取材

「四国グリーン紀行」で特急列車をフル活用してJR四国全路線に乗車する旅行をしてみた・2日目


JR四国全線と土佐くろしお鉄道全線の特急列車(グリーン車)および普通列車を4日間利用できる「四国グリーン紀行」で高松から旅に出て、初日は宇和島まで移動したのち、予土線が全線で運転を見合わせていたため、バスで宿毛へ移動しました。2日目の朝は宿毛からスタートします。

四国グリーン紀行 |四国旅行 JR四国ツアー(駅コミ)
https://www.jr-eki.com/ticket/brand/2-3UW

1日目の様子は以下の記事にまとめています。

「四国グリーン紀行」で特急列車をフル活用してJR四国全路線に乗車する旅行をしてみた・1日目 - GIGAZINE


◆土佐くろしお鉄道普通:宿毛→中村
朝、宿から土佐くろしお鉄道の宿毛駅へ移動します。


6時32分発、窪川行きの普通列車に乗車しました。


車窓から宿泊した「ホテルアバン宿毛」がはっきりと確認できました。


宿毛市街地のそばを流れる松田川を越えていきます。


◆特急あしずり4号:中村→高知
30分で四万十市の中心にある中村駅に到着。ここから特急あしずり4号に乗り換えます。


中村を出てしばらくすると、土佐くろしお鉄道は土佐湾沿いに出るため、車窓に津波避難タワーが散見されるようになります。


土佐湾沿いを走行中。


前日、雨のために到達できなかった窪川駅に到着。


須崎は高知名物「鍋焼きラーメン」発祥の地であり、ご当地キャラ・しんじょう君でも有名です。


日が昇り、進行方向右手側から厳しい日差しが差し込む中、中村で乗り換えてから約2時間で高知城が見えてきました。


◆土讃線・土佐くろしお鉄道普通:高知→奈半利
あしずり4号は9時4分に高知駅に到着。次は9時19分発の奈半利行きに乗車します。


高知駅を出ると進行方向右側に観光列車「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」が停まっていました。


高知駅から後免駅までは土讃線で、後免駅から先は土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線に乗り入れます。ごめん・なはり線には各駅に、漫画家のやなせたかしさんがデザインしたキャラクターが設定されています。


後免駅を出ると、土讃線は左カーブしていき、ごめん・なはり線は高架で右カーブして分かれていきます。


土佐湾の東側を走るごめん・なはり線沿線でも津波避難タワーを見かけました。


ちょうど駅名標がばっちり見える場所で停車。和食駅には「わじきカッパ君」がいます。


線路の北側に建設中の高知東部自動車道の橋脚が並んでいました。


球場前駅のそばには、阪神タイガースが秋季キャンプで利用している安芸市営球場があります。ただ、車窓からは安芸ドーム(多目的体育館)に遮られて、球場は見えません。


安芸市街の方向を振り返ったところ。写真中央あたりに、先ほど見えていた安芸ドームが写っています。


奈半利川の鉄橋を越えました。


いよいよ終点の奈半利駅が見えてきました。


◆高知東部交通:奈半利駅→室戸営業所
10時50分、奈半利駅に到着。改札やホームは建物の3階にあります。


同じフロアにはイタリア料理トンノというレストランがあります。ランチ営業は11時からです。


奈半利駅の外観はこんな感じ。


「四国グリーン紀行」適用範囲の地図で見ると、この奈半利駅と、室戸岬を挟んだ先にある阿波海南駅は行き止まりになっています。しかし「四国グリーン紀行」に限らなければ、画像に青い点線で示したように、線路と道路の両方を走れる阿佐海岸鉄道の「DMV」が阿波海南駅から南にある「海の駅東洋町」や「道の駅宍喰温泉」まで走っていて、高知東部交通のバスと乗り継ぐことが可能。さらに、土日に1日1往復だけ、室戸岬の西側にある「海の駅とろむ」まで来るDMVの便があるので、今回はこの1日1便の長距離DMVに乗車することにしました。この区間は「阿佐線」が計画されていた区間でもあります。


