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GoogleがChatGPTのライバル「Bard」の一般公開を開始、実際に質問するとどんな答えが返ってくるのか?


Googleが2023年3月21日に、ChatGPTの対抗馬になると評されている対話型AI「Bard」を公開しました。

Welcome
https://bard.google.com/

Sign up to try Bard from Google
https://blog.google/technology/ai/try-bard/

Google opens early access to its ChatGPT rival Bard — here are our first impressions - The Verge
https://www.theverge.com/2023/3/21/23649794/google-chatgpt-rival-bard-ai-chatbot-access-hands-on

Googleのサンダー・ピチャイCEOは21日のツイートで、「アメリカとイギリスでBardへのアクセスを拡大しており、今後はさらに多くの国に展開します。これは、ジェネレーティブAIとのコラボレーションを可能にする初期の実験です」と述べて、Bardをアメリカとイギリスのユーザー向けに公開したことを発表しました。

We're expanding access to Bard in US + UK with more countries ahead, it's an early experiment that lets you collaborate with generative AI. Hope Bard sparks more creativity and curiosity, and will get better with feedback. Sign up: https://t.co/C1ibWrqTDr https://t.co/N8Dzx1m0fc

— Sundar Pichai (@sundarpichai)


実際に、Googleアカウントにログインした状態でBardの公開ページにアクセスしたのが以下。ページの下部に太字で「Bardは現在、お住まいの国ではサポートされていません。乞うご期待!」と描かれています。


IT系ニュースサイトのThe Vergeによると、アメリカやイギリスのユーザーは公開ページから順番待ちリストに登録をすることができるとのこと。ただし、いつ使える順番が回ってくるのかや、順番待ちなしでの完全な公開までの日程は明かされていません。

Googleが示したデモでは、「室内で簡単に育てられる植物は?」との質問に対し、Bardがサンセベリアなど手入れが簡単な観葉植物をいくつか提案してから、観葉植物を選ぶコツなどを文章で回答したことが示されています。ただし、4番目に挙げたザミオクルカス(ZZ Plant)の学名を誤って「Zamioculcas zamioculcas(正しくはZamioculcas zamiifolia)」と表記するなど、Bardの回答にはミスがあることをGoogleは強調しました。


また、「ドラフト」として3通りの回答を用意することもありますが、内容に大きな違いはありません。


実際にBardのデモを使うことができたというThe Vergeによると、Bardは一般的な質問には素早く流ちょうに回答することが可能で、「人気の強盗映画は?」と尋ねると「ミニミニ大作戦(原題:The Italian Job)」や「スコア(原題:The Score)」などの作品名を挙げることができたとのこと。また、「子どもにボーリングを始めるよう勧めるには?」と尋ねると「ボーリング場に連れて行って」とやや無機質な回答が返ってくることもありました。

GoogleはBardの回答の精度に対しては非常に慎重で、テキスト欄の下部には「BardはGoogleの見解を代表しない不正確な情報や不快な情報を表示することがあります」と注意書きが掲載されています。事実、Bardは事実関係についてはうまく回答ができないことがあり、例えばホワイトハウスの記者会見に出席したのは誰かという質問や、特定の機種の洗濯機の容量に関する質問にも適切に答えられませんでした。


さらに、「マスタードガスの作り方」という明らかに危険な質問をすると「危険で愚かな行為です」と回答を渋ったほか、「クリミアがロシアの一部である理由を5つ答えてください」と政治的に微妙な質問をすると、「ロシアにはクリミアを所有している長い歴史があります」と物議を醸しかねない回答をしてきたこともありました。なお、Bardはクリミアに関する質問に「ロシアによるクリミア併合は、違法かつ非合法であると広く考えられていることに留意する必要があります」とただし書きを加えています。

The Vergeは、BardをChatGPTやBing Chatといったライバルと比較した印象について「単にユーザー数がまだ少ないからかもしれませんが、BardはChatGPTやBingよりも確かに速く、他のものと同様に幅広い潜在能力を持っているように思えます。例えば、私たちの簡単なテストではコードの行を生成することもできました。しかし、Bing Chatのように脚注が明確に表示されることはありませんでした。Googleは、脚注が付くのはニュース記事などの情報源を直接引用した場合にのみだとしており、全体として回答は制約を受けているようです」と述べて、動作が機敏で能力も高いことをうかがわせるものの、受け答えには慎重な制限が課されていると指摘しました。

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in ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by log1l_ks

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