「なぜGoogleのプロジェクトは失敗するのにMetaのプロジェクトは成功しているのか」を分析してわかった3つの問題とは?
GoogleやMetaなどの大手IT企業は大規模なプロジェクトをたくさん推進していますが、それらのプロジェクトは必ずしも成功するとは限りません。AI関連製品のコンサルティングを行っており、かつてMetaで機械学習に取り組んでいたこともあるジェフリー・リュウ氏が、「なぜGoogleのプロジェクトは失敗するのにMetaのプロジェクトは成功するのか?」という疑問について分析しています。
Google's Lost Moonshots · Jerry Liu
https://www.jerry.wtf/posts/googles-lost-moonshots/
リュウ氏は、Googleはかつて製品を作るだけでなく「未来を定義する」会社でもあり、Googleが生み出したイノベーションやスローガンは世界に大きな影響を及ぼしてきたと指摘。たとえばGoogle マップはナビゲーションの世界に革命をもたらし、Gmailはそれまでの電子メールサービスを古いものにしてしまい、Chromeはブラウザの可能性を再定義し、Androidはスマートフォンを「民主化」することに寄与しました。
また、仕事時間のうち20%は好きなことに使えるという「20%ルール」はGoogleが始めた施策として知られ、この自由時間によって大胆な新規事業が生み出されるのだといわれていました。
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ところが過去数年間にわたり、Googleはかつての輝きを失っているようだとリュウ氏は指摘しています。たとえばマルチモーダルAIのGeminiは競合他社のAIより遅れて登場し、「フォロワー製品」と呼ばざるを得ないものだとリュウ氏は主張しています。
Googleの買収戦略も近年は不調であり、2021年にはフィットネストラッカーのFitbitを約21億ドル(当時のレートで約2300億円)で買収したものの、依然として画期的なヘルスケア製品をリリースできていません。また、2011年に125億ドル(当時のレートで約9600億円)で買収したMotorolaのスマートフォン事業は、後に29億1000万ドル(当時のレートで約2960億円)で売却されました。他にも、スマートグラスのGoogle GlassやクラウドゲームサービスのStadiaといった製品の終了は、記憶に新しい失敗例といえます。
一方でMetaは、当初懐疑的にみられていたInstagramやWhatsAppを見事に成功させ、両サービスは今やMetaにとって欠かせないものとなっています。それに加え、近年はAR/VR分野に年間数十億ドル(数千億円)規模の投資を行っており、巨額の損失を被っても前進し続けています。
こうしたGoogleとMetaの違いについて分析したリュウ氏は、Googleには以下の3つの体系的な問題があると主張しています。
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