奈半利駅1階には物産館「無花果」が入っていて、9月は店名にもなっているいちじくの販売が行われていましたが、9時入荷で売り切れていました。


せっかくなので、安芸名産だという「あずき煎餅」を購入しました。


バスは高知東部交通の安芸室戸世界ジオパーク線のほかに、北川村バス「モネの庭」行きもあります。


待っていると先にやってきたのは北川村バス「モネの庭」方面行きでした。モネの庭まではバスで10分、片道230円です。


11時に北川村バスが出発すると、すぐに11時1分発の高知東部交通のバスがやってきました。「海の駅とろむ」にはバス停がありますが、奈半利方面から直通するバスはないので、最寄りである室戸営業所まで移動します。


どんどん雲が少なくなり晴天になり、土佐湾を楽しみながらの移動となりました。なお、これは進行方向と反対向きに撮影したものです。


11時54分、室戸営業所に到着しました。運賃は1100円です。DMVの「海の駅とろむ」便ではない通常便に乗りたいという場合は、室戸営業所で降りずに「室戸世界ジオパークセンター」で室戸甲浦線のバスに乗り換えて、さらに「海の駅東洋町」でDMVに乗り換えることになります。


◆徒歩:室戸営業所→海の駅とろむ
室戸営業所から「海の駅とろむ」までは、少し待てばバスがありますが、どうせ徒歩10分ほどの近さなので徒歩で移動しました。Googleマップだと細かい路地が反映されていませんが、室戸営業所から右折した先の道はそのまま国道55号までまっすぐ抜けることが可能です。


「海の駅とろむ」入口。


高速バスターミナルがあり、路線バスやDMVもここに発着します。


高知東部交通・室戸甲浦線のバスの室戸営業所行きと甲浦岸壁行きが来ます。甲浦岸壁行きは、室戸岬方面には向かわずに北上して、岬の付け根を横断して「海の駅東洋町」方面へ向かいます。


海の駅とろむ発のDMVはこの通り、土日祝の13時52分発1本のみです。


出発まで少し時間があるので、飲食施設の室玄で昼食を取ることにしました。オススメは「室戸海鮮丼」。


その他のメニューはこんな感じ。もちろん、室戸海鮮丼を注文しました。


「室戸の春はブリだらけ」とのことで、室戸春ぶりマップが掲示されていました。なお、「室戸春ぶり宣言」は5月10日で終了しており、2025年も同様の施策が行われるかどうかはまだ不明です。


この日はツーリンググループなどで混雑しており、注文からおよそ20分で料理が提供されました。


3切れのかつおのたたきを中心にした、豪勢な海鮮丼です。


なお、「かつおのたたき定食」だと6切れのかつおのたたきがついてきます。


さらに時間に猶予があったので、海の駅とろむに隣接する「室戸ドルフィンセンター」へ。入場料金は大人(中学生以上)550円、小人(4歳から小学生まで)440円、幼児(3歳以下)無料。


建物裏手に円形プールがあり、文字通り「目の前」でイルカショーを見学できます。


高く跳躍するイルカ。


水しぶきも浴びたい放題です。


子どもも大人も大喜びでした。


隣のプールにはウミガメがいて、えさを購入するとえさやり体験ができます。


アクティビティはこんな感じで、イルカと一緒に泳いだり、イルカと遊んだり、イルカトレーナー気分を味わったりと、いろいろなものが用意されています。


◆阿佐海岸鉄道:海の駅とろむ→阿波海南
14時前に、DMVと高知東部交通のバスが高速バスターミナルにやってきました。バスは室戸営業所へ向かうため、すぐに発車しましたが、DMVはここで30分ほど待機してから折り返します。


