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世界最大の半導体ファウンドリTSMCの顧客第2位にAMDが浮上か、1位はやはりあの企業


チップメーカーのAMDはCPUやGPU、カスタムSoCのほとんどを、世界最大の半導体ファウンドリであるTSMCで製造しています。そんなAMDがTSMCの2021年度の収益シェア第2位に躍り出る可能性が報じられています。

Samsung Won't Overtake Taiwan Semiconductor Despite Massive Capex Spend (OTCMKTS:SSNLF) | Seeking Alpha
https://seekingalpha.com/article/4414346-samsung-won-t-soon-overtake-taiwan-semi-despite-massive-capex-spend


AMD Expected to Become TSMC's Second Largest Customer | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/news/amd-tsmc-second-largest-customer


経済ニュースメディアのSeeking Alphaが、調査企業のThe Information Networkの見積もったデータから「TSMCの年次収益の取引企業によるシェア」をまとめた表が以下。


上の表を見ると、2019年から2021年までAppleがTSMCの収益の24%~25%を占めています。iPhoneやiPadに搭載されているチップをすべてTSMCで生産するAppleは、M1チップ用に5nmプロセスをTSMCに実用化させており、TSMCにとって最も大きな顧客といえます。一方で2019年と2020年では収益シェア第2位だったHiSiliconは、親会社のHuaweiがアメリカで商取引を制限されたため、2021年は収益シェアが0.0%に。

そして、AMDは毎年シェアを順調に伸ばし、2021年にはTSMCの「2番目の顧客」となりました。AMDのZen 3アーキテクチャやRDNA 2アーキテクチャがTSMCの7nmプロセスノードで設計されてることから、AMDはほぼTSMCのみと契約している状況。さらにAMDの市場シェアは堅調に伸び、出荷台数も着実に増えているため、AMDがTSMCの収益に大きく貢献することとなりました。

AMDは2020年にCPUシェアを堅調に伸ばす、Ryzen 5000シリーズの出荷台数は既に100万台を突破とも - GIGAZINE


また、技術系メディアのTom's Hardwareは、TSMCの収益におけるAMDのシェアが伸びたのはライバル企業がAMDほどTSMCに依存しなくなったことも理由だと指摘しています。

例えばNVIDIAは、GeForce RTX 30シリーズで採用されているAmpereアーキテクチャをSamsungの8nmプロセスで設計するなど、TSMCからSamsungに生産基盤を移しつつあります。


またThe Information Networkによれば、Intelも近年外部生産としてTSMCへの発注を少しずつ増やしているものの、2021年に発売される製品の大部分は自社生産で行われると予想されるとのこと。Tom's Hardwareは、「AMDがAppleから首位の座を奪うことはほぼ不可能といえますが、IntelやNVIDIA、QualcommからTSMCの収益シェアを奪われる心配もないでしょう」と述べています。

さらに、Tom's Hardwareは「TSMCにとってAMDがより重要な顧客になるということは、AMDがTSMCと金銭的条件をより有利に交渉できるだけでなく、TSMCの最新のプロセス技術や開発にアクセスできるようになり、製品の競争力がさらに高まります」と述べ、AMDのチップ供給も将来的に安定する可能性も示しました。

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in メモ,   ハードウェア, Posted by log1i_yk

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