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Appleの自動運転車やARグラス開発などについてティム・クックCEOがインタビューの中で語る


Appleのティム・クックCEOがニューヨーク・タイムズのインタビューに応じ、Apple CarやApple Glassesといった開発がウワサされる新ハードウェアから、FacebookやEpic Gamesといった対立する企業についてまで、さまざまな質問に答えています。

Opinion | Apple’s C.E.O. Is Making Very Different Choices From Mark Zuckerberg - The New York Times
https://www.nytimes.com/2021/04/05/opinion/apples-ceo-is-making-very-different-choices-from-mark-zuckerberg.html

Tim Cook interview: Apple's car plans and thoughts on Elon Musk
https://www.cnbc.com/2021/04/05/tim-cook-interview-apples-car-plans-and-thoughts-on-elon-musk.html

Sideloading Apps Would 'Break' the Security and Privacy of iPhone, Says Tim Cook - MacRumors
https://www.macrumors.com/2021/04/05/tim-cook-sideloading-apps-would-break-the-iphone/

Appleが自動車市場に参入するのではないかということは長らく報じられてきました。2020年末頃からは「Appleが自動運転車をパートナー企業と協力して開発することを目論んでいる」という報道まで出ています。

Apple製の自動運転車は2024年についに生産開始か - GIGAZINE


こういった報道を受け、クックCEOは「私の考えでは自律型システムこそがコアテクノロジーです。その一歩後ろに、自動運転車がありますが、これは多くの点でロボットと同じと言えます。自律型システムで可能なことはたくさんあります」と語り、自動運転車ではなく自律型のシステムそのものに注目していると答えました。

さらに、クックCEOは「我々は社内で非常に多くのことを調査しています。それらの多くは日の目を見ませんが、これは『実現しない』という意味ではありません」と語り、自動運転車について何かしらの取り組みを行っていることを示唆しながら、それが正式な製品やサービスとして形になるかはわからないと述べました。


なお、インタビュアーに「自動運転車の開発に取り組んでいるのか?」と直球の質問を投げかけられていますが、クックCEOはコメントを控えています。

Appleと電気自動車メーカーのテスラは直接的な関係を持っていませんが、Appleがテスラの元従業員を複数人雇用していると指摘されたり、テスラの創業者であるイーロン・マスク氏が「過去にAppleにテスラを売却しようとしたことがある」と発言したりと、たびたび2社の関係についての報道が飛び出しています。

イーロン・マスクが過去にテスラをAppleに売却しようとしたことを明らかに - GIGAZINE


クックCEOはイーロン・マスク氏およびテスラについてコメントを求められた際に、「ご存じの通り私はイーロンと話したことがありませんが、彼が設立した会社には大きな賞賛と敬意を払っています。テスラは電気自動車市場でのトップの座をこれほど長い期間にわたってつくという、信じられないような業績を残しています」と語りました。


AppleはApp Store上で配信するすべてのアプリが広告識別子・IDFAの利用について、ユーザーの許可を必須とする形でプライバシーポリシーを改定すると発表しました。この一環として、Appleは間もなく配信予定のiOS 14.5で、新機能の「App Tracking Transparency(ATT)」を実装します。これによりアプリがユーザーをトラッキングしたり、IDFAにアクセスしたりするには、ユーザーの許可を得る必要が出てくることとなります。

このATTに対して、Facebookは「ターゲティング広告が難しくなり広告収入が激減する」と警告し、中小企業が大きなダメージを受けることになると主張しています。

Facebookが「iOS 14のプライバシーポリシー改訂でターゲティング広告が難しくなり広告収入が激減する」と警告 - GIGAZINE


こういったFacebookからの反発に対して、クックCEOは自身のTwitterアカウント上で、広告トラッキングをするか否かの選択はユーザーにゆだねられており、完全にユーザーのトラッキングが不可能になったわけではないと主張しています。

さらに、ニューヨーク・タイムズによるインタビューの中で、クックCEOは「現在、他社のアプリはユーザーを追跡することでユーザーの思考や行動を把握し、24時間365日ユーザーのウェブ上での行動を監視しています。こういった状況を変えることがATTの目指すところです。追跡に対してポップアップ表示を追加し、追跡されることに同意するか否かを問う質問を行います。ユーザーが追跡されてもOKならばこれまで同様で、そうでなければ追跡されることはなくなります」と語り、ATTが目指すところを改めて説明しています。

このほか、クックCEOはARについて、「ARに関しては、皆が素晴らしいものだと考えています。さらに、ARを用いてチャートやその他の表示物を追加することでディスカッションを補強することができれば、さらに素晴らしいものとなるかもしれません。健康や教育、ゲーム、小売りなどさまざまな分野でARの利用について考えられていますが、すでにいくつかの分野ではARが普及していると言えます。さらに先を見れば、ARにはより大きな可能性があると思います。そのため、Appleの将来にとっても非常に重要な部分をARが担う可能性があります」と語り、AR関連技術への取り組みを示唆しています。

なお、Appleは2022年に10万円超のAR・VRヘルメット、2025年にARメガネ、2030年にARコンタクトをリリースすると予測されています。

Appleが2022年に10万円超のAR・VRヘルメット、2025年にARメガネ、2030年にARコンタクトをリリースするとの予測 - GIGAZINE


加えて、AppleとEpic Gamesの法廷闘争について、クックCEOは「App Storeのルールとガイドラインに従うことは必須であり、Epic Gamesは長年これに従ってきました。しかし、突如ルールに従うことをやめ、その後アプリの仕様を変更しました。これは一種の欺瞞(ぎまん)的な動きであったため、我々は法廷で争うこととなりました。我々はApp Storeのプライバシーとセキュリティの側面について説明しており、この主張に間違いはないと自信を持っています」と語りました。

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Epic Gamesを含む複数の企業が「App Storeが徴収する手数料は不当に高い」と批判しており、iOSではApp Storeからしか基本的にアプリをインストールできないようになっている点が問題視されています。しかし、クックCEOは公式のアプリストア以外からアプリをインストールするサイドローディングが可能になれば、「iPhoneのプライバシーとセキュリティが打撃を受けることになります」と指摘しています。

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in モバイル,   ソフトウェア,   ハードウェア,   乗り物, Posted by logu_ii

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