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イーロン・マスクのTwitterにお金を払っているのは一体誰なのか?アダルトパフォーマーや極右インフルエンサーなどその正体が明らかに


2022年10月27日にTwitterを買収してから、イーロン・マスク氏はサブスクリプションサービスの「Twitter Blue」を収益改善戦略の中心に据えています。新しいTwitter Blueの目玉は、アカウント名の横に表示される青色チェックマークである「認証済みバッジ」を誰でも有料で購入できるようになるというもの。新しいTwitter Blueがリリースされたのち、認証済みバッジを取得したなりすましアカウントが大量発生したことが問題となり、Twitter Blueの販売は一時停止されています。しかし、Twitter Blueで認証済みバッジを購入したアカウントは14万件以上も存在しているそうで、これらが一体どのような人たちなのかをソフトウェア開発者のトラヴィス・ブラウン氏が分析しています。

Adult Performers, Trump Supporters and Parodies: Who Is Paying for Twitter? - The New York Times
https://www.nytimes.com/interactive/2022/11/23/technology/twitter-elon-musk-twitter-blue-check-verification.html

2022年11月9日、認証済みバッジを購入できる新しいTwitter Blueがリリースされました。その後、11月15日時点でTwitter Blueの会員数は14万人を超えているそうです。これらのアカウントが「いつアカウントを作成したのか」と「どの程度のフォロワーを抱えているのか」を調査したところ、Twitter Blueに加入したアカウントのほとんどがわずかなフォロワーしか抱えていない、影響力の小さなアカウントであることが明らかになっています。


ただし、少ないながらも100万人超のフォロワーを持つTwitterアカウントも認証済みバッジを購入していたことが判明しています。認証済みバッジを購入していた100万フォロワー以上のアカウントは、YouTubeクリエイターのMika Salamanca氏(フォロワー数394万人)や、アラビア語のニュースサイトAlwatan News 24(フォロワー数270.1万人)、そしてアダルトパフォーマーです。

さらに、極右のインフルエンサーもTwitter Blue経由で認証済みバッジを購入していたことが明らかになっています。極右インフルエンサーの中で認証済みバッジを購入していたのは、トランスジェンダーに嫌悪的なコンテンツを発信するTikTokアカウントの「Libs of TikTok」(フォロワー数155.3万人)や、選挙関連の誤情報を発信している「catturd2」(フォロワー数108.4万人)などです。そのため、The New York Timesは「Twitter Blueで認証済みバッジが購入可能になれば、物議を醸す人物に正当性を与えることになるという批判を証明する結果となった」と記しています。

インフルエンサー以外でTwitter Blueの登録者となったアカウントの平均フォロワー数は560人以下だった模様。


なお、Twitterが認証済みバッジを有料で配布するようになった結果、Twitter上には「認証済みバッジを取得したなりすましアカウント」が大量発生することとなりました。製薬会社になりすましたアカウントが「インスリンが無料になった」と発表したり、政治家になりすましたアカウントが侮辱的なツイートを投稿したりしており、なりすましアカウントがTwitterにおよぼす影響はすぐさま懸念されるところに。その結果、Twitter Blueは一時販売停止せざるを得ない状況に陥っています。

Twitterが認証済みバッジを購入可能にしたことで公式になりすました偽アカウントが大量発生中 - GIGAZINE


なお、Twitter Blueに加入したTwitterアカウントのうち、300以上のアカウントがポリシーに違反したとして凍結されています。凍結されたアカウントの多くはマスク氏がTwitterを買収する計画があると発表してから作成されたアカウントであったそうです。これらのアカウントが凍結されていることから、ブラウン氏は「Twitterはまだポリシーに違反するアカウントに対して行動を起こしているようだ」と記しています。

一方で、マスク氏によるTwitter買収の動きが始まってから、Twitterのユーザー数は増加を続けています。Twitter Blueの会員になっている極右のユーザーが特にマスク氏のTwitter買収を歓迎しているとThe New York Timesは報じており、その理由は「マスク氏が過去に凍結されたTwitterアカウントの復活や、これまで禁止されてきたような厳格なポリシーを緩めることを検討しているため」とされています。

イーロン・マスクが凍結されたTwitterアカウントの「全面的な恩赦」についてアンケートを実施中 - GIGAZINE


また、ブラウン氏の分析によるとTwitter Blueの加入者のうち数千人が極右アカウントをフォローしているか、フォローされている模様。極右アカウントの判別は、コーネル大学の研究者が選挙に関する不正を推進するTwitterユーザーを追跡したリストをベースに行われたそうです。

なお、Twitterを買収したマスク氏は買収資金調達のために約130億ドル(約1兆8000億円)の負債を抱えており、毎年10億ドル(約1400億円)の利払いを行わなければいけません。この毎年10億ドルという高額な利子をTwitterの売上で支払うには、新たに約1000万人のTwitter Blue会員を獲得しなければいけないそうです。

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in ネットサービス, Posted by logu_ii

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