電子フロンティア財団がApple対Facebookの広告トラッキングに関する仕様変更問題でApple側を支持しFacebookを痛烈に批判
Appleはアプリがユーザーの知らないところで個人情報を収集し、ユーザーのプライバシーを侵害していることを問題視しており、こういった状況を改善するためにiOSのプライバシーポリシーを改訂して広告トラッキングに関する仕様を変更するとしています。しかし、広告企業はこのAppleの仕様変更に対して強く反発しており、特にFacebookは新聞紙上に意見広告を掲載するほど強くApple側の主張を批判しました。しかし、電子フロンティア財団(EFF)はApple側の主張を支持し、Facebook側の主張を「笑える」と一笑に付しています。
Facebook’s Laughable Campaign Against Apple Is Really Against Users and Small Businesses | Electronic Frontier Foundation
https://www.eff.org/tags/eff30
EFF sides with Apple, slams Facebook’s criticism of iOS 14 privacy features as ‘laughable’ - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2020/12/20/eff-sides-with-apple-slams-facebooks-criticism-of-ios-14-privacy-features-as-laughable/
Appleは2020年6月に開催された開発者向けイベント・WWDC 2020の中で、アプリがユーザーの許可なくユーザーの個人情報を収集することを禁じるために、iOS 14からプライバシーポリシーを改訂すると発表しました。これにより、iOS 13まではユーザーの許可なしで使用可能であったiOS端末向けの広告識別子・IDFAが、ユーザーの許可がなければ利用できないようになります。
IDFAはiOSユーザー向けのターゲティング広告で使用されているため、IDFAの使用が許可制になれば広告企業に大きな影響が出るとして、Facebookは「iOS 14のプライバシーポリシー改訂でターゲティング広告が難しくなり広告収入が激減する」と意見を表明し、Appleによる仕様変更が多くの広告企業にとって大きな問題になると指摘。
Facebookが「iOS 14のプライバシーポリシー改訂でターゲット広告が難しくなり広告収入が激減する」と警告 - GIGAZINE
その後、Appleは広告トラッキングに関する仕様変更を一時的に延期していたものの、2020年12月14日に「App Storeではユーザーがアプリをダウンロードする前に、製品ページでアプリが収集する可能性のあるデータや、データが追跡に使用されているかを確認できるようになります」と発表し、広告トラッキングに関する仕様変更の一歩を踏み出しました。
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これに対してFacebookは新聞紙上で「(Appleによる広告トラッキングに関する仕様変更が)パーソナライズされた広告を制限することとなり、これは我々のような大企業にも影響しますが、小規模ビジネスには壊滅的な影響を与えることとなります」と主張する意見広告を掲載し、改めてAppleの仕様変更を批判しました。
一方で、Appleのティム・クックCEOは自身のTwitterアカウント上で、広告トラッキングをするか否かの選択肢をユーザーに委ねただけであり、完全にユーザーのトラッキングが不可能になったわけではないと主張しています。
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AppleとFacebookの対立に対して、EFFは「FacebookはAppleの広告トラッキングに関する仕様変更に対抗するために、中小企業を守る立場からの意見として広告キャンペーンを展開しています。これはFacebookのビジネスにとって悪い影響を与えるAppleの仕様変更を脱線させようという試みで、Facebookの反競争的行動とプライバシー問題に関する貧弱な実績から多くのユーザーの目をそらすための笑える試みです」と意見を表明し、Apple側を支持しているとしました。
さらに、「インターネットを介してユーザーを追跡する前に、追跡に関する許可をユーザーに申し出るというのは、明らかに基本的な仕様であるべきです。このような仕様変更を行うと発表したAppleを我々は称賛すべきです。一方で、Facebookはアプリにユーザーの個人情報などを販売させ、怪しげなサードパーティ企業間でデータを共有することで広告に関する大帝国を築き上げてきました」とEEFは記しています。
加えて、Facebookの「中小企業が壊滅的な影響を受ける」という意見に対して、EFFは「Facebookは中小企業の保護をうたっていますが、それは真実からほど遠いものです。Facebookは中小企業が顧客に対して卑劣で不利な立場を取らざるを得ない状況に強いてきたというだけであり、ユーザーのプライバシーと制御を犠牲にした上で成り立っているFacebookの壊れた広告システムを維持することが正しいことであるはずがありません」と、そもそもFacebookが築き上げてきた広告エコシステムが間違ったものであったとしています。
なお、EFFはAppleの広告トラッキングに関する仕様変更は正しいものであり、次はGoogleがこれに続くべきであると主張しています。
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