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Intel第11世代Coreプロセッサ「Rocket Lake-S」は第10世代やRyzen 9と比べてどれぐらいの性能なのか?


Intelの第11世代Coreプロセッサ「Rocket Lake-S」が、2021年3月30日(火)に発売されました。Rocket Lake-SのCPUアーキテクチャは、第6世代~第10世代Coreプロセッサで使われてきた「Skylake」ではなく「Cypress Cove」を採用。グラフィック性能も大幅に強化されています。

IT系ニュースサイトでは続々とレビューやベンチマーク結果が公開されていて、第10世代Coreプロセッサ「Comet Lake-S」やライバル・AMDの「Ryzen 9」などと比較したときの位置づけが明らかになっています。

Intel 11th-generation Rocket Lake-S gaming CPUs did not impress us | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2021/03/intel-11th-generation-rocket-lake-s-gaming-cpus-did-not-impress-us/


Intel Rocket Lake (14nm) Review: Core i9-11900K, Core i7-11700K, and Core i5-11600K
https://www.anandtech.com/show/16495/intel-rocket-lake-14nm-review-11900k-11700k-11600k

Core i9-11900K review: Intel's 14nm farewell tour can't end soon enough | PCWorld
https://www.pcworld.com/article/3612190/core-i9-11900k-review.html

ニュースサイト・Ars Technicaは「第11世代のRocket Lake-SゲーミングCPUは我々を感動させるものではありませんでした」「魅力的な世代交代には見えません」と、かなり厳しめの評価を行っています。

Ars TechnicaがRocket Lake-Sの最上位モデルである「Core i9-11900K」と、1つ前の世代である第10世代Coreプロセッサ(Comet Lake-S)「Core i9-10900K」、AMDの「Ryzen 9 5950X」「Ryzen 9 5900X」でCinebenchのCPUベンチマーク(マルチスレッド)を行ったところ、スコアはRyzen 9勢が上位だっただけではなく、一世代前のCore i9-10900KがCore i9-11900Kを上回りました。これは、Core i9-10900Kの方がコア数が2つ多いためで、PassMark PerformanceTestGeekbench 5を用いたCPUベンチマークでも同様の結果となりました。このことについてArs Technicaは「何ら驚くことではない」と記しています。なお、シングルスレッドのベンチマークではCore i9-11900Kが4つの中で最もいいスコアとなりましたが「実世界で純粋なシングルスレッドのワークロードは少ないので、あまり気にしないでください」とArs Technicaはコメントしています。

CinebenchPassmarkGeekbench 5
Ryzen 9 5950X100854783515102
Ryzen 9 5900X83904112813667
Core i9-10900K65832590311085
Core i9-11900K59472683510469


ゲーミング性能を測れる3DMarkの「Time Spy benchmark」でのCPUベンチマークでは、4つのCPUは拮抗した数字となりました。ただし、よりCPUに最適化された高度なライブラリを利用する「Time Spy Extreme」では、またもCore i9-10900KがCore i9 11900Kを上回っています。

 Time SpyTime Spy Extreme
Ryzen 9 5950X123108484
Ryzen 9 5900X120567473
Core i9-10900K123186688
Core i9-11900K124645945


Cinebench R20を用いた消費電力測定においても、Ryzen 9 5950Xが204Wだったのに対して、Core i9-11900Kは278Wとやや分が悪い結果となりました。ただし、Core i9-10900Kは336Wと、さらに消費電力が多い結果となりました。


こうした結果から、Ars Technicaは第11世代Coreプロセッサについて、「第10世代Coreプロセッサより低い消費電力」「第10世代のIntel製Coreプロセッサと比較して統合型グラフィックス性能が向上」などをいい点として挙げましたが、悪い点として「マルチスレッド性能が第10世代Coreプロセッサと比べて低い、Ryzen 9と比べると大幅に低い」「Ryzen 9と比べて消費電力が多い」を挙げ、「Rocket Lake-Sは改善というより、世代ごと後退しているように見える」「AMDのプロセッサはほぼ同じ価格で、高性能・低消費電力を実現している」と、厳しくまとめています。

IT系ニュースサイト・AnandTechも同じように複数のベンチマークを行った結果として「消費電力は犠牲にしているものの、いくつかの分野ではパフォーマンス向上があり、Intelの高速化ソリューションである『AVX-512』を消費者市場に提供してくれる」と評価。ただ、多くの人の利用環境ではAVX-512が有効になっていないため「古いプロセッサや競合製品の方がパフォーマンスが向上するでしょう」と、やはり厳しいコメントをしています。

Intel Rocket Lake (14nm) Review: Core i9-11900K, Core i7-11700K, and Core i5-11600K
https://www.anandtech.com/show/16495/intel-rocket-lake-14nm-review-11900k-11700k-11600k

このほか、ニュースサイト・PCGamerはざっくりと「ロック解除後はCore i9-10900Kと同等の性能を発揮」「AMDよりわずかに高速なゲームFPS」をいい点として挙げた上で、「PCIe 4.0の性能が低い」「Core i9の性能が落ち目」「不必要に高い」を悪い点として列挙しました。

Core i9-11900K review: Intel's 14nm farewell tour can't end soon enough | PCWorld
https://www.pcworld.com/article/3612190/core-i9-11900k-review.html

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in メモ,   ハードウェア, Posted by logc_nt

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