Fortniteで有名なEpic Gamesの開発者コミュニティを利用して海賊版サイトへ誘導する詐欺が横行している

海賊版サイトに対する規制は進んでおり、サイトをブロックしたり閉鎖したりする対処の他、検索エンジンのサーチ結果で海賊版サイトが上位に表示されないようにする取り組みも積極的に行われています。ところが、「本物のEpic Gamesの開発者フォーラム」に海賊版サイトのリンクを投稿することで当該リンクを検索結果上位に表示させる手法が広がっていることが報じられています。

Spammers Use Epic Games Website to Promote 'Piracy' Scams * TorrentFreak
https://torrentfreak.com/spammers-use-epic-games-website-to-promote-piracy-scams-231210/

海賊版や著作権問題について報じるニュースサイトのTorrentFreakによると、2023年11月ごろから数週間にわたって、Epic Gamesの開発者コミュニティに著作権侵害関連の詐欺リンクが多く確認されたとのこと。開発者コミュニティは、以下の画像のように「Getting Started & Setup」「Programming & Scripting」などトピックごとのページが分かれていますが、ここに海賊版サイトや違法コンテンツにリンクするトピックが複数追加されていました。

海賊版サイト自体は検索結果の上位に表示されないようになっていましたが、「海賊版サイトへのリンクを含むEpic Games開発者コミュニティへの投稿」は検索結果の最上位に表示されています。以下の画像はTorrentFreakが示した、「Hardcore Never Dies」「ナポレオン」など2023年に公開された映画の海賊版リンクに誘導する、Epic Gamesの開発者コミュニティが検索結果に表示されている様子。

Epic Gamesの開発者コミュニティに追加された著作権侵害関連の詐欺的トピックは数千件確認されており、最新の大ヒット映画や、人気の音楽などのタイトルをトピックの名前にして、海賊版コンテンツを宣伝しています。

開発者コミュニティからリンクされるサイトの多くは、「無料アカウント」と称してクレジットカード番号などを登録させる形となっており、仮に登録したとしても目的の海賊版コンテンツを視聴することができるリンクはほとんどありません。また、音楽の違法なダウンロードリンクとされるものをクリックすると、ダウンロードされるのは海賊版の音楽ファイルではなく、あらゆる種類の問題を引き起こす可能性のあるウイルスである可能性が高いとのこと。

検索エンジンでの評価が高く検索結果で上位に表示されるEpic Gamesのようなサイトを利用する詐欺は「SEOハック戦略」と呼称されており、 Googleが海賊版プラットフォームを検索結果から排除する動きを強めて以来、効果的な戦略と考えられています。ターゲットとされているのはEpic Gamesだけではなく、FacebookやGoogle マップ、世界最大のオンライン署名サイトであるChange.org、Steamなどの有名プラットフォームです。また、大学のウェブサイト内に発見された事例や欧州連合(EU)関連のウェブサイトが悪用された事例も過去に報じられています。

TorrentFreakがEpic GamesにSEOハック被害について報告したところ、Epic Gamesは「当社はこの問題を調査しており、開発者コミュニティのルール、およびユーザー投稿の要件を含むサービス利用規約のルールに違反するアカウントに対して措置を講じる予定です」と回答しています。