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Intelの第12世代Coreプロセッサ「Alder Lake」搭載PCで50以上のDRM採用ゲームがプレイ不可との報告


Intelが2021年11月4日に発売した第12世代Coreプロセッサ「Alder Lake」は第11世代より大幅に性能が向上しており、最上位モデルのCore i9-12900Kは「世界最高のゲーミング向けプロセッサ」と称されています。ところが、Alder Lakeを搭載したPCでは50以上のPCゲームでデジタル著作権管理(DRM)の不具合が発生し、正当に購入したゲームがプレイできない事態が発生していると報告されました。

Intel: These 50+ PC Games Are Incompatible With 'Alder Lake' CPUs Due to DRM | PCMag
https://www.pcmag.com/news/intel-these-50-plus-pc-games-are-incompatible-with-alder-lake-cpus-due

Faulty DRM breaks dozens of games on Intel’s Alder Lake CPUs | Ars Technica
https://arstechnica.com/gaming/2021/11/faulty-drm-breaks-dozens-of-games-on-intels-alder-lake-cpus/

Intelの第12世代CoreプロセッサであるAlder Lakeは、Armベースのチップと同じように高性能コアと高効率コアの2種類のコアを混載しています。Intel 7(旧10nm Enhanced SuperFin)プロセスノードを採用してパッケージを改善し、第11世代よりも大幅な性能改善を実現したとのことで、海外メディアは「Core i9-12900K」が「Ryzen 9 5950X」を上回るパフォーマンスを発揮したと報告しています。

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ところが、Alder Lakeは優れたゲーミング向けプロセッサとして宣伝されているにもかかわらず、一部のPCゲームではプレイすらできない不具合が生じていると報じられています。Alder Lakeを搭載したPCとの互換性がないとされているのは、主に「Denuvo」というDRMで保護されているゲームだそうです。

ゲームのダウンロード販売が主流になる中でゲーム業界は違法コピーとの戦いを強いられており、DRMは不正な購入者によるプレイを阻止する方法として導入されています。テクノロジー系メディアのPCMagによると、DRMのソフトウェアは1つのAlder Lakeに搭載されている高性能コアと高効率コアを「別々のPCに搭載されているプロセッサ」だと誤解してしまうため、Alder Lakeを搭載したPCではゲームがプレイできなくなってしまうとのこと。

PCMagのレビュー担当者であるChris Stobing氏は、「(ゲームの)負荷の一部が高性能コアと高効率コアで分割されたことを検出すると、新しいコアを新たなライセンス所有者(別のシステム)と見なし、ゲームを強制終了して2台のPCが同じキーで1つのゲームをプレイするのを防ぎます」と述べています。


Intelが発表したリストによると、記事作成時点では以下の合計52個のゲームがAlder Lakeによる影響を受けることが確認されています。

◆Windows 10でもWindows 11でも影響を受けるタイトル
「ANTHEM」
「ブレイブリーデフォルトII」
「Fishing Sim World」
「Football Manager 2019」
「Football Manager Touch 2019」
「Football Manager 2020」
「Football Manager Touch 2020」
「聖剣伝説 レジェンド オブ マナ」
「Mortal Kombat 11」
「トニー・ホーク プロ・スケーター1+2」
「Warhammer I」
「アサシン クリード ヴァルハラ」
「ファークライ プライマル」
「Fernbus Simulator」
「フォーオナー」
「ロスト・イン・ランダム」
「Madden NFL 22」
「Maneater」
「ニード・フォー・スピード ホット・パースート」
「Sea of Solitude」
「スター・ウォーズ ジェダイ:フォールン・オーダー」
「Tourist Bus Simulator」

◆Windows 10で不具合が発生するがWindows 11にアップデートするとプレイできるタイトル
「エースコンバット7 スカイズ・アンノウン」
「アサシン クリード オデッセイ」
「アサシン クリード オリジンズ」
「CODE VEIN」
「eFootball ウイニングイレブン 2021」
「F1 2019」
「Far Cry New Dawn」
「FIFA 19」
「FIFA 20」
「Football Manager 2021」
「Football Manager Touch 2021」
「ゴーストリコン ブレイクポイント」
「ゴーストリコン ワイルドランズ」
「イモータルズ フィニクス ライジング」
「ジャストコーズ4」
「ライフ イズ ストレンジ2」
「Madden NFL 21」
「Monopoly Plus」
「ニード・フォー・スピード ヒート」
「スコット・ピルグリムVS.ザ・ワールド: ザ・ゲーム」
「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」
「NARUTO TO BORUTO シノビストライカー」
「ソウルキャリバーVI」
「スターリンク バトル・フォー・アトラス」
「チームソニックレーシング」
「Total War:THREE KINGDOMS」
「Train Sim World」
「Train Sim World 2」
「Wolfenstein: Youngblood」

なお、「ANTHEM」「ブレイブリーデフォルトII」「Fishing Sim World」「Football Manager 2019」「Football Manager Touch 2019」「Football Manager 2020」「Football Manager Touch 2020」「聖剣伝説 レジェンド オブ マナ」「Mortal Kombat 11」「トニー・ホーク プロ・スケーター1+2」「Warhammer I」については、2021年11月中旬のアップデートで問題を修正する予定であり、その他のゲームについても開発者と協力して修正パッチの開発に取り組んでいるとのこと。

また、ユーザーはBIOS設定画面を開いて「レガシーゲーム互換モード」をオンに切り替え、影響を受けるゲームを起動する時に「Scroll Lockキー」を押すと問題を回避できるとのこと。しかし、一部のAlder Lake搭載PCではBIOS設定画面から「レガシーゲーム互換モード」を利用できないとのことで、IntelやPCメーカーは将来的なBIOSアップデートに含まれる予定だと述べました。

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in ソフトウェア,   ハードウェア,   ゲーム, Posted by log1h_ik

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