ソフトウェア

メールソフト「Thunderbird」のUIがゼロから開発しなおされることが判明


オープンソースで開発されているメールソフト「Thunderbird」の開発チームが、今後3年以内にインターフェースをゼロから作り直すことを発表しました。さらに、古いコードの書き直しやリリースサイクルの変更に取り組むことも明かされています。

Why We're Rebuilding The Thunderbird Interface From Scratch
https://blog.thunderbird.net/2023/02/the-future-of-thunderbird-why-were-rebuilding-from-the-ground-up/

Thunderbirdはオープンソースで開発されているメールソフトで、メール送受信の他にRSS購読機能やカレンダー機能、タスク管理機能なども搭載されています。Thunderbirdの開発はウェブブラウザ「Firefox」で知られるMozillaが主導しているのですが、Mozillaは2020年にThunderbirdの開発・運営事業を子会社の「MZLA Technologies Corporation」に移管しており、開発への影響が懸念されていました。

子会社への移管後もThunderbirdの開発は進んでおり、2020年9月にはOpenPGPによるメールの暗号化に対応。さらに、2023年内にはカレンダーの外観を刷新するアップデート「Supernova」をリリースすることも発表されています。


開発チームによると、Thunderbirdには「見た目が古くさい」「新機能の搭載に時間がかかる」といった意見が寄せられているとのこと。開発チームはSupernovaアップデートの開発に伴って、外観および内部システムの大幅な刷新を進めていることを明かしています。開発者チームが掲げた今後3年間の目標は以下の通り。

・コードをスリムかつ信頼性の高い状態に保ち、古いコードを書き直すことで技術的負債を取り除く
・インターフェースをゼロから再構築し、一貫性のあるデザインシステムを作成する
・柔軟にカスタマイズ可能なユーザーインターフェースを開発し、維持する
・最新版を毎月更新する

Thunderbirdの開発は約20年にわたって続いており、そのソースコードは「積み上がったブロック」のような状態になっています。このため、一部に変更を加えると他の部分も変更する必要が生じ、メンテンナンスコストが非常に高い状態になっているとのこと。しかし、Thunderbirdのコア開発メンバーはわずか12人しかいないため、Firefoxの変更や開発環境のアップデートに追従するのも大変な状況が続いています。

上記の状況を改善するために、開発チームはコードを大幅に刷新して技術的負債を取り除くことを決定しました。新たに開発されるユーザーインターフェースは「新規ユーザーにシンプルかつクリーンな操作性を提供する」ことと「ベテランユーザーも満足するカスタマイズ性の高さ」の両立を目指しているとのこと。新たなインターフェースの一部は2023年7月にリリース予定のThunderbird 115に導入される予定です。

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in ソフトウェア, Posted by log1o_hf

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