動画

女優の表情や動作をリアルタイムでゲームに反映するすさまじい技術


PlayStation 4/PC向けに開発されているアクションアドベンチャーゲーム「Hellblade: Senua’s Sacrifice」は、主人公のSenuaが幻覚や妄想を引き起こす精神病を患っているというぶっ飛んだ設定になっています。開発は独立系ゲーム開発会社のNinja Theoryが手がけているのですが、精神病を患う主人公の感情や動作をできるだけリアルに表現すべく、リアルタイムレンダリングできるモーションキャプチャー技術を採用しており、その開発風景は目を見張るものがあります。

Hellblade | Development diary: Making a virtual human | PS4 - YouTube


Hellbladeは開発風景を収めたムービーを公開中で、その中の1つにゲーム中に登場するキャラクターをどうやって作成したのかを収めたものがあります。


これが精神病を患っているという主人公のSenua。


Senuaは目・口・眉毛など顔のさまざまなパーツを動かして感情を表現。


クルッと振り返るときの髪の動きも本物の人間のようです。


ここまでリアルに近いキャラクターはどうやって作られているのでしょうか。


表情や動きがリアルなのは、女優の演技をモーションキャプチャーしてリアルタイムでレンダリングしてゲームに反映させているから。


カメラが動いて横からの構図になると……


ゲーム内のSenuaを映し出すアングルも変わります。


叫ぶような怒った演技では……


Senuaもゲームの中で叫んで怒りを表現。


女優とキャラクターの動きが完全にシンクロしているのは不思議な光景です。


Hellbladeに使われているUnreal Engineを開発したEpic Gameのキム・リブレーリ氏は「我々のチームはコンシューマとUnreal Engineのパワーを証明したかったんです」と語ります。


モーションキャプチャーの開発風景。


Hellbladeの開発を率いるタミーム・アントニアデス氏は「現実世界で撮影した素材をそのままバーチャルの世界のキャラクターに反映できる技術を知ったときは本当に驚かされました。その場で確認できるため、作成後の映像がどのようなものに仕上がっているのかを心配する必要もありません」とコメント。


ゲームの中のキャラクターを見ながら女優に演技の指示を出します。


空中に出現した炎を見上げるように女優が演技をすれば、ゲームの中に反映。


Hellbladeの開発には複数の企業が関わっています。


キャラクターの顔フェイシャル系デザインを担当するの3Lateral。


リアルタイムフェイシャルシステムはCubic Motion。


ゲーム開発を務めるのはNinja Theoryといった具合で、この他にもXsens、Ikinema、Technopropsといった企業が、独自の技術を提供しています。


「Ninja Theoryは独立系の開発会社なので、Hellbladeの開発も16人という小規模なチームが担当しています。Hellbladeはインディーズゲームになりますが、精神病を患っているという主人公の喜怒哀楽を何とかして表現したいと考えたのです」


フェイススキャンで高度な技術を使うことで知られる3Lateralでは、100種類以上にも及ぶ表情がスキャンされました。


可能な限り多くの表情をスキャンすることでキャラクターは女優のどんな表情もゲーム内で再現できます。


リアルな皮膚を表現するために、ありとあらゆるライティング環境下での撮影がおこなわれました。


光が当たると皮膚の質感はどのように変化するか、影はどのようにできるのか、多方向の角度から撮影したというわけです。


まばたきやしわなど、微細な表情の変化により作り出される影を撮影することでリアルな顔が完成。


顔に光が当たっているとき。


光が右に向かって移動しても、影の生成は非常になめらかです。というか、この画像が本物ではないことのほうが衝撃。


横から見てもこの通り。


女優はデジタルボディダブルのために全身をスキャンされます。


ボディダブルとは、映画やテレビドラマの撮影で出演者が演じることができないときに、その人の代わりに演技をする俳優のことを指します。この場合は、ゲームの中で女優が実際に演技できないため、キャラクターがデジタルボディダブルになるというわけ。


Senuaが着用する衣服。


ボロボロの布きれは……


犬に実際にかませたものをスキャン。


スキャンしたものをSenuaの衣装に利用。


黒い紙に白いペンキを手でべちゃっと塗ります。


これをスキャンしてキャラクターのデザインに使用。キャラクターの皮膚や表情だけでなく、衣服までリアルにほど近く作られています。


衣服のしわや動作も物理演算を用いて正確に計算。


キャラクターが歩くと衣服はどのような動きをするのか、ということまで現実世界の動きが反映されています。


映し出されたキャラクターの質感は、まるでそこにいるかのように感じられます。


Cubic Motionは女優の表情や動きをリアルタイムでレンダリングしてゲームに反映させるシステムを担当。


Unrial EngineのEpic Gamesはストリーミング・顔・動作・声・風景をリアルタイムでゲームにシンクロさせる技術をサポートしました。


ゲーム内で空中に腰掛けるSenua。どうなっているのかというと……


女優が椅子に座って休憩中。


「Ninja Theory、Epic Games、3Lateral、Cubic Motionなど複数の開発会社が技術を提供することで、ゲーム開発は大きな一歩を踏み出すことになったと思います。今回の技術は、ゲーム開発だけでなくVR開発、映像制作という分野が今現在可能なことの幅を大きく広げることなりました」とリブレーリ氏は語っています。


なお、Hellbladeの予告編は以下のムービーから確認可能です。

Hellblade - Gameplay Trailer | PS4 - YouTube

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
無料でも全機能を使用可能な超高画質ゲームエンジン最新版「CRYENGINE V」&VRベンチマークツールが登場 - GIGAZINE

ゲームを自ら学んで人間以上に上達できる人工知能「DQN」が人間を脅かす日はいつくるのか? - GIGAZINE

手と指の動きを感知して奥行きまで含めた立体的な操作ができる「Leap Motion」は一体何がすごいのかまとめ - GIGAZINE

伝えたいメッセージを映像に込めるクリエイティブの強さが実感できる25本の「カンヌライオンズ」映像まとめ - GIGAZINE

「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」の迫力シーンがどうやって作られたのかわかるムービー - GIGAZINE

in 動画,   ゲーム, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.