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セックスワーカー主導の決済プラットフォームが閉鎖へ、金融界から性産業界への風当たりはまだまだ強いことが判明


アダルト業界の暗号通貨決済プラットフォーム「SpankPay」が、2023年3月20日に閉鎖することを発表しました。一般的な決済手段を使えないセックスワーカーのためのプラットフォームとして活用されていましたが、規制の高まりの中で継続していくことが困難になった旨が明らかにされています。


Sex Worker-Led Payment Platform Shuts Down After Being Cut Off by Processor
https://www.vice.com/en/article/88x9mb/spankpay-sex-work-payment-platform-shuts-down


主にアダルト業界での使用を目的とした暗号通貨決済サービスのSpankPayは現地時間の2023年3月20日、「長く困難な検討の末、SpankPayを閉鎖することを決定しました」とツイートしました。同ツイートによると、ユーザーが所持していた資産は失われず、「できるだけ速く各ユーザーの元へお届けします」とのこと。

SpankPayはアダルト業界のプロジェクトである「Spankchain」が2019年に開始したブロックチェーンの決済手段で、クレジット決済や銀行サービスを取り扱わないことの多いアダルト系のサービスを、仮想通貨で支払うことができるというもの。

Home | SpankPay


2023年2月にSpankPayがTwitterに投稿した法的書簡によると、Spankchainの上流支払い業者であるWyre Paymentsは、SpankPayが「第三者支払処理機関またはネットワークの規則に違反している」として、SpankPayを通じた支払いを無期限で停止しました。これを受けてSpankPayは「銀行による敵対的な環境の中、SpankPayを運営していくことは常に困難でした。SpankPayに対する攻撃がエスカレートしていき、私たちの小さなチームと私たちが提供するニッチな市場は、耐えられないものになりました」と語っています。


そして2023年3月には、Wyreの新規支払い業者となったCheckout.comが性的ビジネスに関連する支払いの処理を許可していないため、閉鎖に追い込まれたとSpankPayは明らかにしています。


SpankPayのアドバイザーを務めるセックスワーカーのアリー・イヴ・ノックス氏は、セックスワーカーであることを理由に、一般的に利用可能な全ての主要支払いアプリ・決済サービスの使用を禁止されており、生活と請求書の支払いを継続する方法として仮想通貨を使用しているそうです。そのようなセックスワーカーを支援する目的で開始されたSpankPayの閉鎖は、資金調達の選択肢が減少している中で、大きな打撃になると見られています。

アダルト業界の擁護団体The Free Speech Coalitionのスポークスパーソンであるマイク・スタビレ氏はMotherboardの取材に対し、「銀行システムと仮想通貨に関する多くの対話の中で、決済における差別の仕組みだけでなく、差別が与える影響について具体的に話す機会を得ることが重要でした。私たちは上院と下院のオフィスや委員会に会い、議会の両側から驚くほど好評を得ています。SpankPayの損失はアダルトビジネスやクリエイターにとって悲劇ですが、この件を受けて議会がより早急な対策を講じるよう願うばかりです」とコメントしています。

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in ネットサービス, Posted by log1e_dh

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