2016年06月17日 15時00分メモ

Bufferが10人を解雇、何を失敗し、ここからどう挽回する予定かを具体的に数値を示して公開

By reynermedia

ソーシャルメディアへの投稿を一括で行えるようになるサービス「Buffer」が、従業員10人をレイオフした理由を公式ブログで説明しています。

Tough News: We’ve Made 10 Layoffs. How We Got Here, the Financial Details and How We’re Moving Forward – Open
https://open.buffer.com/layoffs-and-moving-forward/

Bufferは自分たちが犯した大きな過ちとして、「積極的過ぎる成長選択」「能力不足」「自分たちのファイナンシャルモデルを信じ過ぎたこと」「過剰に熱心な採用」「チームリストラ」を上げています。

・積極的過ぎる成長選択
2014年の第4四半期から2015年の前半にかけて、我々の成長速度は遅くなっていきました。これはハイレベルな収入を得て、大きな成長率を維持することが困難になってくると自然と起きる現象です。我々は健全財務状況であったため、さらに成長するための選択をしました。後知恵ではあるものの、我々はこの時「Bufferをより良い企業にする」ということを考えすぎて、あまりに変化に対して積極的過ぎました。

・能力不足
従業員が10人しかいない企業では、一人一人がさまざまな役割を担うことになりますが、従業員が500人を超える企業ならば、従業員はより専門的な職務を行えるようになります。Bufferでは、財務やHRといった不得手の分野の専門家がおらず、いくつかの事柄は大きな過ちを犯しているにも関わらず見落とされました。

・自分たちのファイナンシャルモデルを信じ過ぎたこと
我々は現在、自分たちのファイナンシャルモデルが不完全であることを理解しています。

・過剰に熱心な採用
成長を期待して、過剰に採用を続けました。

・チームリストラ
データ分析の専門家やプロダクトマネージャーごと、プロダクトチームをリストラしました。これにより、組織内に専門家が存在しない集団となってしまいました。

これらの過ちをただすため、Bufferはまず収入を上回る支出を抑えることに取り組んだそうです。Bufferがコスト削減のために行ったのは以下の通り。

・健全な財務状況に戻すための、10人のレイオフ
58万5000ドル(約6100万円)の節約に成功

・創業者2人の給料を2016年末まで40％カット
9万4000ドル(約1000万円)の節約に成功

・創業者2人が可能な限り低い金利で10万ドル(約1000万円)を貸し付け、返済はBufferの財務状況が改善された際に行う
20万ドル(約2100万円)の貯蓄に成功

・給料のロイヤリティを調整、具体的には年間の昇給率を5％から3％に変更
7万4000ドル(約780万円)の節約に成功

・健康補助としてひと月100ドルを給付するという特典を辞める
4万9000ドル(約510万円)の節約に成功

・チームに対して支払っていた年次休暇ボーナスをカット
5万2000ドル(約540万円)の節約に成功

・ベルリンオフィスの撤退
40万ドルの(約4200万円)の節約に成功

・スポンサー予算のカット
7万5000ドル(約790万円)の節約に成功

そして、最も難しい決断として、10人の従業員のレイオフを決定します。創業者のジョエル・ガスコイン氏とレオ・ウィドリッチ氏は、この決定のために毎日5時間のミーティングを繰り返したそうです。レイオフを行うことになった理由は至極単純で、Befferの支出の80％が人件費であったからだそうです。10人をレイオフすることで、年末までに58万5000ドル(約6100万円)を節約可能となり、これは毎月10万ドルが銀行口座に残ることを意味するとのこと。

実際にどの従業員をレイオフするか決める際、BufferではYes/No形式のチャートを使用したそうです。