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Twitterは組織ユーザーの認証済みバッジ取得に月額13万円を求めるが上位500件の広告主とフォロワー数上位1万件の「旧来の認証済みバッジ取得済み組織」は支払免除


イーロン・マスク氏のCEO就任後にTwitterではアカウント名の隣に表示される青色の「認証済みバッジ」が有料化されました。そして2023年3月には「有料化以前の認証済みバッジは、2023年4月1日に削除される」という告知が発表されています。そんな中、Twitterが「上位500の広告主とフォロワー数上位10000の組織は認証済みバッジの月額料金を免除する」という施策を検討していることが明らかになりました。2023年3月31日13時17分追記:Twitterが発表した「Verified Organizations」について、末尾に追記しました

Elon Musk Tried to Meet With F.T.C. Chair About Twitter but Was Rebuffed - The New York Times
https://www.nytimes.com/2023/03/30/technology/elon-musk-ftc-chair.html

Twitterの認証済みバッジは、登場当初はTwitterによって選出された限られたユーザーにのみ与えられるものでしたが、2016年には各ユーザーが認証済みバッジの付与を申請できるリクエストシステムが登場し、多くのユーザーが認証済みバッジを取得できるようになりました。

Twitterアカウントが本物であることを示す「認証済みバッジ」のリクエストシステムが登場、申請方法まとめ - GIGAZINE


認証済みバッジのリクエスト時には本人確認を求められていたため、認証済みバッジには「なりすまし防止」や「アカウントの信頼性向上」といった効果がありました。しかし、マスク氏はTwitter買収後に「認証済みバッジはでたらめだ」と発言し、有料化を決定。そして2022年11月には有料サービス「Twitter Blue」の特典に「認証済みバッジの付与」を追加し、月額料金を支払えば誰でも認証済みバッジを取得できるようにしました。

しかし、認証済みバッジの有料化直後には「公式アカウントになりすました別アカウントが認証済みバッジを取得する」という事態が相次いで発生しました。この問題を受けてTwitterは「Twitter Blue」の販売を一時停止し、なりすましアカウントの対策を強化。そして、2022年12月には認証済みバッジの付与を含む「Twitter Blue」の提供を再開しました。

Twitterが認証済みバッジが買える「Twitter Blue」を12月12日に再開すると発表、iOSアプリからのサブスクは値上がり - GIGAZINE


さらに、Twitterは2022年12月に「Twitter Blue」の企業版である「Blue for Business」を開始。これに伴って、企業が管理するアカウントは「金色のチェックマーク」を取得できるようになりました。

Twitterで認証済みバッジが買える「Twitter Blue」の企業版「Blue for Business」がスタート、チェックマークは金色 - GIGAZINE


上記の経緯でTwitterでは認証済みバッジを有料で入手できるようになったのですが、記事作成時点では有料化以前に認証済みバッジを取得していたユーザーにも青色のチェックマークが付いています。しかし、2022年12月にマスク氏は「数カ月以内に旧来の認証済みバッジを削除する」と発言。そして、2023年3月には「旧来の認証済みバッジは、2023年4月1日に削除される」ということが正式発表されました。

Twitter Blueが全世界で利用可能になり4月1日からはTwitter Blue未加入の認証済みアカウントから青色チェックマークが外れることに - GIGAZINE


ニューヨーク・タイムズが入手したTwitter内部文書によると、Twitterは認証済みバッジの付与を申請する「組織ユーザー」に対して月額1000ドル(約13万円)を要求する予定とのこと。さらに、上位500件の広告主とフォロワー数上位1万件の「旧来の認証済みバッジを取得していた組織ユーザー」は支払が免除される予定であることも明らかになっています。

一方で、ニューヨーク・タイムズが「認証済みバッジ取得のために月額料金を支払うつもりはない」と述べていたことも伝えられており、Twitterの認証済みバッジに魅力を感じなくなっているユーザーが増加している可能性もあります。

New: The New York Times says it is not planning to pay for Twitter verification:

"We aren't planning to pay the monthly fee for verification of our institutional Twitter accounts," a spokesperson tells me.

— Oliver Darcy (@oliverdarcy)


上記のようにTwitterは広告主を優遇する取り組みに力を入れ始めていますが、マスク氏がTwitterのCEOに就任して以降、「マスク氏が率いるTwitterを信用できない」として多くの広告主が広告の出稿を停止しています。加えて、2022年11月になりすまし事件が多発した際には、広告主がTwitterを離れる動きが加速していました。マスク氏も2022年11月に「活動家グループが広告主に圧力をかけたため、Twitterの収益が大幅に減少しています。本当にめちゃくちゃだ!」と述べ、広告主が減少していることを認めています。

Twitter has had a massive drop in revenue, due to activist groups pressuring advertisers, even though nothing has changed with content moderation and we did everything we could to appease the activists.

Extremely messed up! They’re trying to destroy free speech in America.

— Elon Musk (@elonmusk)


Bloombergの報道によると、2022年9月~2022年10月にかけて広告主がTwitterに費やした費用は7100万ドル(約9億5000万円)でしたが、2023年2月~2023年3月には760万ドル(1億1000万円)にまで減少したとのこと。Twitterは2022年12月の「Twitter Blue」提供再開から3カ月で約14億円の売上を記録していますが、Twitterが広告収入に依存しない収益システムを構築できるのか、今後の動向に注目が集まっています。

・追記
Twitter認証済みバッジシステムの公式アカウントは2023年3月31日9時22分に組織ユーザーに対する認証済みバッジに関する声明をツイートしました。ツイートによると、組織ユーザーには新たな検証システム「Verified Organizations」が提供されるとのこと。Verified Organizationsを用いる組織ユーザーは、関連組織に「組織専用ロゴバッジ」を付与できるとのこと。Verified Organizationsの対象となる組織は「スポーツチーム」「報道機関」「金融機関」「フォーチュン500に属する企業」「非営利団体」などです。

Important to establish whether someone actually belongs to an organization or not so as to avoid impersonation https://t.co/nFnr2hFvbY

— Elon Musk (@elonmusk)


Verified Organizationsの参加申請は、以下のリンク先から行えます。

Apply for Verified Organizations
https://twitter.com/i/en/verifiedorganizations/apply


なお、マスク氏はVerified Organizationsの発表に際して、「なりすましを避けるためには、実際に組織に所属しているかどうかを確認することが重要です」と述べ、組織ユーザーへのロゴバッジ付与がなりすまし防止に役立つことをアピールしています。

Important to establish whether someone actually belongs to an organization or not so as to avoid impersonation https://t.co/nFnr2hFvbY

— Elon Musk (@elonmusk)

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in ネットサービス, Posted by log1o_hf

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