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インフルエンサーやOnlyFansモデルがフォロワー数の高さを活用して「並外れた能力を持つ個人」のビザを申請する「現代のアメリカンドリーム」が増加中


アメリカの就労ビザには多くの外国人労働者が使用する専門職向けの「H-1Bビザ」や海外支店に転勤する際の「L-1ビザ」などがありますが、「卓越した能力(extraordinary ability)」を持つ外国人を対象に発行する「O-1ビザ」というものもあります。実績が高い人のみに与えられるO-1ビザの申請が、SNS上のコンテンツクリエイターやインフルエンサーの間で急激に増加しています。

Influencers and OnlyFans models are increasingly requesting O-1 visas: ‘This is the American dream now’ | US immigration | The Guardian
https://www.theguardian.com/us-news/2026/jan/11/onlyfans-influencers-us-o-1-visa


Influencers and OnlyFans models dominate US ‘extraordinary’ artist visas
https://www.ft.com/content/8816fcec-4148-4cda-be7f-fc59d5bcbf59

非移民がアメリカで一時的に就労するためにはビザが必要です。ビザの一種であるO-1ビザには、科学・教育・ビジネス・スポーツの分野で並外れた能力を持つ個人を対象とした「O-1Aビザ」と、「並外れた能力または業績」を持つ個人を対象とした「O-1Bビザ」があります。O-1ビザは発行数の上限がなく抽選を伴わないものですが、H-1Bビザの10分の1にも満たない少数しか発行されません。


Financial Timesの報道によると、入手可能な最新のデータにおいて2014年から2024年の間にO-1ビザの発行数が50%以上増加しているとのこと。非移民ビザの発行総数は10%程度の増加のため、O-1ビザの増加率がかなり高くなっていることがわかります。

従来は、O-1Bビザの基準には「著名な作品で主導的な役割を果たした」「商業的に成功した実績」「専門家から高い評価を受けた」などが含まれていましたが、近年ではこの条件がオンラインのインフルエンサー向けに調整されています。弁護士のフィオナ・マッケンティー氏は「フォロワー数の増加や多額の収入は商業的成功の根拠となり、特定のブランドの宣伝契約を獲得することはタレントの推薦とみなされ、店舗のオープニングイベントに出演することは名高い作品に主演しているとみなされる可能性があります。ソーシャルメディアを毎日利用している人がどれだけいるか、そして実際にそれで生計を立てている人がどれだけ少ないかを考えれば、ソーシャルメディアは本当にスキルなのです」と述べました。


一方で、移民弁護士のプロティマ・ダリヤナニ氏は「本来承認されるべきではなかった人々がO-1ビザを承認されているというケースがあります。申請者が単に基準を満たしているだけなので、O-1ビザの有効性は薄れています」とインフルエンサーにO-1ビザを発行することに疑問を呈しました。また、オンラインでのリーチを成功の尺度として採用するようになった結果、オンラインに力を入れていないアーティストが不利になる恐れがあることも懸念されています。

イギリスの大手誌であるThe Guardianは、O-1ビザの取得に成功した、あるいは取得に取り組んでいるインフルエンサー数名にインタビューを実施しました。

TikTokで130万人のフォロワーを抱えるジュリア・エイン氏は、サブスクリプションプラットフォームのFanfixを通じて毎月数百万円の収入を得ており、その収益性からO-1Bビザの取得に成功しています。エイン氏はO-1ビザ申請の際に「このアプリには20万人のフォロワーがいて、こっちには30万人のフォロワーがいて、毎月1000万人が私の動画を視聴しています」「動画をただ視聴するだけではなく、毎月積極的にコンテンツにお金を払ってくれるフォロワーが多数います」などと申請書に記載したそうです。エイン氏は「50年前、人々が想像していたアメリカンドリームはこんなものではなかったかもしれません。でも、今のアメリカンドリームはまさにこれです」とインフルエンサーの影響力を強調しています。


ロシア系イスラエル人のチェスプレイヤーであるディナ・ベレンカヤ氏も、「O-1Bビザ申請においてソーシャルメディアは不可欠な要素でした」と語りました。ベレンカヤ氏は申請書でInstagram、Twitch、YouTubeにおけるフォロワー数をリストアップしたそうです。


一定数のフォロワー数が条件になっているわけではありませんが、SNSを中心に活動する音楽グループのBoy Throbは、O-1Bビザを取得するためにTikTokで100万人のフォロワー数を達成することを目的としたキャンペーンを実施しています。

また、インフルエンサーの他にもゲームをプレイして賞金や広告収入を稼ぐeスポーツ選手、主にヌードやポルノなどのコンテンツを提供して「ファン」を稼ぐイギリスのOnlyFansで人気を獲得したモデルも、O-1ビザ申請を始めていると報じられています。史上最高のサッカー選手とも評されるペレやアイルランドのミュージシャンであるシネイド・オコナーといった著名人をクライアントに持つ弁護士のマイケル・ウィルズ氏によると、近年ではSNSのインフルエンサーやTwitchのストリーマーなどをビザ発行関連で多数対応しているそうです。

ソーシャルニュースサイトのHacker NewsでもO-1ビザの変化が話題になっており、インフルエンサーやオンラインモデルがビザを取得することについての議論が交わされています。OnlyFansなどで活躍するヌードモデルがO-1ビザを認められることに疑問を述べる意見がある一方で、「科学者よりインフルエンサーが優先されるのは望ましくないが、O-1Bビザは元より俳優やミュージシャン、アスリートといったエンターテイメント系の有名人に発行されていたものである以上、インフルエンサーやeスポーツ選手、OnlyFansモデルも同じエンターテイナーです」というコメントもあります。また、O-1ビザが「アメリカに来る意味が大きい有名人」ではなく「オンラインで活躍する人」に提供されることに関する疑問は多数寄せられており、「つまりこれは、人気のエンターテイメントを対面で味わってほしいという意図ではなく、純粋に資金力や影響力のある人材をアメリカに連れてくるためのもので、いかにお金を稼いでいるか以外を当局は重要視していません」と述べるユーザーもいます。

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in ネットサービス, Posted by log1e_dh

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