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「ゲームでの戦車の描写が間違っている」と軍の機密文書をネットに公開してしまった「War Thunder」プレイヤーが登場

by Cpl Russ Nolan RLC

戦車や戦闘機をリアルに再現し実際に乗り込んで戦闘を繰り広げるシミュレーション対戦ゲーム「War Thunder」で、ゲーム内に登場する戦車「チャレンジャー2」の挙動に不満があるというプレイヤーが本物の機密書類をネット上に公開したことが判明しました。

Classified Challenger tank specs leaked online for videogame
https://ukdefencejournal.org.uk/classified-challenger-tank-specs-leaked-online-for-videogame/

War Thunder fan says tank is inaccurate, leaks classified military documents to prove it | PC Gamer
https://www.pcgamer.com/uk/war-thunder-fan-says-tank-is-inaccurate-leaks-classified-military-documents-to-prove-it/

War Thunderは、ロシアで設立され、記事作成時点ではキプロスを拠点とするゲームスタジオのGaijin Entertainmentによって開発されたマルチプレイヤーオンラインゲームです。War Thunderで搭乗できる戦車や戦闘機には実在するモデルが使われているほか、弾道計算や加速など、車両に関するデータは極力現実に即するように設計されているのが特徴で、世界中で人気があります。


また、「シミュレーターバトルモード」というゲームモードでは、敵味方のマーカーが表示されなかったり、味方への誤射が可能だったり、エンジンの挙動や操作性がより現実に近かったりと、「よりリアルであること」が追求されるため、難度が非常に高くなります。

そんなWar Thunderで、「イギリスの主力戦車であるチャレンジャー2の挙動が正しくモデリングされていない」と不満を述べたプレイヤーは、Gaijin Entertainmentに問題を修正してもらうべく、公式フォーラムにチャレンジャー2のAESP(Army Equipment Support Publication、陸軍装備サポート資料)の写真を投稿しました。

by Alan Wilson

このプレイヤーは「戦車や装甲戦闘車両に搭乗経験があり、チャレンジャー2の車長を務め、装甲戦闘車両の搭乗や砲術のインストラクターで元機甲試験開発部隊の元メンバー」というとんでもないレベルの経歴を自称。プレイヤーが投稿したAESPのキャプチャー画像は多くの部分が真っ黒に塗りつぶされていて「UK RESTRICTED(イギリス 閲覧制限)」というラベルが書かれていましたが、その上から二重の取り消し線が引かれ、「UNCLASSIFIED(機密ではない)」というスタンプが押されていたとのこと。

Gaijin Entertainmaintがイギリス国防省に確認したところ、アップロードされたAESPは本物であったことが判明。しかも、アップロードされたものは機密ではないと処理されたようになっていましたが、実際は記事作成時点でも機密だったことが判明。画像は公式フォーラムからすぐに削除され、該当のスレッドも凍結されました。

Gaijin Entertainmentの上級技術モデレーターは、「この文書は機密であることが確認されたので、今後このAESPを流布し続ければ、あなたは公務機密法に違反したかどで、最大14年の懲役刑が科される可能性があります」とプレイヤーに警告しました。


さらに、モデレーターは「議論を行う前に、この文書が機密解除されていることを証明する必要があり、また、どこから入手したのかを確認する必要があります。もし機密解除されているのであれば、一般に公開されているはずです。問題のAESPは『機密ではない』とされた上で共有されていましたが、イギリス軍に問い合わせたところ、実際にはまだ機密であり、共有されるべきでないものだったことが確認できました。私たちは、公開されていて、完全に機密解除されていて、それを証明する権利を持っていない限り、いかなる情報源も決して扱いません」と述べ、アップロードされたAESPは一切使わないという声明を発表しました。

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in メモ,   ゲーム, Posted by log1i_yk

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