動画

「20年後のiPhone」や「未来の技術」についてAppleのティム・クックCEOが語るインタビュー映像が公開中


Appleのティム・クックCEOがフランスで開催されたテクノロジー関連の国際会議・VivaTechにオンラインで参加し、30分間に及ぶインタビューに応じました。インタビューの中ではプライバシー保護や環境問題に関する質問に加えて、「20年後のiPhone」や「Appleが開発中の自動運転車」に関する質問も飛び出すなど、盛りだくさんの内容となっています。

A live conversation with Tim Cook #VivaTech - YouTube


インタビューの冒頭では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するAppleの取り組みついて尋ねられました。この質問に対してクック氏は、Googleとして協力して新型コロナウイルス感染症接触通知APIを開発したことや、医療用のフェイスシールドを開発して世界中の何千万人もの人々に配布していることをアピールしています。

Appleが「医療用フェイスシールド」を開発し週100万枚ペースで医療関係者に提供へ - GIGAZINE


次に、Appleのプライバシー保護に対する姿勢を問う質問に対して、クック氏は「Appleは、プライバシーを基本的人権とみなし、設立以来40年以上にわたってプライバシーの保護に積極的に取り組んできました。スティーブ(スティーブ・ジョブズ)は、『ユーザーのプライバシーに関わる動作を行う際は許可を求めるべき』と何度も言っていました。私たちも、その方針を継続しています」と述べ、Appleのプライバシー保護を重要視する姿勢を強調。さらに、「プライバシーの保護は、気候変動やエネルギー問題と同様に、今世紀の最も重要な課題の1つです」と述べ、プライバシー保護に対して世界規模で取り組む必要性を主張しています。

続いて、EUで個人情報の保護を目的に制定されたEU一般データ保護規則(GDPR)について、「AppleはGDPRを強く指示します。また、AppleはGDPRよりも強力な個人情報の保護ポリシーを掲げています。強力なプライバシー保護のためには、各国政府と民間企業が協力する必要があります」と述べています。

一方で、ビック・テックの市場独占を規制するべく2020年12月にEUで提案された「デジタル市場法(DMA)」については、「DMAは、iOSにサードパーティーのアプリ配布プラットフォームの導入を求めています」と苦言を呈しています。続けて、「Appleは、アプリの配布プラットフォームをApp Storeに限定することで、セキュリティに強化や、強固なプライバシー保護を可能にしています」「Androidには、iOSの47倍以上のマルウェアが存在します。Appleは、アプリ配布プラットフォームをApp Storeに限定し、アプリの公開前に厳格な審査を行っているため、マルウェアを少なく抑えることができています」と述べ、DMAの成立はiOSユーザーを危険にさらす可能性があると主張しています。

GoogleやAmazonなどに罰金として収益の最大10%を科す「デジタル市場法」や「デジタルサービス法」をEUが提案 - GIGAZINE


「Appleは2030年までにカーボンニュートラルを達成するという目標を掲げていますが、新型iPhoneを毎年リリースしながら、どのように環境目標を達成するつもりですか?」という質問に対して、クックCEOは「Appleは、1つの企業としては数年前からカーボンニュートラルを達成しています。私たちは、2030年までにサプライチェーンまでを含めてカーボンニュートラルを実現することを目指しています」「新型iPhoneなどの、新たな製品を作るためには、地球から何かを取り出す必要があります。私たちは、古い製品を分解して、新しい製品に使う部品を取り出すためのロボティクスの開発を続けています。古い製品の部品を新しい製品に用いることで、ユーザーにも地球にも有益な製品を作ることを目指しています」と述べています。


続いて、「20年後のiPhoneは、どのような進化を遂げていると思いますか?」という質問には、「20年後のiPhoneは、iPhone 12よりは優れていると思います(笑)」と述べた後、「iPhoneのために開発したチップがiPadにも使われるとは想像していませんでした。ましてや、Macのチップとしても使われることになるとは思いもしませんでした」と過去の例を挙げて未来の製品の予測の困難さを強調しています。

一方で、「私は、拡張現実(AR)が幅広い方法で人生を向上させる力に期待しています」と、ARに対する期待を表明。加えて、「Apple Watchに心拍計を付けた結果、多くの人から『命を救われた』という知らせを受けました。私たちは、体の変調を検知してユーザーに知らせるための多様な方法を考えています。例えば、車の警告表示のような形が考えられています」と、開発中の技術に関するヒントも発信しています。

Appleの自動運転車やARグラス開発などについてティム・クックCEOがインタビューの中で語る - GIGAZINE


「自分が開発した新製品が失敗することを許容しますか?」という質問に対しては、「私は、毎日何らかの失敗をしています。また、Appleは外部ではなく、内部で失敗します。そして改善し、ユーザーに失敗を届けないように努めています。もし、あなたが失敗していないならば、それは十分に取り組んでいない証拠です」とグサリ。

インタビューの終盤でAppleが開発中の自動運転車に関するコメントを求められたクック氏は、「秘密を守る必要があります。私はコメントしません(笑)」と述べ、言及を避けました。

Appleの自動運転車は早くても2025年の登場になると有名アナリストが主張 - GIGAZINE

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
若きスティーブ・ジョブズにインタビューした貴重な映像が公開中 - GIGAZINE

ジョブズ亡き後のAppleを担うデザイン統括責任者ジョニー・アイブの考え方 - GIGAZINE

20年前のジョブズにインタビューした未公開映像が公開中、「私の仕事は何百年にもわたって評価される絵画とは違う」 - GIGAZINE

「アメリカにiPhoneの工場を」とトランプ次期大統領がAppleのティム・クックCEOに直接伝えたことがインタビューで判明 - GIGAZINE

スティーブ・ジョブズの風変りなマネジメント術がAppleを成功させ続けている - GIGAZINE

Appleが満を持して発表した独自開発の「M1」チップについて、Apple幹部がその経緯や将来について語る - GIGAZINE

in 動画, Posted by log1o_hf

You can read the machine translated English article here.