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テクノロジー分野の技術者がアメリカに永住するために「EB-1」ビザを取得する方法

by Public Domain Photography

アメリカでビジネスを行いたい、アメリカで夢を叶えたい、という時にまずぶつかるのがビザの問題。カナダ出身のJulian Shapiroさんもその一人で、10年前のテクノロジー産業が盛んでないカナダで7年間も「アメリカに移り住むこと」を夢見てきたとのこと。Shapiroさんは弁護士に相談したにも関わらず「EB-1」という永住ビザについてずっと教えられなかったとして、その存在について語っています。

Getting a green card
https://www.julian.com/blog/how-to-get-a-green-card


当時のShapiroさんが弁護士などに相談しつつ調査したところ、ビジネスに投資する百万ドルを持たない人にとって、アメリカの永住・条件付永住者カード(グリーンカード)を手に入れる方法は以下の2つだったとのこと。

1.専門職者の就労ビザ「H1-B」をとって、「後でグリーンカードにアップグレードできますように」と願いながら3~4年働く
2.「卓越した能力を有する者」に発行される一時的なO-1ビザを取得し、アメリカ人と結婚するまで2年ごとに更新する

しかし、ビザの更新に失敗し「30日以内にカナダに帰ってください」という通知を受け取るリスクを背負ったまま、友人を作ったり家を購入したり、という新しい生活はできないとShapiroさんは考えました。また、長年フリーランスで働いてきたShapiroさんにとって、好きでもない会社に勤めて働くことは受け入れがたく、会社が嫌になって辞めたりクビになったりすれば、グリーンカードの取得が難しくなるということもリスクでした。


このような状況の中で、Shapiroさんは自分が称賛できる企業家が現れて話をできる機会を切望し続けつつカナダで暮らし始めたとのこと。

しかし、ある日、Shapiroさんは3歳からの友人がグリーンカードを取得したことを知ります。アメリカの企業のために働いていたわけでも、数百万ドルをアメリカの企業に投資したわけでもないのに、なぜグリーンカードを取得できたのか?とShapiroさんは友人に尋ねました。

すると、友人は「EB-1」というビザの存在を語ったとのこと。

by rawpixel.com

Shapiroさんの友人のスタートアップを、ソーシャルブックマークサービスを提供する「StumbleUpon」が買収した際に、StumbleUponの弁護士からEB-1ビザの取得の仕方を教えてもらったそうです。友人はStumbleUponの従業員ではなく、あくまでフリーランスであり、Shapiroさんと同じ立場でした。

EB-1ビザはO-1ビザの永住版のようなもので、取得するには自分が特定の分野で「卓越した能力を有する者」であることをアメリカ政府に示す必要があります。

EB-1ビザを取得するには以下の10個の要件のうち3つを満たす必要があるとのこと。O-1ビザも3つの要件を満たす必要がありますが、EB-1ビザはより高い能力が求められます。

◆卓越さについて国際的な賞を受け取ったという証拠
◆メンバーになるには卓越した功績が必要な、その分野の協会のメンバーであるという証拠
◆あなたの専門性について出版された記事、または主要な業界紙や主要なメディア
◆個々あるいは団体に対して、あなたが審査を行ったという証拠
◆科学、学術、芸術、競技、あるいはビジネスにおいて当該分野にあなたが大きな貢献したという証拠
◆専門分野に関する学術記事、または主要な業界紙や主要なメディアに執筆したという証拠
◆自分の作品が芸術の展覧会あるいはショーケースに展示されたという証拠
◆有名な組織において重要なあるいは主要な役割で活躍したという証拠
◆当該分野の他の人よりも高給、あるいは高報酬を受け取っているという証拠
◆舞台芸術の分野で商業的に成功したという証拠

なお、EB-1ビザの存在を知らなかったためにアメリカ行きをとどまっていたという技術者は他にも存在し、「家族の問題に詳しい移民専門弁護士が必ずしもビジネスビザに詳しいわけではない」「ビジネスビザの専門家がEB-1ビザの専門家というわけではなく、よく知らないビザを顧客に勧める人は少ない」という点が指摘されています

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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