竈門炭治郎がレトロな駅舎に合うAR写真を撮影して「鬼滅の刃」スタンプラリーをコンプリートしてみた
「鬼滅の刃」とJR九州のコラボ企画として実施されるデジタルスタンプラリーが過酷らしいので、車窓と移動そのものを楽しみつつスピードランではない形で巡ってみようと考えたことをきっかけに、実際に九州各地のスタンプラリー対象駅を2泊3日で巡ってみました。旅はいよいよ最終日、鹿児島中央駅を起点に南九州の指宿駅・霧島神宮駅・都城駅を巡り、ゴールに設定した門司港駅を目指します。
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◆2020年10月4日(日) 6時20分:鹿児島中央駅→指宿駅
朝、鹿児島中央駅をスタート。
まずは指宿枕崎線で対象駅・指宿駅を目指します。指宿枕崎線は途中の喜入駅までで大半の列車が折り返し、指宿駅まで行く列車は30分~1時間に1本のペース。
ルートはこんな感じで、錦江湾をひたすら南下します。
出発して約20分、坂之上駅や五位野駅までは駅周辺に宅地が広がりますが、そこから先は一気に海岸沿いを走り抜ける観光路線の顔に。進行方向左手には桜島と朝焼けが見えます。
基本的に線路の海側を国道226号が併走しています。
出発から55分の薩摩今和泉駅で指宿商業高校の生徒が多数下車し、車内はかなり空席が目立つ状況に。また、いよいよ錦江湾の出口が近づいてきて、宮ヶ浜駅あたりまで来ると桜島が見えなくなります。
宮ヶ浜駅の駅前はいかにも海水浴場のような風情ですが、バブル崩壊などの影響で整備計画が中止され、単なる公園となっています。
そこからさらに15分ほどで指宿駅に到着。岩柱・悲鳴嶼行冥のスタンプをゲットしました。
駅に降りると、改札の手前にポスターが貼られているほか……
待合室にも2枚ポスターが貼られていて、ARフォトスポットとなっていました。
指宿駅前に悲鳴嶼さんを召喚。
足湯にたたずむ悲鳴嶼さん。
指宿市には「いぶすき→イーブイ好き」という語呂合わせでイーブイとその進化形のマンホールが設置されているので、このように悲鳴嶼さんと並べた写真を撮ることもできます。
時間があったので、ムービーも撮影してみました。
「鬼滅の刃」ARフォトスポットで悲鳴嶼行冥を呼び出して快速「なのはな」の前に立たせてみた - YouTube
この快速「なのはな」で鹿児島中央駅へ折り返します。
日が昇り、煙を上げる桜島の姿が錦江湾の向こうにはっきりと見えました。
◆2020年10月4日(日) 9時59分:鹿児島中央駅→霧島神宮駅
鹿児島中央駅では、これから乗車する特急「きりしま」と、今戻ってきたばかりに指宿方面に向かう特急「指宿のたまて箱」が並んでいました。
「指宿のたまて箱」は専用車両で運行される特急で、海側を向ける回転椅子席などが特徴的です。
一方、「きりしま」は鹿児島中央と宮崎を約2時間で結ぶ特急です。南九州に残る対象駅は霧島神宮駅と都城駅なのですが、鹿児島中央からは霧島神宮の1駅手前の国分までなら30分~1時間の1本のペースで普通列車があるのですが、国分から都城方面へ抜ける普通列車は1日9往復と限られているため、今回は特急で一気に走り抜けます。
霧島神宮駅までの移動ルートはこんな感じ。
鹿児島中央を出てからしばらくは錦江湾沿いを北東へ進みます。この間、進行方向右側を国道10号が併走しますが、線路もほぼ海沿いを走るので、ずっと窓いっぱいに桜島を楽しむことができます。
国道との位置関係はこんな感じ。
ここで、ようやく朝食。鹿児島は牛も豚もおいしいのですが、今回は「厚切り鹿児島黒豚弁当」を選択。横に並んでいるのは明石屋のかるかんとかるかんまんじゅう、知覧茶。
ごはんの盛りがやや薄めですが、その分だけ黒豚の厚みに回されているのではないかという感じで、黒豚とごはんの厚みがほぼ同じ。
かるかんまんじゅうはあんこ入り、かるかんはあんこなし。深みのある知覧茶とよく合います。
鹿児島中央を出発して30分、隼人駅の手前あたりまでは桜島が見えていますが、このあたりから日豊本線は海岸線から離れ北の方へ向かうので、桜島は見えなくなります。
国分駅を過ぎると、一気に山地へと突入します。次が対象駅の霧島神宮駅ですが、国分駅以東、西都城駅までの間は列車数が少なく、鈍行列車のみで攻略を目指す場合はボトルネックの1つとなりそう。
いくつもトンネルを抜け、霧島川沿いの平地に出ました。
鹿児島中央駅から50分、国分駅から14分で霧島神宮駅に到着。
通算11個目のスタンプ、水柱・冨岡義勇をゲットしました。停車時間が短く、ポスターを探す余裕はありませんでした。
◆2020年10月4日(日) 10時50分:霧島神宮駅→都城駅
特急「きりしま」を降りず、そのまま先を目指します。
さらに山中をくねくねと走行すること20分。
都城市内に入り、高架になると西都城駅。
再び地平に降りて、コンテナなどが見えてくると……
南九州3つ目の対象駅・都城駅です。
通算12個目のスタンプ、虫柱・胡蝶しのぶをゲット。
これで13個のうち12個が集まり、残りは門司港駅だけとなりました。
◆2020年10月4日(日) 11時21分:都城駅→門司港駅
ラストの対象駅は九州の東北端にあたる門司港駅。都城発で普通にルート検索を行うと、鹿児島中央駅へ戻って九州新幹線に乗るほうが早いと出るのですが、なにぶん、九州新幹線は車窓を楽しめる区間が短いため、今回はひたすら東回りで、日豊本線を小倉まで北上するルートで移動することにしました。
都城駅から先も、乗車してきた特急「きりしま」で移動します。
