取材

南海電鉄全路線を「インサイド・ヘッド2」公開記念1日フリー乗車券で巡ってみた


南海電鉄は高野山訪問時に便利な「高野山・世界遺産きっぷ」や和歌山市内観光に役立つ「和歌山観光きっぷ」、南海フェリーを利用して徳島まで格安で移動できる「とくしま好きっぷ」といったいろんなお得な切符を展開しているのですが、「全線乗車可能なフリー周遊タイプのきっぷ」は販売されていません。

そこへ、関西空港駅・高野山駅および泉北高速鉄道を除く南海鉄道全線が乗車可能な1日フリー乗車券が、映画「インサイド・ヘッド2」の公開を記念して期間限定で販売されているということなので、せっかくなので同時に開催されているクイズラリーに参加しつつ、南海鉄道全線乗車に挑戦してみることにしました。


記事中でクイズラリーの問題と解答は表示していませんが、パネルの設置場所は示しているので、「どこにあるかは自分で探したい」という人は気をつけてください。

~ディズニー&ピクサー最新作『インサイド・ヘッド2』公開記念~8月1日からタイアップクイズラリーを開催&1日フリー乗車券を発売 | 南海電鉄
https://www.nankai.co.jp/news/240719.html

「インサイド・ヘッド2」公開記念 1日フリー乗車券 | 南海電鉄
https://www.nankai.co.jp/traffic/otoku/insidehead2.html

スタート地点の南海なんば駅にやってきました。改札口は2階と3階にありますが、今回は乗車券をカウンターで購入する必要があるので2階に向かいます。


2階中央改札口のところにあるサービスセンターで「インサイド・ヘッド2」公開記念1日フリー乗車券を購入します。他の割引きっぷはなんば駅以外でも購入可能な場所が設けられていますが、この1日フリー乗車券は、なんば駅2階サービスセンターのみの取り扱いとなっています。


券面は「インサイド・ヘッド2」デザイン。大人2000円、子ども500円です。


クイズラリーはこんな感じで、全9カ所に掲示されたポスターに問題が用意されていて、ゴール地点のなんばパークスシネマに提出すれば完了。1枚目はサービスセンターに掲示されていました。なお、なんば駅は3階にも問題が用意されていたのですが、サービスセンター横に改札口があってうっかり入場してしまったので、ゴール前に確認することにします。


まずは5時50分発の急行和歌山市行きに乗車します。


本日1本目の乗車。空席多数でゆったりと移動可能です。


南海高野線の各停にわずかに先行されつつ南下していく急行。新今宮や天下茶屋ではそれなりの乗客がありました。進行方向左側から朝日が差してきます。


男里川を越えていく急行。遠く河口側に見える菟砥橋は、大阪府最北端のバス停から最南端のバス停まで路線バス乗り継ぎ旅をした際にダイヤの都合上、徒歩移動した区間の橋です。


6時39分に、みさき公園駅に到着。


ここで多奈川線に乗り換えます。


多奈川線はみさき公園駅を出てしばらくすると右へ曲がり、南海本線と離れます。


進行方向右手側に広がる深日地区の町並み。


深日町駅を過ぎると進行方向左手にオークワ岬店があります。この前に設置されているバス停は大阪府最南端のバス停へも行ける岬町コミュニティバスの中核的存在といえます。


深日港駅を出発後、後方を振り返ったところ。深日港は、淡路島の洲本港との間を1時間弱で結ぶ深日洲本ライナーが入港します。


多奈川駅に到着しました。


行き止まりの駅ということで、いったん下車してみました。南海なんば駅からの運賃は880円。


5分間滞在して、乗車してきた電車に再び乗り、みさき公園駅へ折り返します。


今度こそ和歌山市駅を目指しますが、ここで乗り継ぎ待ちが20分ほど発生。その間になんば行きの特急サザンなどが通過していきました。


さらに多奈川線の電車が出ていくのを見送ります。こうしてみると南海本線との並走区間の長さがよくわかります。


区間急行和歌山市行きが来たので乗車。


南海本線は大阪府と和歌山県の境で孝子峠を越えていきます。


和歌山市駅に到着すると、向かいのホームに電車が止まっていました。


次は和歌山港駅に行きたかったので、この「和歌山市―和歌山港」の電車に乗れるならラッキーだったのですが、単に留置されているだけのようでした。


和歌山港行きは南海なんば駅から直通の特急サザンを含めて1日11本。ここで30分以上の待ち時間が発生しましたが、改札内にセブンイレブンがあったので朝食を調達して食べながら待つことができました。


