2022年03月04日 11時58分メモ

ウクライナのザポリージャ原発がロシア軍の攻撃を受け火災発生、「爆発すれば被害はチェルノブイリの10倍」と外相

2022年3月4日、ウクライナのザポリージャ原子力発電所がロシア軍の攻撃を受け、一部で火災が発生していることが伝えられました。同日10時20分時点で消防が到着しており、放射線拡散の脅威は確認されていないとのことです。

Ukrainian nuclear plant, Europe's largest, ablaze after Russian attack - minister | Reuters
https://www.reuters.com/markets/europe/top-wrap-1-europes-largest-nuclear-power-plant-fire-after-russian-attack-mayor-2022-03-04/

Europe's largest nuclear power plant on fire after shelling | AP News
https://apnews.com/article/russia-ukraine-war-a3092d8e476949ed7c55607a645a9154

日本時間の3月4日9時34分、ウクライナのドミトロ・クレーバ外相は、ヨーロッパ最大の原子力発電所であるザポリージャ原子力発電所がロシア軍の攻撃を受け、火災が発生しているとツイートしました。クレーバ外相は「爆発するとチェルノブイリ原子力発電所の10倍の被害が及ぶ」と述べ、ただちに攻撃をやめ、消防の接近を許可するようロシアに呼びかけました。

Russian army is firing from all sides upon Zaporizhzhia NPP, the largest nuclear power plant in Europe. Fire has already broke out. If it blows up, it will be 10 times larger than Chornobyl! Russians must IMMEDIATELY cease the fire, allow firefighters, establish a security zone!
— Dmytro Kuleba (@DmytroKuleba)

その後しばらく攻撃が続きましたが、同日11時頃、ザポリージャ原子力発電所のアレクサンダー・ツズ広報担当官が「砲撃は停止した」とBBCに報告。ただし「状況は非常に不確かである」としており、消火活動が行われているかどうかは明らかになっていません。またベラルーシのメディアであるNextaは同日10時19分に「放射線拡散の脅威はないとツズ氏」、10時50分に「プラントの安全が確保されたとザポリージャ地域国家管理局長」とツイートしています。

なお、ザポリージャ原子力発電所は周囲の放射線量をモニタリングし、以下のページで公開しています。

Radiation conditions _ ZNPP
https://www.npp.zp.ua/en/safety/arms

ザポリージャ原子力発電所に照明弾とおぼしき物体が到達した際の状況は、現地のライブ映像を記録するカメラで捉えられていました。その動画は以下から確認することができます。

Горить Запорізька АЕС!!! Момент потрапляння снаряду - YouTube

ザポリージャ原子力発電所はウクライナ南東部に位置するヨーロッパ最大の原子力発電所です。AP通信によると、ロシア軍からの攻撃が施設に直撃し、6機ある原子炉のうち1つが発火したとのことですが、当該原子炉は改装中であり、稼働していなかったとのこと。ただし、内部に核燃料が存在するとAP通信は伝えています。

ロシア軍は既にキエフにあるチェルノブイリ原子力発電所を占領しています。BBCは「国際原子力機関はウクライナの4つの原子力発電所の安全を維持するために、可能な限り最善の支援を提供するようウクライナ当局と協議していると述べた」と伝えています。