ネットサービス

Microsoftが超強力なチャットAI「ChatGPT」を使った新機能を検索エンジンのBingで展開する予定だと報じられる


AI研究団体のOpenAIが開発した対話型AIの「ChatGPT」は、2022年11月にテスト版が一般公開された途端にその驚異的な精度が話題となり、秀逸な回答例を集めたウェブサイトも登場しています。そんな中、OpenAIに多額の出資を行っているMicrosoftが、ChatGPTを検索エンジンのBingに統合して新機能をリリースすることを計画していると報じられました。

Microsoft and OpenAI Working on ChatGPT-Powered Bing in Challenge to Google — The Information
https://www.theinformation.com/articles/microsoft-and-openai-working-on-chatgpt-powered-bing-in-challenge-to-google

Microsoft Hopes OpenAI’s Chatbot Will Make Bing Smarter - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-01-04/microsoft-hopes-openai-s-chatbot-will-make-bing-smarter

Microsoft May Launch a ChatGPT-Fueled Bing This Spring
https://gizmodo.com/microsoft-openai-chatgpt-bing-google-1849947997

Microsoft to challenge Google by integrating ChatGPT with Bing search - The Verge
https://www.theverge.com/2023/1/4/23538552/microsoft-bing-chatgpt-search-google-competition

ChatGPTはOpenAIが開発したGPT-3.5をファインチューニングした自然言語処理モデルであり、人間のフィードバックを反映させる強化学習によって、スムーズに人間と対話できるほどの精度を獲得しています。すでに、「駐車違反の罰金に異議を唱える文章を作成できた」「大学生レベルのコンピューターサイエンスの自由記述問題に合格した」「マッチングアプリで女性と出会うことに成功した」など、ChatGPTを駆使して現実世界の問題を解決する事例も報告されています。

「Tinderの次のメタはChatGPT」女性の口説き方をチャットAIにご教授願う猛者現る - GIGAZINE


海外メディアのThe InformationやBloombergが接触した関係者によると、MicrosoftはChatGPTを検索エンジンのBingに統合した新機能をリリースする準備を進めているとのこと。Bloombergに情報提供した関係者は、Microsoftはユーザーの問い合わせに対してより会話的で文脈に沿った返答をすることで、リンクを超えた質の高い回答を提供し、検索ユーザーを獲得することを目指していると述べています。

実際にChatGPTがBingにおいてどのように使用されるのかについては詳細が明らかになっていませんが、テクノロジー系メディアのGizmodoは「ChatGPTの役割はバックエンドにある可能性が高いため、その存在はおそらく人間のユーザーには比較的検出されにくいでしょう」と指摘しています。


Microsoftは数カ月前からChatGPTの利用について検討しており、2023年3月末までに新たな機能を展開することを目指しているそうです。なお、最初のリリースは一般公開されず、少数のユーザーグループに対する限定的なテストになる可能性があるとのこと。

海外メディアのThe Vergeは、MicrosoftがBingにChatGPTを利用することで、Googleのウェブクロールとユーザーフィードバックに基づく知識ベースであるナレッジグラフに対抗できるかもしれないと述べています。実際、GoogleはChatGPTが検索ビジネスに脅威をもたらす可能性があるとして「コード・レッド」を宣言したと報じられています。

ChatGPTのリリースでGoogleは「コードレッド」を宣言、AIチャットボットが検索ビジネスにもたらす脅威に対応するためにチームを再割り当て - GIGAZINE


ChatGPTの利用に注目が集まる一方で、ChatGPTは他のAIと同様に誤った情報を真実であるかのように説明したり、バイアスに基づいた返答を生成したりする危険性も指摘されています。OpenAIのサム・アルトマンCEOは2022年12月の時点で、「ChatGPTの能力は非常に限定的ですが、いくつかの点で優れているという誤解を招くような印象を与えるのに十分です。現時点では、何か重要なことについてChatGPTを頼りにするのは間違いです。これは進行中のプレビューであり、堅牢(けんろう)性や真実性についてはやるべきことがたくさんあります」と語っています。

ChatGPT is incredibly limited, but good enough at some things to create a misleading impression of greatness.

it's a mistake to be relying on it for anything important right now. it’s a preview of progress; we have lots of work to do on robustness and truthfulness.

— Sam Altman (@sama)


なお、BloombergやGizmodoの問い合わせに対してMicrosoftはコメントを控えたとのことです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
対話型チャットAI「ChatGPT」開始から1週間も経たないうちにユーザーが100万人を突破、そもそもChatGPTとは一体何なのか? - GIGAZINE

超強力チャットAI「ChatGPT」に会話ログ出力機能やお気に入り機能を追加した非公式デスクトップアプリを使ってみた - GIGAZINE

話題のチャットAI「ChatGPT」のセーフガードを回避して「不適切な回答」を聞き出す手法とは? - GIGAZINE

ChatGPTをビジネスのアドバイザーとして使った結果驚くべき回答が行われる - GIGAZINE

対話型チャットAI「ChatGPT」を使って駐車違反に異議を唱え取り消させることに成功 - GIGAZINE

「Tinderの次のメタはChatGPT」女性の口説き方をチャットAIにご教授願う猛者現る - GIGAZINE

対話型チャットAI「ChatGPT」の精度をまざまざと実感させられる秀逸な回答例を集めた「LearnGPT」 - GIGAZINE

ChatGPTのリリースでGoogleは「コードレッド」を宣言、AIチャットボットが検索ビジネスにもたらす脅威に対応するためにチームを再割り当て - GIGAZINE

ChatGPTで生成された文章がすぐわかるように透かしを入れる試み - GIGAZINE

in ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by log1h_ik

You can read the machine translated English article here.