都城市と宮崎市の間にも山地があり、列車は再び川を越え、山を越えていきます。
大淀川にかかる長い橋梁を渡ると……
宮崎駅に到着。左が乗車してきた「きりしま」。右はこれから鹿児島方面へ向かう「きりしま」。
ここで大分行きの特急「にちりん」に乗り換えます。「にちりん」は大分で博多行きの「ソニック」と連絡しているため、行先が「大分(博多)」という表記になっていました。
列車の行先表示幕も「にちりん(&ソニック)」「大分(博多)」となっています。
宮崎駅から大分駅までのルートはこんな感じ。
宮崎駅を出て少し経つと、進行方向右側にぽつんと巨大な建物が見えます。これはフェニックス・シーガイア・リゾートにあるシェラトン・グランデ・オーシャンリゾートというホテル。周辺にここまで高い建物がないため、際だって目立っています。
基本的に線路は日向灘沿いを走るため、海なのか川なのかわからないぐらい広い河口部が何度も景色に現れます。
都農駅をすぎてちょっとすると、右手側の車窓に延々と続く高架と、並べられたソーラーパネルが出現。
これは、宮崎ソーラーウェイ株式会社が2010年4月から運転している「都濃第1発電所」。かつてのリニアモーターカーの実験線をメガソーラー発電所に転用したものです。
途中で高架が2本に増えましたが、このあとすぐに合流して1本に戻ります。このあたりにはソーラーパネルは設置されていません。
高架上にテントが設置されているところも。
かなりの距離に渡り併走する高架は、このあと日豊本線をまたいで進行方向左手側へ移り、すぐに終わります。
延岡市内では、左手側車窓に巨大な旭化成の工場が見えます。旭化成は創業の地が延岡で、かつては自社ヘリポートまで宮崎空港からチャーター便を飛ばしていました。しかし、1990年に乗客乗員10名が亡くなる墜落事故が発生。これを受ける形で、宮崎空港線建設と日豊本線の高速化が進められたという経緯があります。
宮崎から延岡までは比較的平坦な区間が続きましたが、延岡からは大分との県境の険しい山地に入っていくことになります。
国道10号とともに、北川の左岸と右岸を行ったり来たりしつつ山中へ。
山中の小集落。
鉄道での到達が難しい秘境駅として知られる宗太郎駅。
宮崎方面行きの特急と離合しつつ先を目指します。
津久見では、港を挟んだ向かい側に市民球場がありました。
線路のそばまで造船所が迫る臼杵。
そして、宮崎を出発して3時間30分かけて、15時42分に大分に到着しました。ちょうど大分駅には6つの編成が停車中。左から15時45分発の久大本線庄内行き、到着したところとみられる豊肥本線大分行き、いま乗ってきた特急「にちりん」、同一ホームで乗り換えられる15時45分発の特急「ソニック」博多行き、今まさに出発する15時43分発の日豊本線臼杵行き、16時10分発の特急「ソニック」博多行き。
16時10分発の「ソニック」の周りに人が多いのは、ラッピングトレインとなっているためでした。
ラッピングトレインとなっている車両は「白いかもめ」で運用されている885系と、「ソニック」で運用されている883系なのですが、今回の「ソニック」は885系での運用だったため、博多駅で撮影したものと同じ外観でした。
ただ、今回はこの列車に乗って移動するという点が異なります。座席はこんな感じ。座席カバーが市松模様なのは「鬼滅の刃」コラボとは無関係で、車内にはラッピングはありません。
しかし、扉内側の車両番号はポスターと同様のARフォトスポットとなっていて……
「COCOAR2」で読み取るとラッピングトレインが出現します。
885系6号車外側のロゴ部分もマーカーです。なお、キャラクターのマーカーと異なり、対象駅ではない場所でも読み込んでラッピングトレインを呼び出すことができます。
3日目の移動はひたすら鉄道移動で座ってばかりですが、このまま昼もおやつも抜きは厳しいので、大分駅で「大分とり天にぎり寿し」を購入。
ポン酢と辛子で、揚げ物のとり天を食べてもさっぱりあっさりとした感覚です。
旅の間はおおむね天気はよかったのですが、この3日目は昼過ぎから雲が広がってきて暗くなり、大分から先の車窓は「どんより」という印象が続くことに。そんな中で、「鬼滅の刃」ラッピングトレインは停車しているとかなり目を引くらしく、スマートフォンやカメラを向けて撮影している人の姿を多数見かけました。
大分までは3時間30分かかりましたが、大分から小倉は1時間20分で到着。
ラストは普通列車で、門司港駅を目指します。
最後の列車がやってきました。門司港駅まではわずかに15分。
かなり日が暮れた状態で門司港駅に到着。
とうとうラスト、竈門炭治郎のスタンプを手に入れました。
「COMPLETE」
全箇所達成クリアです。スタンプをすべて集めた人の中から抽選で1000名に限定デザインSUGOCAがプレゼントされます。
そして、改札を出たところにポスターが設置されていて……
門司港駅とともに炭治郎を撮影。門司港はレトロな駅舎がそのまま使用されているので、炭治郎が非常にマッチしていました。
九州全域を移動することで風景も食べ物もいろいろなものに出会えたので、非常にタフな旅ではあったものの「きつい」や「しんどい」という感覚はありませんでした。今回の2泊3日のプランも一例でしかないので、それぞれ好みのルートでかまぼこ隊や柱たちのスタンプを集め、ARフォトを撮影してみてください。
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