×
メモ

フェイクニュースを拡散するのはTwitterボットではなく普通の人と判明


内容に根拠がなかったりまったくのデタラメだったりするいわゆる「フェイクニュース」は、インターネットを通じて爆発的に拡散することで知られていますが、フェイクニュースが拡散する原因はTwitterなどで自動ツイートを行うボットではなく、普通の人間であることが判明しています。

The spread of true and false news online | Science
http://science.sciencemag.org/content/359/6380/1146

Scientists prove that truth is no match for fiction on Twitter | Technology | The Guardian
https://www.theguardian.com/technology/2018/mar/08/scientists-truth-fiction-twitter-bots

MITのシナン・アラル教授たちの研究チームが、フェイクニュースが拡散するメカニズムを調べるため、2006年から2017年までにTwitterでのべ450万回以上ツイート(リツイート)された12万5000以上のストーリーを調査しました。その結果、フェイクニュースの上位1%は1000人から10万人に拡散したのに対して、真実(事実)のツイートは1000人以上に拡散することはほとんどないことが分かったとのこと。つまり、真実の情報よりも間違った情報の方がよりツイートされ拡散しやすいことがわかったというわけです。

拡散しやすさは拡散スピードにも表れていることが明らかになっています。調査では、1500人のユーザーに拡散するスピードは、真実のツイートは偽のツイートの6倍長い時間がかかることが分かりました。そして、ツイートがツイートを呼ぶ数珠つなぎの複層化現象についても、真実のツイートが10層に到達するのにかかる時間は偽のツイートの20倍長いことがわかったそうです。

なぜ人間がフェイクニュースを拡散してしまいやすいのかの原因について、研究者たちは「目新しさへの欲求」だと考えています。そして、新奇性のある情報を知っていることや情報源へのアクセスを持つという事実が、ネット上でのステータスになっている可能性が指摘されています。なお、真実よりも拡散しやすいフェイクニュースの中でも「政治」のテーマが最も拡散しやすいことも判明しています。政治のフェイクニュースは、テロリズム、自然災害、科学、経済、都市伝説がテーマのフェイクニュースよりもはるかに拡散しやすいそうです。


一般的にフェイクニュースがTwitterで拡散する問題では、偽の情報を自動でつぶやく「ボット」が大きな影響を与えているという指摘がありました。今回の研究では、ボットは偽の情報も真実の情報であっても、拡散に与える寄与度は同程度だということがわかったとのこと。つまり、ボットは偽の情報も真実の情報も同じ程度に拡散するというわけです。さらに、膨大なツイートの中からボットがつぶやいたものを除外した状態でも検証が行われており、ボットありとボットなしでフェイクニュースの拡散に与える影響度は大きくないことがわかったとのこと。以上の結果から、偽の情報が真実の情報よりも早く拡散するのは、人間が偽の情報を拡散しやすいからと推察されています。

フェイクニュースの拡散に人間の寄与度が高いという結論は、フェイクニュース拡散問題への対策にも役立つ可能性があります。従来はフェイクニュースを自動ツイートするボットの封じ込めに力点が置かれていましたが、今後は過った情報がそれ以上、拡散していくのを阻止するために、「事実ではない」というラベリングや事実ではないと指摘を出すことを奨励することが求められそうです。

・関連記事
「フェイクニュース」によって生まれた誤った認識は認知能力が高くなければ正すことが難しい - GIGAZINE

Twitterが新極右のアカウントを凍結&何十万ものボットが大統領選でツイートしまくっていたことが発覚 - GIGAZINE

フェイクニュースを拡散しまくり業界トップを目指すオンラインゲームを研究者らが開発 - GIGAZINE

SNS情報から個人の趣向を丸裸にし投票行動を自在に操作する影のネット戦略がトランプ大統領を誕生させた - GIGAZINE

フェイクニュース撲滅のためWikipedia創設者が立ち上げたハイブリッド型ニュースサイト「Wikitribune」 - GIGAZINE

ワシントン・ポストが「ウソを拡散するニュースサイト」として200以上を列挙したブラックリスト記事に批判が集まる - GIGAZINE

「嘘ニュースの拡散」がメディアの最たる問題点ではない - GIGAZINE

in ネットサービス,   メモ, Posted by logv_to