やがて、和歌山港行きの特急サザンがやってきました。サザンは和歌山港側4両が指定席になっていて有料ですが、なんば側4両は自由席で無料です。


4分で和歌山港駅に到着。


改札を出ると右手に通路が続いています。


このまま外に出ることなく、南海フェリーの乗り場まで行けるようになっています。


駅外観はこんな感じ。多奈川駅から和歌山港駅まで普通に移動すると運賃は420円。


連絡通路の下が南海フェリーの窓口になっていて、自動車で訪れた人はここで乗船券を購入していました。


なお、JR和歌山駅行きのバスもフェリー到着に合わせて運行されています。


フェリーに合わせたダイヤになっていることもあって案内表示器などはなく、次の列車の案内はこんな感じで、手でめくるスタイルでした。


和歌山港線は2002年まで、1駅先の水軒駅まで伸びていました。その跡が残っています。


ホームから見えるフェリーとサザン。滞在時間9分で和歌山市駅に戻ります。


和歌山市駅からは「加太さかな線」の愛称がある加太線に乗車します。加太線には「めでたいでんしゃ」と名付けられたオリジナルデザインの電車が複数運行されています。このカラフルな車両は2024年7月13日デビューの「かなた」。


「めでたいでんしゃ」ロゴ。


車内はそれぞれ独特の装飾が行われています。


いろいろな海洋生物を模したつり革。


発車待ちの間に、加太方面から「めでたいでんしゃ かい」がやってきました。


25分で加太駅に到着。観光・レジャーと地元の人の足としての利用、両方のお客さんがいる印象でした。


加太駅の外観はこんな感じ。


駅舎内には地元の小学生が描いためでたいでんしゃの絵や、和歌山市アニメ観光大使だという「サマータイムレンダ」の小舟潮のパネルがありました。


「め」とめでたいでんしゃ。


徒歩20分のところにある加太港からは、砲台跡などで知られる友ヶ島への船が出ています。


再び、乗ってきた電車で折り返します。


加太駅は少し海から離れているのですが、隣の磯ノ浦駅周辺では海が見えます。


和歌山市西部の市街地を抜けていく加太線。


電車はこのまま和歌山市駅行きですが、1つ手前の紀ノ川駅で乗り換えます。


普通なんば行きで、大阪方面に向かいます。この普通列車は和歌山市駅を9時48分に発車すると、12分後に出る特急サザンから泉佐野駅まで先着します。


みさき公園駅を過ぎたあたりから進行方向左側に海岸線が見えます。


35分ほどかけて泉佐野駅に到着。


ホームから改札階に降りると、エレベーターの裏になんば駅以来の「インサイド・ヘッド2」クイズラリーのポスターを発見しました。ここは「ムカムカ」に関する問題です。


ここからは空港線で関西空港駅を目指します。ホームに上がると空港特急のラピートが停車していました。ラピートの乗車には特急券が必要なのと、直後に来る空港急行で次以降の乗り継ぎに問題ないことがわかっていたので、乗車は見送り。


空港急行で関西空港へ。進行方向左側の車窓に、離れていく南海本線と、近づいてくるJR関西空港線の高架が見えます。


関西空港駅に到着。なお、関西空港駅は今回の1日フリー乗車券の数少ない範囲外のため370円の乗り越し精算が必要で、機械処理ができないため窓口に行かなければダメです。折り返す際は、りんくうタウン駅でいったん下車して1日フリー乗車券で入場し直すのであれば370円の切符、それより先まで行くなら目的地までの切符を購入することになります。今回は岸和田駅を目指すので650円の切符を購入。


関西空港駅改札内にいた「関空戦士ラピートルジャー(rapi:tldier)」は、訪日外国人向けイメージキャラクター。狙い通り、観光客が撮影している姿が見られました。


空港急行なんば行きに乗ります。


連絡橋は南海・JRの共用になっていて、ちょうど橋の上でJRの関空快速とすれ違いました。


岸和田駅に到着。


クイズラリーのパネルは南口改札を出たところに設置されています。


再びなんば方面行きのホームに戻り、先ほどとは別の空港急行なんば行きに乗車します。


羽衣駅で下車。


ホームで待っていると関西空港行きの空港急行が通過。後ろ4両は2種類の緑色に塗られた、かつての南海仕様でした。


なんば方面行きホームでは、高師浜線と向かい合わせに乗り換え可能です。なお、写真は特急サザンが羽衣駅を通過中。


高師浜線は途中1駅の短い路線で、2024年4月に羽衣駅~伽羅橋駅間の高架化が完了しました。羽衣駅から4分で高師浜駅に到着。


高師浜駅は古くから高架駅です。


高架化工事の間はバスでの代行運転が行われました。そのためか、運転再開を祝う横断幕がかかっていました。


駅舎内。入口上部のステンドグラスは駅開業100年を機に高石駅に寄贈され、強化樹脂製のレプリカに入れ替えられました。


ホームから見える高石神社。


終点方面はこんな感じ。高師浜駅がマンションなどが立ち並ぶ住宅街のど真ん中にあるのがよくわかります。


ホームから西の方に見えていたのは、三井化学大阪工場のものらしいフレアスタック。


電車が来たので折り返します。


羽衣駅からは、本日3度目となる空港急行なんば行きに乗車。


堺駅で普通に乗り換えます。


発車待ちの間に、ラピートがやってきました。


関西万博ラッピング車両で、ところどころにミャクミャクが描かれていました。


岸里玉出駅に到着。向かいの6番線ホームから汐見橋方面に向かいます。


各停の汐見橋行きに乗車します。


汐見橋駅近くでは大規模な工事が行われていました。


岸里玉出駅から9分で汐見橋駅に到着。


汐見橋駅は阪神なんば線桜川駅、大阪メトロ千日前線桜川駅に隣接しています。


駅舎内部もかなり広めで、都心のターミナル駅でもおかしくないのですが、なんばまで阪神や地下鉄で1駅であることなどがあってか利用客は多くなく、日中の運行間隔は30分に1本。


