落としたスマホを回収するために貯水池から貴重な水を政府職員が抜いてしまう
スマートフォンをポロリと手元から落としてしまったことがあるという人は多いはず。うっかり貯水池にスマートフォンを落としてしまったという政府関係者が、これを回収するために貯水池の貴重な水を抜いてしまうという事態が話題を呼んでいます。
Indian official suspended for draining dam to retrieve smartphone | Water News | Al Jazeera
https://www.aljazeera.com/news/2023/5/28/indian-official-suspended-for-draining-dam-to-retrieve-smartphone
事態が起きたのはインド中部にあるチャッティースガル州。
インドの日刊紙であるThe Times of Indiaの報道によると、同州の政府機関で食品検査官を務めるラジェシュ・ヴィシュワス氏は、チャッティースガル州カンケル地区にある貯水池である「Kherkatta Dam(ケルカッタ・ダム)」にスマートフォンを落としました。
ヴィシュワス氏は政府の機密データが含まれているとして、地元のダイバーに落としたスマートフォンを回収するように依頼します。しかし、ダイバーによるスマートフォンの回収に失敗したため、ヴィシュワス氏はディーゼルエンジンポンプを使って貯水池の水を空っぽにするよう部下に命令したそうです。
地元メディアによると、命令から3日間で200万リットル以上の水が貯水池からくみ出されることとなりました。この水の量は、インドの灼熱の夏に少なくとも1500エーカー(約600万平方メートル)の土地を灌漑(かんがい)するのに十分な量です。
ヴィシュワス氏は地元メディアに対して「灌漑局の役人は、『水は農家の間で利用されておらず、水を3フィート(約1メートル)分抜いても問題ない』と言ったため、水の排水を行いました」と説明していました。
ソーシャルメディア上では、貯水池から水を抜くためにディーゼルエンジンポンプが稼働している隣でヴィシュワス氏が赤い傘の下に座っている様子を撮影した動画が拡散されています。
Chhattisgarh: Paralkot reservoir in Kanker district being emptied in peak summer to retrieve Rajesh Vishwas' Samsung phone. The whole process lasted for 3 days. He has only been suspended. #RajeshVishwas pic.twitter.com/zjBAevH537
— Annu Kaushik (@AnnuKaushik253) May 26, 2023
ヴィシュワス氏が貯水池に落としてしまったスマートフォンは最終的に回収されたものの、水浸しになっていたため起動することはできなかったそうです。
インドは最も水不足に悩まされている国のひとつであるため、ヴィシュワス氏が水資源を浪費していることはソーシャルメディアなどで広く批判されることとなりました。その後、ヴィシュワス氏は当局から停職処分を下されていますが、ソーシャルメディアなどでは「停職処分になっただけ」と科された処分が軽すぎるという声もみられます。
なお、カンケル地区の政府職員であるプリヤンカ・シュクラ氏は地元メディアに対して「ヴィシュワス氏は正式な許可を得ることなく貯水池から水をくみ出しました。これは容認できない行為です」という声明を出しています。
さらに、現地当局はヴィシュワス氏に水のくみ出しを許可したという関係者の捜査を開始したと説明しています。
・関連記事
iPhone 12 Proを運河の底から釣り上げることに成功したとの報告、MagSafeを利用 - GIGAZINE
6カ月前に湖底に消えたiPhone 11が動作する状態で持ち主の手元に帰ってくる - GIGAZINE
iPhoneがディズニーパークで巨大な湖に水没、しかし2カ月後に「完璧に動く状態」で持ち主の元へ帰ってくる - GIGAZINE
海でなくしたApple Watchが半年後に動く状態で見つかる - GIGAZINE
2日間も9メートルの海の底に沈んでいたiPhoneが奇跡の生還 - GIGAZINE
・関連コンテンツ