TwitterがAP通信やロイターと提携してプラットフォームの信頼性を向上すると発表
世界中の人々がSNSを通じて情報を入手したり発信したりする現代では、プラットフォーム上で拡散されている情報が真実かどうかをチェックすることが重要です。Twitterが2021年8月2日、プラットフォームにおける情報の信頼性を高めるため、AP通信およびロイターと提携することを発表しました。
Bringing more reliable context to conversations on Twitter
https://blog.twitter.com/en_us/topics/company/2021/bringing-more-reliable-context-to-conversations-on-twitter
Twitter partners with AP, Reuters to battle misinformation on its site | Reuters
https://www.reuters.com/technology/twitter-partners-with-ap-reuters-battle-misinformation-its-site-2021-08-02/
AP, Reuters to help Twitter elevate more credible info
https://apnews.com/article/technology-business-f50de92cdce456a34f78f56440e7517b
Twitterでは毎日幅広いトピックに関する会話が世界規模で交わされており、ユーザーはタイムリーな情報を入手するツールとして活用しています。その一方、信頼性の低い情報やフェイクニュースが拡散しやすいという問題点も指摘されており、Twitterはプラットフォームの信頼性を高めるために多様な取り組みを行っています。政府関係者のアカウントへのラベル付けや、ユーザー自身が誤解を招く恐れがあるツイートにメモを残せる「Birdwatch」といった機能はその一例です。
また、Twitterのキュレーションチームは、ユーザーの注目度が高かったり、内容が物議を醸していたり、機密性が高い情報が扱われていたり、誤解を招く可能性が高かったりする会話がプラットフォーム上で拡大している場合、情報の出どころを調査して信頼できるソースからの情報を集め、会話の信頼性を向上させているとのこと。たとえば、「トレンド」に入った話題に関するツイートや補足を追加したり、「検索」タブに表示されるさまざまな話題に関するモーメントを作成したり、選挙や公衆衛生上の問題に関する注意喚起をタイムラインや検索タブに表示したりするといった取り組みが、その一例です。
そして新たにTwitterは、キュレーションチームがアメリカに本拠を置くAP通信およびイギリスに本拠を置くロイターと提携し、さらに情報の信頼性を確保する作業の規模や速度を向上させると発表しました。公式に報道機関と提携することにより、以下のようなメリットがあるとTwitterは述べています。
・コンテキスト共有の増加と改善
事実関係について議論がある場合やTwitterのキュレーションチームに専門知識がない場合、あるいはTwitterでアクセスできる信頼性の高い情報が不足している場合でも、報道機関の信頼性の高い情報を基にしたリアルタイムの情報提供が可能となります。
・新たに出現する会話の予測と積極的な対応
報道機関と提携することにより、将来的に誤解を招く可能性がある会話に発展しかねないトピックや幅広い関心を集めているトピックに対し、積極的にコンテキストを提供することが可能になるとのこと。TwitterはAP通信やロイターと強力することで、問題のある会話が成長するまで待つのではなく、リアルタイムの会話に沿ったペースで適切なコンテキストを提供できると述べています。
・製品機能の有効性の向上
AP通信およびロイターが提供する信頼性の高いコンテキストは、Twitterが実験している機能やすでに提供した機能の有効性を向上する役に立つとのこと。たとえば、Birdwatchのメモを評価するために、AP通信およびロイターのフィードバックを活用するそうです。
なお、プログラムの初期段階では、AP通信およびロイターは英語のコンテンツに焦点を当てるとのこと。また、ツイートがTwitterのルールに違反しているかどうかを判断するTrust&Safetyチームの執行には、AP通信やロイターは関与しないとTwitterは説明しています。
ロイターでユーザー投稿コンテンツ(UGC)の責任者を務めるHazel Baker氏は、「信頼・正確性・公明正大であることはロイターの仕事の中心であり、賢明な意思決定を行うために必要な情報を数十億人もの人々に提供しています。これらの価値観はまた、誤情報の拡散を阻止するという私たちのコミットメントを推進します。私たちは、世界および地域の深い専門知識を活用し、信頼できる情報で公の会話を提供できるTwitterとの提携に興奮しています」とコメントしています。
AP通信でグローバルビジネス開発担当ヴァイスプレジデントを務めるTom Januszewski氏は、「AP通信は、事実に基づくジャーナリズムの範囲を拡大するために、Twitterと緊密に作業してきた長い歴史があります。この作業は私たちのミッションの中核です。私たちはAP通信の規模と速度を活用して、オンラインの会話に事実へ簡単にアクセスできるコンテキストを追加することにとても興奮しています」と述べました。
AP通信とロイターはお互いに独立してTwitterと協力するそうで、今回の提携に関する金銭的な条件などは、明らかになっていないとのことです。
・関連記事
Twitterユーザー自身が誤情報を指摘する「Birdwatch」のメモが一部ユーザー向けに表示開始 - GIGAZINE
誤情報ツイートに対して参考情報を示すTwitterの新機能「Birdwatch」登場 - GIGAZINE
Twitterが「新型コロナウイルスワクチンに関する誤った情報」へのラベル付けを開始 - GIGAZINE
Twitterが日本を含む各国の政府関係者のアカウントにラベル付けを開始 - GIGAZINE
フェイクニュースを拡散するのはTwitterボットではなく普通の人と判明 - GIGAZINE
Twitterでフェイクニュースを指摘された人は「かえって意見が偏っていく」との研究結果 - GIGAZINE
Twitterは政治的発言のファクトチェックを行うべきでないという考えをFacebookのCEOが表明 - GIGAZINE
・関連コンテンツ