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次世代ゲームエンジン「Unreal Engine 5」のプレイステーション 5によるリアルタイムデモムービーが初公開、「完全に実写」な3Dグラフィックが必見


Epic GamesがゲームエンジンUnreal Engineの最新版である「Unreal Engine 5」を発表しました。Unreal Engine 5で作成されたプレイステーション 5のリアルタイムデモの映像も公開されており、もはや「完全に実写」な3Dグラフィックを確認することができます。

Unreal Engine 5 初公開 - Unreal Engine
https://www.unrealengine.com/ja/blog/a-first-look-at-unreal-engine-5

Unreal Engine 5の目玉は、仮想マイクロポリゴンジオメトリ「Nanite」と動的グローバルイルミネーションソリューション「Lumen」という2つの技術です。Naniteによって、ZBrushモデル・フォトグラメトリスキャン・CADデータなどの映画品質のアセットを直接エンジンにインポートすることが可能で、アーティストはポリゴン数・メモリ・ドローコール数などの制約を気にする必要がなくなるとのこと。これによって、手動でLODを作成する必要もなければ、品質の損失もなくなります。

一方、Lumenはライティングの情報を3D空間上に超高速で反映させるライティング技術です。キロメートルからミリメートルまでの幅広い尺度で光の反射や相互干渉などをレンダリングして、時間経過による太陽角度の変化や懐中電灯の光、爆破で天井に空いた穴から差し込む光などを即座に反映可能。アーティストがUnreal Editorの中でライトを動かすだけで、実際のゲーム上で実行されるライティングを確認可能です。


実際にプレイステーション 5上でライブ実行されたリアルタイムデモは以下のムービーの1分27秒頃から見ることが可能です。それぞれのシーンの背後でどのような演算処理などがされているかが、日本語字幕で詳しく解説されています。



リアルタイムデモの冒頭、主人公が洞窟を探索するシーンはこんな感じの見た目。実写映画と言われても信じられるようなビジュアル。


この空間の大部分はQuixel Megascanという映画品質の3Dアセットで作成されています。テクスチャの解像度は8K、各アセットに含まれる三角ポリゴンの数は百万程度で、各フレームごとのソースジオメトリの総三角ポリゴン数は10億以上。この10億以上の三角ポリゴンが、Naniteによって2000万の描画ポリゴンに劣化なしで高速変換されます。空間上に含まれる三角ポリゴンに色を付けた映像が以下。ノイズのような各点が、それぞれ三角ポリゴンを表しています。


空間上での光の描写はLumenによるもの。光源を動かすと、以下のように結果が即時に反映されます。ライトマップやベイクなどを作成する必要はありません。


流体シミュレーションや剛体シミュレーションを正確に行う物理エンジンや、特定の空間上の音響効果をそのまま録音・再生するレンダリングシステムも搭載。


以下の主人公が暗い遺跡を探索するシーンは、Lumenがその威力を発揮しています。動的ライティングによって、懐中電灯のような光源で照らされた金属表面の光沢が再現されています。


遺跡の天井が一部崩落して、光が差し込むシーンでは……


天井の穴から差し込む光によって、遺跡全体のビジュアルがガラッと瞬時に変化。


以下の像は、ZBrushから直接インポートしたもので、1つの像だけで三角ポリゴン数は3300万を超えています。


続く空間上には、同じ像が500体近く設置されています。総計すると、像だけで三角ポリゴン数は160億以上とのこと。


この全てが、プレイステーション 5で実行されています。


以上のようにUnreal Engine 5はもはや完全に実写といえるようなクオリティの3Dグラフィックを作り出してくれるものですが、さらにEpic Gamesは「Unreal Engineで作成されたゲームは、粗収入が100万ドル(約1億700万円)を超えるまでロイヤリティを免除される」と発表。加えて、よくある質問(FAQ)によると、このロイヤリティの支払い義務は「ゲームもしくはその他のインタラクティブな市販向け製品」に対してのみ適用されるため、アニメーション製品などはUnreal Engine 5を無償で利用可能です。

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in ソフトウェア,   動画,   ゲーム, Posted by darkhorse_log

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