ハードウェア

室内用の空気品質測定器はひどいものばかりだという指摘


電子設計を生業としているHales氏が、室内用の空気品質を測定する製品に関して「業界が崩壊状態にあり、製品がゴミでもそのことに気付く顧客が少ないから気にしていない」と指摘しています。

Many indoor air quality sensor products are a scam (temperature, humidity, pressure, CO2, TVOC)
https://halestrom.net/darksleep/blog/048_indoorairsensing/


Hales氏の投稿は、組み込みシステム用ファームウェアとして用いられているLinuxディストリビューション「OpenWRT」のフォーラムへの「部屋の温度や湿度を測定したいけれど、4つの機器ですべて異なる値が出てしまうので、どうしたらいいのか真剣に悩んでいます」という書き込みに応じたものです。

電子設計を生業とし、温度・湿度センサーなどを扱うこともあるHales氏によると、温度・湿度・圧力などを測定するデバイスを作るのは、BME280や2SMPB-02Eといった既製のセンサーコンポーネントを、Wi-Fiを備えたマイクロコントローラーかチップセット付きのPCBに配置すればカンタンだとのこと。


これらのセンサーコンポーネントはメーカーが精度を保証しており極めて優秀なのですが、問題は「デバイスにおいて正しく用いられているのを見たことがない」という点だとHales氏。

まず、温度測定を正しく行うためには、温度センサーをボード上で他の電力を使用する電子機器から離して配置する必要があります。マイクロコントローラーとWi-Fiチップセットにより、わずか0.5W分の熱が発生するだけでもセンサーには影響が出ます。測定温度の誤差は、何もしない場合には数℃、もしセンサーの回りに強制的に空気の流れを作った場合は0.1℃未満になります。誤差はそよ風程度でも変化するため、単純に数値をいじって調整することは無理だとのこと。

そして、湿度表示は「現在の気温での空気の最大水分容量」を基準にしているため、温度のずれは湿度のずれにもつながってきます。

圧力センサーも、内部の読み取り値を補正して正しい値を表示するにあたり、センサー自体の温度が必要となります。このため、温度センサーが内蔵されていますが、一部は自己発熱することがあります。データシートには補正を行うための方法が記載されていますが、誤った方法を選んでしまうケースがあるとのこと。

このほか、二酸化炭素センサーは相対値は問題ないものの、「1日に1回は新鮮な空気と接触している」ことを前提に二酸化炭素の値が最も低いところを「最小測定値」として自動補正しようとするケースがあるそうです。このため、密閉されていてずっと空調が効いているようなオフィスなどだと、正しく機能しないとHales氏は指摘しました。

Hales氏は「製品の精度と信頼性、予想される製品寿命、適切な使用方法を示す文書が付属していない限り、そのデバイスは詐欺だとみなしてください」とアドバイスしています。

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in メモ,   ハードウェア, Posted by logc_nt

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