NVIDIAが「GeForce RTX 3080 Ti」「3070 Ti」を発表、3080 Tiは「3090」に迫るスペック
オンライン開催されたアジア最大規模のコンピューター見本市「Computex 2021」の中で、NVIDIAが新型GPU「GeForce RTX 3080 Ti」「GeForce RTX 3070 Ti」を発表しました。3080 Tiは2021年6月3日発売で、現行最上位の「GeForce RTX 3090」に迫るスペックと話題です。
NVIDIA At COMPUTEX 2021: GeForce RTX 3080 Ti & 3070 Ti, New Laptops, New RTX & Reflex Games, And Much More | GeForce News | NVIDIA
https://www.nvidia.com/en-us/geforce/news/computex-2021-announcements/
GeForce RTX 3080 Ti | More RTX Laptops | RTX and REFLEX Games | COMPUTEX 2021 Keynote - YouTube
Nvidia GeForce RTX 3080 Ti: launching June 3rd for $1,199 - The Verge
https://www.theverge.com/2021/6/1/22461660/nvidia-geforce-rtx-3080-ti-specs-price-release-date-features
新たに発表された「GeForce RTX 3080 Ti」は既存の「GeForce RTX 3080」の上位版という位置づけで、GPUコアに「Ampere」アーキテクチャを採用している点やデザイン、ポート数などは共通。主な違いはグラフィックメモリなどの全体的なスペックが向上した点で、NVIDIAは先代という扱いの「GeForce RTX 2080 Ti」と3080 Tiを比べて、「最大1.5倍の処理速度を実現」とうたっています。そのことを示す画像が以下。さまざまなゲームにおけるGeForce RTX 1080 Ti(灰色)・2080 Ti(ダークグレー)・3080 Ti(緑色)のベンチマークスコアを比較した棒グラフで、3080 Tiのスペック向上度合いが一目でわかります。
3080 Tiを現行最上位の3090と下位版のRTX 3080と比較したスペック表が以下。スペック的には「3080の上位」というよりも「メモリが半分になった3090」という印象。
3090 | 3080 Ti | 3080 | |
CUDAコア数 | 1万496 | 1万240 | 8704 |
ビデオメモリ | 24GB GDDR6X | 12GB GDDR6X | 10GB GDDR6X |
メモリーバス | 384-bit | 384-bit | 320-bit |
メモリ帯域幅 | 936 GB/s | 912 GB/s | 760 GB/s |
TDP | 350W | 350W | 320W |
公式価格 | 22万9800円 | 17万5800円 | 10万9800円 |
また、3080 Tiと同時に「GeForce RTX 3070 Ti」も登場しました。3070 Tiは「GeForce RTX 3070」の上位版、「GeForce RTX 2070」の後継という位置づけ。こちらもGPUコアに「Ampere」アーキテクチャを採用しており、「GeForce RTX 2070 Super」よりも1.5倍の処理速度を実現しているとのこと。以下の画像では、GeForce RTX 1070 Ti(灰色)・2070 Ti(ダークグレー)・3070 Ti(緑色)のベンチマークスコアを比較しています。
3080 Tiの販売価格は海外では1199ドル(約13万1400円)で、公式ページ(下記)によると国内では17万5800円とのこと。発売日は2021年6月3日となっています。
GeForce RTX 3080 ファミリのグラフィックス カード - NVIDIA
https://www.nvidia.com/ja-jp/geforce/graphics-cards/30-series/rtx-3080-3080ti/
3070 Tiは海外では599ドル(約6万5700円)で、国内では8万9980円。発売日は6月10日です。
GeForce RTX 3070 ファミリ - NVIDIA
https://www.nvidia.com/ja-jp/geforce/graphics-cards/30-series/rtx-3070-3070ti/
以上の3080 Tiと3070 Tiの登場に合わせて、ソフトウェア面の強化も複数発表されています。まず明かされたのは、レイトレーシングの改善やNVIDIA DLSSからなるNVIDIA RTX テクノロジが130以上のゲームやソフトウェアに対応したという点。対応ゲームおよびソフトウェアの中には「マインクラフト」「Call of Duty: Warzone」などのAAAタイトルや「Adobe Photoshop」「Adobe Premiere Pro」「OBS」などの定番ソフトウェアの名が挙がっています。
今回発表された3080Tiで「DOOM Eternal」をプレイしつつRTXテクノロジのオン/オフを切り替えて「RTX テクノロジに対応すると何が変わるのか?」という点を解説するムービーや、fpsを飛躍的に向上させられる「NVIDIA DLSS」を「Rainbow Six Siege」で実演するムービーが公開されています。
Rainbow Six Siege | Official NVIDIA DLSS Reveal Trailer - YouTube
システムレイテンシを平均20ms短縮する「NVIDIA Reflex」も対応タイトルを増やしており、まもなく「Escape From Tarkov」「War Thunder」「CrossFire HD」「NARAKA: BLADEPOINT」に対応予定。さらに「VALORANT」「Apex Legends」「フォートナイト」などの競技系FPSにも対応する予定で、NVIDIAは「GeForceなら競技で優位に立てる」と強調しています。
NVIDIA REFLEX – OFFICIAL GEFORCE TRAILER - YouTube
このほかにも、動画製作支援ソフトウェア「Omniverse Machinima」のオープンベータ版や、「フォートナイト」に巨大な3080 Tiを並べた専用カスタムマップ、「Microsoft Flight Simulator」で今回のイベント「Computex」の開催地である台北を再現した専用カスタムマップもリリースしています。
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