけています。

研究チームは、今回の研究がスペインという特徴的な食文化を持つ国で実施されたことを重要視しています。スペインでは成人の半数以上が過体重または肥満に分類されており、朝7~8時の朝食から22時の夕食まで、一日を通じて食事をとる習慣があるとのこと。研究チームは、TREが「安全で、忍容性が高く、実行可能なアプローチである」と論じ、過体重や肥満の成人に対する治療の選択肢になり得ると主張しています。


研究チームは、TREが「最小限の副作用で高い順守率を示し、体重のわずかな減少と心臓代謝の健康のわずかな改善をもたらす」と報告していますが、体への正確な影響メカニズムや潜在的な副作用については、さらなる研究が必要であると述べました。

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in サイエンス,   , Posted by log1i_yk

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