イーロン・マスクの「ハードコアなTwitter」についていけないと退職する社員が急増したため方針転換で一部社員を慰留＆リモートワークもOKの流れに

2022年10月27日にTwitterを買収したイーロン・マスク氏は、社員の半数を解雇したり4400人もの契約社員を解雇したりマスク氏の発言が間違っていると指摘したTwitter従業員を解雇したり、社内Slackでマスク氏を批判した社員約20人を解雇したりと、人員整理を進めています。マスク氏は従業員向けに長時間かつ猛烈に働くことに同意しない従業員は退職するようにという苛烈なメッセージを送ったことが明らかになっていますが、これを受けて何百人もの従業員がTwitterを退職することに決めたことが明らかになりました。

Elon Musk Softens Twitter’s Remote Work Stance — The Information
https://www.theinformation.com/articles/elon-musk-softens-twitters-remote-work-stance

Elon Musk changes Twitter’s remote work rules, again | Engadget
https://www.engadget.com/elon-musk-changes-twitters-remote-work-rules-again-225801061.html

Elon Musk's ‘Hardcore’ Ultimatum Sparks Exodus, Leaving Twitter at Risk - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-11-17/musk-softens-remote-work-mandate-to-retain-twitter-staffers

Elon Musk’s new email pushes Twitter managers to do his dirty work - The Verge
https://www.theverge.com/2022/11/17/23465006/elon-musk-twitter-email-remote-work-back-to-office

Twitter Workers Say Farewell After Musk Ultimatum Over Terms of Employment Passes - WSJ
https://www.wsj.com/articles/twitter-workers-brace-for-another-round-of-departures-as-musk-ultimatum-looms-11668716881

マスク氏はTwitterの社員向けに送信したメールの中で、「今後、画期的なTwitter 2.0を構築し、ますます激化する競争の中で成功するためには、極めてハードコアであることが必要です。これは、長時間かつ高強度で働くことを意味します。従って、今後は並外れたパフォーマンスだけが合格点になります」と、Twitterを革新するには全社員が全身全霊をかけて働く必要があると述べました。そして、マスク氏による新しいTwitterに賛同できない社員に対しては、職場を去るよう求めています。また、マスク氏は新しいTwitterではこれまで認められてきたリモートワークなどができなくなるとも述べていました。

イーロン・マスクがTwitter社員に「明日までにハードコアな職場を受け入れるか辞めるか決めろ」と最後通牒を突きつける - GIGAZINE

by Tesla Owners Club Belgium

しかし、マスク氏によるハードコアな職場についていけないとしてTwitterを離れる決意をした従業員が何百人も発生したと海外メディアのThe Vergeが報じています。マスク氏は「新しいTwitterに準拠」か「退職」の2択の期限を設定していたのですが、この期限が迫ったところで社内SlackにはTwitterに別れを告げる絵文字が大量に投稿されるようになったそうです。The Vergeの報道では数百人もの従業員が退職した模様。マスク氏はすでに従業員の約半数を一方的に解雇していたため、この時点での従業員数は約2900人ほどになっていたと報じられています。

実際、社員が自身のTwitterアカウントで会社に別れを告げるツイートを投稿しているケースも複数確認されています。

12年という長い年月をTwitterで過ごしたエンジニアもTwitterを離れることを決意しています。

しかし、この離職の動きはマスク氏の想像以上であったようです。マスク氏は全社員向けの最新メモで「リモートワークの承認に必要なのは、あなたが優れた貢献をしていると上司が責任を負うことだけです」と述べ、上司が承認さえすればリモートワークを認めると姿勢を変えたことが明らかになっています。さらに、マスク氏はリモートワークをする場合でも週に1回、最低でも月に1回は対面でミーティングを行うべきと主張しました。

加えて、マスク氏は「当然のことながら、リモートワークをしているか否かに関わらず、優れた仕事をしていない部下が『それでも不可欠な社員である』と主張するようなマネージャーは会社から解雇されるでしょう」と述べ、マスク氏の思い描くような貢献をしていない社員を野放しにしているマネージャーは解雇される可能性があることが示唆されました。

上記のようにマスク氏はリモートワークに対してかなり姿勢を緩めたように思えますが、リモートワークを求める社員に対して「もしあなたがオフィスに出ることができるにもかかわらずオフィスに出ていないなら、辞任することになるでしょう」というメッセージを送信していることも明らかになっています。

このため、Twitterのマネージャーにとっては部下からのリモートワークの要請を拒絶するのが最善の選択であることは明らかです。マネージャーが部下のリモートワークを拒絶するようになれば、マスク氏は自身の口で「リモートワークは許可できない」と言う必要がなくなります。

また、マスク氏は同氏が思い描く新しいTwitterについて主要な従業員に直接売り込んでおり、マネージャークラスの従業員を使って一部の従業員に「会社に留まるように」と説得していることも、Bloombergの報道により明らかになっています。