ゲーム

フォートナイトの新ツール「Unreal Editor for Fortnite」でマリオカートやマインクラフト、パスファインダーなど他ゲームを超クオリティで再現する猛者が続々登場


人気バトルロイヤルゲームの「フォートナイト」を開発するEpic Gamesが、独自に開発しているゲームエンジン「Unreal Engine」の多くの機能を使える新しいフォートナイト向けのクリエイターツール「Unreal Editor for Fortnite(UEFN)」を発表しました。このUEFNを使ってマリオカートやマインクラフトなどの別ゲームを再現する猛者がさっそく登場しています。

Fortnite Players Are Already Making Incredible Things With Unreal
https://kotaku.com/fortnite-2-0-creative-map-unreal-epic-minecraft-mario-1850259046

2023年3月23日、Epic Gamesは新しいクリエイターツールの「Unreal Editor for Fortnite(UEFN)」、新しいプログラミング言語の「Verse」、フォートナイトで活躍するクリエイターをサポートする「クリエイター エコノミー2.0」の3つをリリースしました。

Unreal Editor for Fortnite のベータ版が提供開始 - Unreal Engine
https://www.unrealengine.com/ja/blog/unreal-editor-for-fortnite-is-now-available-in-beta


Unreal Editor for Fortniteとクリエイターエコノミー2.0 が登場しました。
https://www.fortnite.com/news/unreal-editor-for-fortnite-and-creator-economy-2-0-are-here-new-worlds-await


Unreal Editor for Fortnite で素晴らしい体験を制作しましょう - YouTube


フォートナイトでは既に「フォートナイト クリエイティブ」と呼ばれるゲームモードが存在しており、ここではクリエイターが独自の「島」を構築して自由にゲームを作成することが可能です。フォートナイトプレイヤーはゲームのプレイ時間の40%以上をこの島で過ごしているそうで、記事作成時点で島の総数は100万を超えています。UEFNはこのフォートナイト クリエイティブ向けのツールセットの追加機能という位置づけで、既存ツールと併用することも可能です。


UEFNはゲームやエクスペリエンスをデザイン・開発・公開するための新しいPCアプリで、Epic GamesのゲームエンジンであるUnreal Engineの機能を活用しながら、フォートナイト クリエイティブの島を構築するのに役立ちます。Unreal Engineの実績のあるツールやワークフローを既存のツールと組み合わせ、これまで作ることができなかったような新しいゲームおよびゲーム体験を構築することが可能となります。

記事作成時点でUEFNはパブリックベータ版となっており、コントロールリグとシーケンサーでリグとアニメーションを作成したり、Unreal Engineのモデリングツールを使用してジオメトリを直接ブロックしたり、Niagara VFXシステムとポストプロセスボリュームを使用して視覚効果を追加したりすることが可能ですが、今後より多くのUnreal Engineの機能が使用できるようになる予定です。


さらに、新しいプログラミング言語の「Verse」を使えば、UEFNなどのツールと並行してスクリプトを作成することで、ゲーム内の仕掛けや機能の操作、チェーン化などの新しいゲームロジックを手軽に作成することが可能となります。Verseはフォートナイトだけでなくメタバース用のプログラミング言語としても設計されており、将来的にはオープンワールドのスケーラビリティにも対応する予定とのこと。

そして、クリエイター エコノミー2.0ではフォートナイト クリエイティブで島を公開しているクリエイターに対して、エンゲージメントに応じた支払いが行われるようになることが発表されました。フォートナイトのアイテムショップや島(独立系クリエイターが作成した島と、バトルロイヤルなどのEpic Gamesが独自に構築している島の両方)に関するリアルマネー取引から発生した純収益の最大40%が、エンゲージメントに応じて個々のクリエイターに支払われることになるそうです。


そんな公開されたばかりのUEFNを使って作成されたハイクオリティな島を、海外ゲームメディアのKotakuがピックアップしています。

以下はマリオカート8 デラックスに登場するコース「キノピオハーバー」を再現した島。カートはフォートナイト内に登場するバイクですが、コース自体はかなり忠実に再現されているのがわかります。なお、開発者のルーカスさんは島を作成したものの一般向けには公開していません。


さらに、UEFNでシュレックを再現してしまった人も。

UEFN is sick
by u/matheuscsg08 in FortniteCreative


ゲームスタジオBeyondCreativeのクリエイターが、UEFNを使ってグランド・セフト・オートのグローブ・ストリートを再現したり、オリジナルのファンタジーゲームを作成したりしています。グランド・セフト・オートのグローブ・ストリートを再現したDanielさんは、作成には3週間ほどかかったと説明しています。


オリジナルのファンタジーゲームを作成したPaulo Coronaさんは、Quixelのアセットを使用してゲームを構築したと説明しています。


しんまうさんはライバルゲームの某人気キャラクターやマインクラフトを再現。



オーバーウォッチのマップを再現した人もいます。ただし、作者のPistonさんは「使用されているすべてのオーバーウォッチ関連アセットが、ゲームファイルから抽出されたものであることを明確にしたいと思います。つまり、マップを再現したというよりは、移植したという方が正しいです。また、このマップを一般向けに公開するつもりはありません」とツイートし、あくまでUEFNで可能なことを確かめるための一環として作成したマップであることを強調しています。


Reddit上では「Counter-Strike: Global Offensive(CS:GO)のミラージュ(マップ)を移植した」という投稿が寄せられており、CS:GOのマップデータを移植することに成功したと報告されています。

Imported Mirage from CS:GO (WIP) : FortniteCreative
https://www.reddit.com/r/FortniteCreative/comments/11zadsm/imported_mirage_from_csgo_wip/


他にも、UEFNを使ってフォートナイトのゲーム画面とは異なる一人称視点のゲーム映像を作成した人もいます。Kotakuは「フォートナイトのクリエイターツールを使ってフォートナイトっぽくないアニメーションを作成することもできるということ」と説明しました。


UEFNの基本から学び始め、一晩かけて砂漠をバイクで爆走するクリップを作成した人もいます。


スーパーマリオ64のピーチ城をインポートしてしまった人も。


なお、Epic Gamesの共同創設者であるティム・スウィーニーCEOは、今回発表したツールがメタバースを作成するための新たなステップのひとつであるとThe Vergeのインタビューで説明しています。

UEFNの登場で、既存のデータをUEFNに直接インポートすることができるようになったため、今後、フォートナイト以外のゲームがキャラクターやスキンをフォートナイトに移植してゲームに実装するといったことも起きる可能性があるとKotakuは指摘しています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
次世代ゲームエンジン「Unreal Engine 5」がついに正式リリースされる - GIGAZINE

次世代ゲームエンジン「Unreal Engine 5」のプレイステーション 5によるリアルタイムデモムービーが初公開、「完全に実写」な3Dグラフィックが必見 - GIGAZINE

次世代ゲームエンジン「Unreal Engine 5」の登場で「Unity」が終わるのではという指摘 - GIGAZINE

スマホで物体をスキャンして超高品質な3Dモデルを生成できる「RealityScan」をEpic Gamesが発表 - GIGAZINE

Epic GamesがUnreal Engineを使った車載ソフトウェアの開発を推奨、最初の採用車両は「ハマーEV」 - GIGAZINE

in ソフトウェア,   動画,   ゲーム, Posted by logu_ii

You can read the machine translated English article here.