Google検索にチャットAIを搭載する計画があるとGoogleのスンダー・ピチャイCEOが明言

Microsoftは検索エンジンのBingに対話型AIを統合しており、Microsoftのサティア・ナデラCEOは「AIでGoogle検索を打破できる」と考えています。そんな中、Googleのスンダー・ピチャイCEOが経済紙のウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューに対し、Google検索にチャットAIを搭載する計画であることを明かしました。
Google CEO Sundar Pichai Says Search to Include Chat AI - WSJ
https://www.wsj.com/articles/google-ceo-sundar-pichai-says-search-to-feature-chat-ai-2fa0f54c

Google will integrate Chat AI into search
https://appleinsider.com/articles/23/04/06/sundar-pichai-says-that-chat-ai-is-coming-to-google-search-soon
Google plans to add AI tools to its search engine | ZDNET
https://www.zdnet.com/article/google-plans-to-add-ai-tools-to-its-search-engine/
ChatGPTを開発したAI研究団体・OpenAIに出資しているMicrosoftは、2023年2月にAIを組み込んだ検索エンジンBingの新バージョンをリリースし、検索エンジンのシェアにおけるGoogleの一強状態を崩そうと試みています。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、Microsoftは検索市場のシェアを1パーセントポイント増やすごとに、20億ドル(約2600億円)の収益増加を見込んでいるとのこと。
一方のGoogleも、2月にChatGPTの対抗馬となる会話型AI「Bard」を発表しましたが、記事作成時点でBardは検索エンジンに統合されておらず、デモンストレーションでも不正確な回答が見られたことが報じられています。
GoogleのチャットAI「Bard」が不正確な答えを出したせいでGoogleの市場価値が15兆円以上下落 - GIGAZINE

Googleの親会社であるAlphabetは1月に全従業員の6%にあたる1万2000人を解雇しており、その後もGoogleはAIアルゴリズムの開発に必要なコンピューターインフラストラクチャーを含め、さまざまな分野での支出削減を進めています。しかし、コストの削減にもかかわらずGoogleはAIの取り組みを推進しています。
ウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューに対し、ピチャイ氏は「AIのチャンスは、どちらかというと以前より大きくなっています」「人々はGoogleに質問し、検索の文脈で大規模言語モデルと関わることができるようになるでしょうか?もちろんそうです」と述べ、Google検索で大規模言語モデルと対話できるようにする計画であることを明かしました。
ピチャイ氏によると、Googleはユーザーが元のクエリに対してフォローアップの質問をするツールなど、いくつかの新しい検索製品をテストしているとのこと。ウォール・ストリート・ジャーナルは、「この動きは20年以上にわたって主流だったリンクベースの体験を、根底から覆すことになるかもしれません」と述べ、Google検索のAI統合が検索エンジンに大きな変化をもたらす可能性があると指摘しています。
Googleはこれまで、AIテクノロジーの急激な進歩に対しては慎重な姿勢を見せており、Bardの発表についても社内から「急ぎすぎて失敗した」「Googleらしくない」といった批判的な声が上がっていました。
Google社員は「Bard」の性急すぎる発表に不満を抱いている - GIGAZINE

ピチャイ氏はGoogleがこれまでチャットボットをリリースしなかった理由について、適切な市場を見つけられなかったからだと回答しています。その上で、「これらの技術の採用に対するユーザーの興奮を目の当たりにして、信じられない思いがすると同時に、うれしい驚きもありました」「私たちは何かを出荷するために作業を繰り返していましたが、業界の状況を考えると、タイムラインは変わったのかもしれません」と述べました。
Googleにある主要なAIユニットであるGoogle BrainとDeepMindは今後、コストを管理しつつAIの取り組みを継続するため、大規模なアルゴリズムの構築においてより緊密に協力することになるとのこと。ピチャイ氏は、「これらの取り組みには計算量の多いものがあり、一定の規模で共に作業することに意味があります」とコメントしています。
Bardが待機リストなしで利用可能になる時期についてピチャイ氏は明言しませんでしたが、「AIにはさまざまな選択肢があります。このテクノロジーは人々が考えているよりもアクセスしやすくなるでしょう」と述べ、将来的にはユーザーが個人のデバイスでアルゴリズムを実行可能になるとの見方を示しました。
なお、ピチャイ氏は3月31日にニューヨークタイムズのポッドキャストでインタビューに答え、Bardの元になっている言語モデルの「LaMDA」をより高性能な「PaLM」モデルにアップグレードする予定だと述べています。
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