改札上に掲げられている「南海沿線観光案内図」は非常に味があります。


乗車してきた電車で折り返していきます。


1編成での折り返し運転ですが、路線は岸里玉出駅付近を除き全線複線です。


かなりオールドスタイルな木造の西天下茶屋駅。


岸里玉出駅手前で単線になります。


岸里玉出駅で高野線に乗り換えます。


まずは各停金剛行きで堺東駅まで移動。


そして急行橋本行きに乗り換えます。


進行方向前方から左手側に「PLの塔」こと大平和祈念塔が見えます。


河内長野駅から南は山がちで、トンネルの数が増えます。


橋本駅に到着し、極楽橋行きの普通に乗り換えます。


橋本駅を出ると紀ノ川を渡ります。


学文路駅は入場券が受験生に人気の駅として知られます。


真田信繁ゆかりの地ということで、九度山駅は「真田仕様」になっています。


天気がかなり微妙になってきました。


終点の極楽橋駅に到着。


「天空」と「こうや」2編成が停車するシーンに出会うことができました。


1日乗車券の範囲外になりますが、高野山ケーブルで高野山に登ることにします。ケーブルは片道500円。


約5分で高野山駅に到着。


高野山駅の外観はこんな感じ。


高野山駅はあくまで高野山の入口にあり、金剛峯寺などへはバスや歩きで移動することになります。今回はお参りが目的ではないため、このまま折り返して下山します。


下りのケーブルカーで、上りのケーブルカーとすれ違い。かなり雨が降ってきています。


天気のさらなる悪化が懸念されたため、こからは全席指定の特急こうやに乗車して素早く移動することを決定。


なんば行きですが、途中の金剛駅で下車します。


座席はこんな感じ。


せっかくなので、高野山駅の売店で購入した柿の葉すしとやき餅を食べることに。


ほぼ座って移動しているとはいえなかなかの疲労感があるところに、酢飯の酸味が効きました。


そしてほどよくリクライニングできる座席も相まって、極楽橋の駅を出てすぐに寝てしまい、あっという間に金剛駅に到着。


階段を上がったところに、久々の「インサイド・ヘッド2」パネル。「イイナー」に関する問題です。


さらに北野田駅に移動。


改札を出て右手側に「ダリイ」に関する問題がありました。


次は中百舌鳥駅。なお、北野田駅は急行も停車しますが、中百舌鳥駅は準急か各停しか停車しない点に注意が必要です。


階段を上がった改札階に「ハズカシ」関連の問題があります。


さらに準急で天下茶屋駅へ移動。


階段を降りて改札へ向かう途中、動線から離れたところに「ビビリ」に関する問題があります。


天下茶屋駅からはどの電車に乗ってもなんば駅に向かうことが可能ですが、高野線急行で移動し、きっちり全路線乗りつぶしてなんば駅に到着しました。


なんば駅3階のパネルは特急券・指定券うりばの前にあります。


残る1つはゴール地点のなんばパークスシネマにあるので、2階に降りてなんばパークスを目指します。


なんばパークスシネマはなんばパークス奥のほうにあるエレベーターで8階まで上がればOK。


なんばパークスシネマにはフォトスポットと最後のクイズが用意されています。


すべてのクイズに解答し、なんばパークスシネマのグッズ売り場に提出すると先着2000名限定でオリジナルアクリルスタンドがもらえます。なお、1日フリー乗車券を購入してクイズラリーに参加すれば映画オリジナルグッズが抽選で10名に当たるWチャンス賞にも応募可能です。


今回は「南海電鉄全線乗車」と「クイズラリー参加」を並行して行ったので予定がパンパンになっていますが、クイズラリーだけなら、なんばから泉佐野までは急行で30分、同じくなんばから金剛までは急行で23分なので、ゆっくり移動して回ったとしても数時間で回ることが可能。一方、せっかくのほぼ全路線乗車可能な1日フリー乗車券でもあるので、この機会に南海沿線のいろいろなところも巡ってみるのもアリです。

・追記
今回、移動にかかった費用は1日乗車券2000円+関西空港部分の乗り越し370円+関西空港からの移動650円+高野山ケーブル往復1000円+特急こうや座席指定券520円で、合計4540円でした。

なお、1日乗車券を使わない場合は以下の通り。

なんば~多奈川:880円
多奈川~和歌山港:420円
和歌山港~加太:370円
加太~関西空港:1020円
関西空港~岸和田:650円
岸和田~高師浜:370円
高師浜~汐見橋:420円
汐見橋~極楽橋:970円
極楽橋~高野山:往復1000円
極楽橋~北野田:790円
北野田~なんば:420円

座席指定券を購入しない場合で合計7310円でした。

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in 取材,   乗り物, Posted by logc_nt

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