「誰もGoogleを信じていない」からStadiaのサービスは終了したという指摘
2022年9月30日、GoogleがクラウドゲームサービスのStadiaを終了すると発表しました。GeForce NOWやXbox Cloud Gamingといった競合サービスがしのぎを削る中での突然のサービス終了について、海外メディアのTechCrunchは「Googleの最近のほとんどの製品と同様に、Googleがサービスを長く存続させるとは誰も信じていなかったから」と指摘しています。
Stadia died because no one trusts Google | TechCrunch
https://techcrunch.com/2022/10/01/stadia-died-because-no-one-trusts-google/
Googleは2021年2月に、Stadia専用ゲームの開発部門を閉鎖すると発表しました。これ以降、「GoogleはStadiaのサービス自体を終了するのではないか?」という疑惑がつきまとってきました。
しかし、Stadiaの公式Twitterアカウントは、2022年7月29日時点で、ユーザーからの「あなたはすぐにサービスを終了してしまうんでしょうか?」という質問に対して、「Stadiaはサービス終了しません。プラットフォームと有料サブスクリプションサービスのStadia Proに、さらに優れたゲームを提供できるよう常に懸命に取り組んでいるのでご安心ください。ほかにご不明点があればお問い合わせください」と返答していました。
Stadia is not shutting down. Rest assured we're always working on bringing more great games to the platform and Stadia Pro. Let us know if you have other questions.
— Stadia ☁️???? (@GoogleStadia) July 29, 2022
実際には、Stadiaはこのツイートの2カ月後にサービス終了が発表されました。つまり、すでに上層部がStadiaの終了に向けて動き始めていたとき、まだソーシャルメディアチームや開発者といったその他多数にはサービス終了計画が伝えられていなかったということを意味します。
実際、Stadiaがサービス終了を発表した2日後に「Tangle Tower」というゲームをリリース予定だったゲーム開発者のTom Vian氏は、「報道ではじめてStadiaがサービス終了することを知った」とツイートしています。
Tangle Tower was due to launch on Stadia in 2 days time, and this article was the first I heard about it shutting down ???? https://t.co/Pu0UPTQlRn
— Tom Vian (@SFBTom) September 29, 2022
経済紙・Forbesの記者であるPaul Tassi氏は、「Stadiaがプレイヤーに払い戻しを行っていることは素晴らしいかもしれませんが、ゲーム開発者と事前に協議しておくべきでした」と指摘。
Google refunding Stadia players is great and all but maybe they should have talked to like, any developers pic.twitter.com/ZoXBy3vsMf
— Paul Tassi (@PaulTassi) September 29, 2022
TechCrunchは「それでも魅力的な製品を提供していれば、Stadiaが成功した可能性はあります。しかし、残念なことにStadiaはそのような類のサービスではありませんでした。発表が非常に印象的だったにもかかわらず、Stadiaは誰のためのサービスなのかはっきりとしませんでした。DEATHLOOPなどの最新人気タイトルをプレイしたいというゲーマーの大部分は、すでに家庭用ゲーム機やゲーミングPCを持っています。そんな人たちが、PS5やSteamの代わりにStadiaでDEATHLOOPを購入する理由は何でしょうか?Stadiaでプレイするよりも、PS5やSteam版をプレイする方がラグもなく見栄えも確実によくなります。また、原神のような基本プレイ無料のゲームは、家庭用ゲーム機だけでなくスマートフォンでもプレイ可能で、実際に何百万人ものユーザーがモバイル版をプレイしています」「『月額20ドルを支払い、Googleの魔法でPlayStation、Xbox、Nintendo Switch、PCの好きな場所でゲームをプレイできるようになる』という提案であれば、それは理にかなっていたかもしれません」と指摘し、Stadiaでゲームを購入する明確な理由が存在しなかったと指摘しています。
また、TechCrunchは「私はスーパーファミコンを持っており、購入した当時と同じように今でもゲームをプレイすることができます。マリオカートやメトロイドのカセットはもう30年も使っています。Steamには10年以上前に購入したゲームがあり、これもいまだにプレイ可能です。PS3で購入したゲームも、プレイ可能です。任天堂やValve、ソニーといった企業は、何十年にもわたり信頼を築き上げてきました」と記し、Googleはこのような信頼を築く作業を怠ってきたと指摘。
続けて、Googleがこれまで数々のサービスやプロジェクトを終了してきたことを挙げ、「Googleのサービス終了癖を知っていれば、メインサービス以外に何百ドル(何万円)も支払おうという人はいないはずです」「Googleのコアサービス以外は信頼できないことが多くの人の知るところとなっています」と指摘しました。
なお、Googleがサービス・プロジェクトを終了したものをまとめるウェブサイトの「Google Graveyard」にも、さっそくStadiaの名前が追加されています。
Google Graveyard - Killed by Google
https://killedbygoogle.com/
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