サイエンス

「体を冷やすと風邪を引く?」「ハーブやビタミンC・Dって効くの?」など風邪についてのよくある質問に専門家が回答


寒くなるにつれて心配になってくるのが、風邪の流行です。そこで、イギリス・アストン大学医学部の管理栄養士であるデュアン・メロー氏と、健康科学部の准教授であるジェームス・ブラウン氏が、「風邪についてのよくある質問とその答え」を6つにまとめて解説しました。

Six popular beliefs about colds: experts explain the facts
https://theconversation.com/six-popular-beliefs-about-colds-experts-explain-the-facts-170059

◆1:寒いと風邪を引きやすくなる?
風邪は寒い季節に流行するため、寒さが風邪の原因だと言われることもあります。メロー氏らによると、確かに気温の変化によって喉や気管の粘膜がダメージを受けて風邪の原因となるウイルスに感染しやすくなるため、「寒いと風邪を引く」というのもあながち間違いではないとのこと。しかし、寒さと風邪の関係として最も適切なのは「室内で過ごす時間が長くなり、人と人との距離が近くなることでウイルスの感染が広がるのに最適な環境になる」ということなのだそうです。

◆2:ニンニクを鼻に詰めると効果があるというのは本当?
TikTokには、風邪予防や鼻水対策の効果を期待してニンニクを鼻に詰める動画がたくさんあります。

@hwannah5 Since tik tok took it down the first time. THIS IS NOT DANGEROUS. The garlic cleans out your sinuses #safe #snot #fyp #comedy #garlic ♬ original sound - hwannah5

@siuwupeepoo WARNING: KINDA GROSS LMAO????#fypシ #garlicinnose #lgbtq #TakisTransformation ♬ original sound - sienna


しかし、これは鼻に何かを詰めた後に取り出したことで、流れが阻害されていた鼻水が鼻から垂れたり口から出てきたりしているだけなので、風邪や鼻づまりを予防する役には立たないとのこと。また、鼻水にはウイルスなどの病原体を除去する機能があり、病原体に対する抗体も含んでいるため、鼻水をせき止めるのはよくないそうです。


メロー氏らは「ニンニクには鼻を刺激する化合物が含まれていますし、鼻の粘膜を傷つけたり鼻が詰まったりするおそれもあるので、何でもかんでも鼻に突っ込むのは感心しません。役に立たないばかりか、むしろ害になる可能性もあります」と述べて、ニンニクやほかのものを鼻に突っ込むのはよくないと警告しました。

◆3:ハーブで風邪を予防することは可能?
ハーブや生薬の中には、風邪を予防する効果があるとされているものがたくさんあります。特に有名なものに北アメリカ原産の生薬であるムラサキバレンギク(エキナセア)があり、実際に多少の予防効果を示唆する臨床試験の結果も報告されていますが、統計的に有意なエビデンスが得られているとまでは言えないとのこと。また、ウコンも風邪を予防するとして注目されていますが、こちらも確実に効果があるとは言えないそうです。


◆4:チキンスープは?
海外では家庭の味として定番の料理であるチキンスープは、長年にわたり風邪の治療にも使われてきました。確かに、チキンスープはほかの温かい飲み物と同様に水分補給や副鼻腔(ふくびくう)の痛みを和らげる効果があるとされていますが、実験では免疫細胞に対する影響が見られなかったたため、風邪やウイルス性の感染症に対する特別な効果は期待できないそうです。

◆5:ビタミンCは風邪の予防や治療に役立つの?
ノーベル賞を受賞した科学者であるライナス・ポーリングが、「大量のビタミンCを摂取するとウイルス感染症が治る」とする説を唱えたことで、ビタミンCは風邪に有効な栄養素として一気に知名度を上げました。しかし、研究者がエビデンスを吟味する非常に厳格な調査であるコクランレビューでは、ビタミンCが風邪を予防するという結果は得られなかったとのことです。

ビタミンCが風邪を予防することは実証されませんでしたが、代わりに「風邪を引く期間を短くする可能性がある」ことは確認されています。そのため、メロー氏らは「『1日200mg程度のビタミンCのサプリメントは風邪を早めに治す方法としては妥当』とする意見もあります」と述べて、ある程度の効果が期待できそうだとの見方を示しました。

◆6:ビタミンDの効果は?
ビタミンDは、インフルエンザや新型コロナウイルス対策として注目を集めている栄養素です。

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メロー氏らによると、ビタミンDは免疫力を高めるのに重要な役割を果たしていることが実験で確かめられており、ウイルス性の風邪に対抗する上でも非常に重要な栄養素だとのこと。ビタミンDは日光を浴びることで合成できますが、日照時間が短くなり肌の露出も減る冬には不足しがちなため、メロー氏らは「冬の間にビタミンDのサプリメントを摂取するのは賢明なことであり、風邪の予防にもつながると考えられます」と述べて、ビタミンDの適切な摂取を推奨しました。

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in サイエンス, Posted by log1l_ks

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