男性と女性では「ダイエットのために食べるべき栄養素」が違うとの研究結果
男女で代謝が異なることに注目した研究により、男性は炭水化物から、女性は脂肪からエネルギーを摂取した方が、減量に成功しやすい可能性があることがわかりました。
Modeling sex-specific whole-body metabolic responses to feeding and fasting - ScienceDirect
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0010482524011090
Should men and women eat different breakfasts to lose weight? | Waterloo News | University of Waterloo
https://uwaterloo.ca/news/media/should-men-and-women-eat-different-breakfasts-lose-weight
Men And Women May Need Different Breakfasts For Weight Loss : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/men-and-women-may-need-different-breakfasts-for-weight-loss
「私たちは忙しい毎日を送っているので、朝食に何を食べるかという小さな決断が、私たちの健康やエネルギーにどんな影響を与えるのかを理解するのは重要です」と指摘するのは、カナダ・ウォータールー大学応用数学部のステファニー・アボ氏です。
アボ氏と、ウォータールー大学の数学教授のアニタ・レイトン氏は、2024年10月の査読付き科学誌・Computers in Biology and Medicineに掲載した論文の研究で、男性の体と女性の体が脂肪を処理する方法における性差を数学的モデル化しました。
シミュレーションには、脳、心臓、筋骨格、消化管、肝臓、脂肪組織、その他の体組織の7カ所における代謝プロセスが用いられました。また、各器官における代謝プロセスでは、グルコース、グリコーゲン、インスリン、遊離脂肪酸(FFA)など22種類の代謝物を処理する25種類の代謝反応がパラメータ化されました。
この研究の結果、男性の代謝には主に高炭水化物の食事が適している一方、女性の代謝には脂肪分が豊富な食事が適していることがわかりました。一例として、朝食のメニューを考える場合、男性ならオーツ麦や穀類、女性ならオムレツやアボカドなどの食材を使った方がダイエット向きだということになります。
「代謝に適している」というのは、言い換えると代謝しやすいということであり、効率的にエネルギーに変換して血糖値を調節しやすいということを意味します。人体では、使い切れなかった余分なカロリーが脂肪として蓄積されてしまうので、エネルギーへの変換効率は重要です。
レイトン氏は「女性は男性よりも体脂肪が多い傾向があるので、あまり脂肪がエネルギーとして燃焼されないと思う人もいるかもしれませんが、実際はそうではありません。数学モデルでの結果は、女性は食後すぐに脂肪を蓄えるものの、食事と食事の間の断食中にはより多くの脂肪を燃焼させるということを示唆しています」と話しました。
アボ氏とレイトン氏は、今後より複雑な代謝モデルを構築し、個人の体重や年齢、月経周期といった要素を考慮することで、性別以外のメカニズムを明らかにしたいと考えているとのことです。
・関連記事
女性は「痩せているほうがモテる」男性は「マッチョなほうがモテる」と思い込みすぎている - GIGAZINE
女性がダイエットをするのに最も適した年齢は28歳 - GIGAZINE
女性は運動で得られる健康面でのメリットが男性よりも大きいという研究結果 - GIGAZINE
多くの人は自分が見積もってるよりも50%もカロリーを多くとっていることが判明 - GIGAZINE
減量の前にまず理解すべき3種類の脂肪の役割 - GIGAZINE
・関連コンテンツ