ショウガ・ターメリック・シナモンといったスパイスの食べすぎは薬の効果を妨げる可能性がある

風味付けに欠かせないスパイスが、特定の薬の効果を低下させるのではないかという研究結果が発表されました。例えばシナモンには、薬が体内から排出されるスピードを速める可能性があるそうです。
Why eating too much ginger, turmeric or cinnamon could interfere with your prescription medication
https://theconversation.com/why-eating-too-much-ginger-turmeric-or-cinnamon-could-interfere-with-your-prescription-medication-255527

シナモンにはシンナムアルデヒドやオイゲノール、クマリンなどの化合物が含まれており、香りの発生に寄与していますが、一方で解熱鎮静作用など香り以外のはたらきをすることもわかっています。
ミシシッピ大学の研究者らが行った実験では、薬が体内から排出される速度を速める受容体をシンナムアルデヒドが活性化することが判明しました。この研究はまだ初期段階であり、人間でテストされたわけではありませんが、薬の効果にシナモンが関係するという可能性について重要な問題を提起しています。

キングストン大学で薬学について教えるディパ・カムダール氏によると、シナモンの種類も効能に関係してくるそうです。例えばシナモンの一種である「カシア」にはクマリンが多く含まれていますが、クマリンは抗凝固剤としても知られており、血栓を防ぐ働きがあるため、ワルファリンのような血液をサラサラにする薬と併用すると危険だとカムダール氏は指摘しています。シナモンのサプリメントを抗凝固薬と併用すると出血のリスクが高まる可能性があることを示唆する症例報告もいくつかあり、カムダール氏は「これはおそらく、ワルファリンのような薬剤を分解する肝臓酵素にクマリンが影響を与えるためでしょう」と言及しています。また、シナモンは鎮痛剤、抗うつ剤、抗がん剤、糖尿病薬など、他の薬と作用する可能性を示唆する研究もあるそうです。
シナモン以外にも潜在的なリスクがあるスパイスがあります。1つはターメリックで、抗炎症作用と抗酸化作用があるとされるクルクミンという化合物が含まれており、抗うつ薬、血圧治療薬、化学療法薬、特定の抗生物質と相互作用する可能性があるとのこと。さらに、ターメリックには血圧を下げる作用があることが示されており、高血圧治療薬と併用すると血圧が過度に低下する可能性があるといいます。
ジンジャーもまた、吐き気を止める効果や抗炎症効果があることが知られていますが、血液をサラサラにする作用があるため、抗凝固剤と併用すると出血のリスクが高まる可能性があります。
ただし、こうした効果は大量に摂取したとき、特にサプリメントで高用量を摂取したときにリスクがあるだけで、食品に軽く振りかける程度では問題は起こりにくいとカムダール氏は指摘しています。

カムダール氏は「薬、特に血液をサラサラにする薬や糖尿病薬、化学療法薬を服用している場合は、新しいハーブやサプリメントを試す前に医師や薬剤師に相談する価値はあります。しかし、ほとんどの人にとって、一般的な料理でスパイスを使うことは安全です。ですから、どうぞ、振りかけたり、つまんだり、かけたりしてください。服用する可能性のある薬だけに注意してください」と述べました。
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