海の駅の駐車場で待機中のDMV。


土日祝に1往復のみの「阿波海南文化村」と「海の駅とろむ」を結ぶ便です。


甲浦駅~阿波海南駅間を鉄道モードで走るための車輪が車両下部に収納されています。後部車輪は少しのぞき込むだけで確認可能です。


13時52分、阿波海南文化村に向けて出発します。


室戸岬に立つ中岡慎太郎像。


岬そのものは見えませんが、「史跡名勝室戸岬」の碑を確認しました。


高知龍馬空港へと向かうらしい飛行機が見えました。


バス移動であれば、室戸世界ジオパークで路線乗り継ぎをしていた可能性が大ですが、今回は降りずにスルー。


甲浦まで32km、徳島まで123kmの表示。


むろと廃校水族館の前には駅名標を模したペイントがありました。左(徳島方面)は「日和佐うみがめ博物館カレッタ」、右(高知方面)は「桂浜水族館」。


海の駅とろむから約1時間で海の駅東洋町に到着。バス停からそのまま砂浜につながっています。


進行方向に見えてきたのは甲浦駅。高架上に見えているのは鉄道のころのホームで、いまはスロープ下にDMV用駅舎があります。


スロープの入口。路線バスと同じように道路を走ってきたDMVですが、ここからはDMV専用道路です。


ぐりぐりと鉄道時代の高架に接続されたスロープを上っていきます。

甲浦駅のスロープを上っていく阿佐海岸鉄道のDMV - YouTube


スロープを上がったところで鉄道へとモードチェンジします。


所定の位置についてバスから鉄道にモードチェンジする際の車内の様子はこんな感じ。鉄道車両の増解結と同じく、大きな衝撃はなく、あっという間の出来事です。

甲浦駅でDMVがバスから鉄道にモードチェンジする最中の車内 - YouTube


モードチェンジが終わったら、ちゃんと完了しているか指差し確認があってから出発。駅から見えている第4宍喰トンネルへと向かいます。

鉄道モードになったDMVが甲浦駅を出発 - YouTube


鉄道区間の途中駅・宍喰駅では5分ほど停車するので、ホームから1階の駅長室まで降りて鉄印帳に記帳してもらう人もいました。


乗車していた人が全員降りたので改めて車内を見回してみるとこんな感じ。座席にはシートベルトがついていて、「線路も走れるバス」という表現が適切です。


連続したトンネルで山をぶち抜いており、ほぼ並行する国道55号を走るよりも速いと感じる部分もあります。


阿波海南駅が見えてきました。JR牟岐線との乗換駅で、かつてはレールがつながっていましたが、DMV導入に合わせて完全に切り離されています。


阿波海南駅にも甲浦駅と同じモードチェンジインターが設けられており、鉄道からバスへとチェンジします。

阿波海南駅に到着したDMVが鉄道モードからバスモードへチェンジ - YouTube


車外から見たモードチェンジの様子や海陽町の和菓子屋「宝来堂」の「DMV最中」などは以下の記事にまとめています。

線路と道路の両方を走れる世界初のDMVを阿佐海岸鉄道で見てきた - GIGAZINE


◆牟岐線普通:阿波海南→徳島
牟岐線には1日1往復、阿波海南より3駅先の牟岐と徳島を結ぶ特急が走っていますが、19時33分徳島発・20時58分牟岐着のむろと1号と、6時59分牟岐発・8時20分徳島着のむろと2号の1往復のみで、今回の旅程には組み込めませんでした。今回は16時8分に阿波海南を出る徳島行きの普通列車に乗車しました。


牟岐線は徳島市と海陽町を結ぶ路線で、徳島県東部を走りますが、海岸線に沿った部分はほとんどなく、阿波海南から阿南までは山がちな風景が多め。阿南からは住宅と農地、商業施設の入り交じる平地を走ります。

阿南を過ぎたところで那賀川を渡ります。


◆特急うずしお26号:徳島→高松
普通列車は18時12分に徳島駅に到着しました。日が暮れて、そろそろ宿に入りたいのですが、次の旅程の都合上、高松まで移動する必要があります。


徳島線の穴吹行き普通、牟岐線の牟岐行き普通、高徳線の高松行き特急うずしお26号が顔を揃えていました。


「伊予灘ものがたり」以来のコンセントあり座席に着席。


18時29分に徳島を出発する前に、駅ビル地下1階の土産物屋に立ち寄り、「マチ★アソビ・おへんろ」デザインの半田そうめんとアワライズを購入しました。藍チーズラングドシャはサンプルとしてもらったもの。


この時間になると車窓は市街地と駅構内以外ほぼ真っ暗なので、ほぼ撮影は諦め状態になりましたが、栗林駅で国鉄色のキハ40系を見かけたのでなんとか撮影。


そして19時37分、高松駅に到着しました。四国一周は2日あればできるようですが、今回の目標「JR四国全路線に乗る」のために、まだ旅は続きます。


ここまでの移動経路はこんな感じ。鉄道移動が赤線、バス移動が青線で、駅名・停留所名は乗り換えで乗降車したところを示しています。


<つづく>

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in 取材,   乗り物, Posted by logc_nt

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