AMDは2020年にCPUシェアを堅調に伸ばす、Ryzen 5000シリーズの出荷台数は既に100万台を突破とも
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AMDは2021年1月26日に2020年第4四半期の決算を発表し、同期における売上高が前年比53%増の32億4000万ドル(約3400億円)を記録したことを明らかにしました。着実に業績を伸ばすAMDですが、新たに市場調査会社が発表したレポートにより、IntelとのCPUシェア争いにおいても堅調な伸びを見せていることが明らかになっています。
AMD gained CPU share in 2020 | PCWorld
https://www.pcworld.com/article/3606108/amds-cpu-share-skyrocketed-in-2020-along-with-low-end-pc-sales.html
AMD Shipped Almost 1 Million Ryzen 5000 CPUs in Q4, Research Firm Estimates | PCMag
https://www.pcmag.com/news/amd-shipped-almost-1-million-ryzen-5000-cpus-in-q4-research-firm-estimates
市場調査会社のMercury Researchが、低価格帯のプロセッサ市場でAMDが大幅にシェアを伸ばしていると報告しています。また、Mercury ResearchによればAMDは低価格帯のプロセッサ市場で大幅にシェアを伸ばしたことで、2020年第4四半期(10~12月)のプロセッサ出荷台数が過去最高を記録したと推測しています。
以下の表は2020年第4四半期、2020年第3四半期(7~9月)、2019年第4四半期におけるx86(32ビット)プロセッサのメーカー別のシェアをまとめたもの。2019年第4四半期の時点ではIntelが84.9%という圧倒的なシェアを獲得していましたが、2020年第3四半期にはシェアを77.6%まで落としています。その後、2020年第4四半期にはIntelが少しだけシェアを取り戻し78.3%を記録していますが、AMDは2020年を通してみると32ビットプロセッサのシェアを2割強にまで伸ばすことに成功。
x86 CPUシェア | 2019Q4 | 2020Q3 | 2020Q4 |
---|---|---|---|
Intel | 84.9% | 77.6% | 78.3% |
AMD | 15.1% | 22.4% | 21.7% |
合計 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
2020年の第4四半期はPC市場にとって非常に重要な時期となったそうで、Mercury Researchのディーン・マカロン氏は「プロセッサ市場の総売上高は過去最高を記録し、第4四半期と2020年通年の両方で最高記録を更新しました」と指摘しています。なお、2020年第4四半期に出荷されたプロセッサの台数は1億2500万台です。
また、プロセッサの出荷台数の伸びを支えたのは、IntelのCeleronプロセッサやAMDのA4・A6シリーズといったエントリー向けのプロセッサの大幅な伸びだそうです。CeleronおよびA4/A6シリーズは、いずれもChromebookなどのエントリー向けのPCに搭載されるプロセッサであり、マカロン氏は「これらの多くは教育現場用のPC市場向けに出荷されています」と指摘しています。
以下の表は2020年第4四半期、2020年第3四半期、2019年第4四半期におけるモバイル向けプロセッサのメーカー別のシェアをまとめたもの。32ビットプロセッサほどの大きな伸びは見せていないものの、ここでもAMDは着実にシェアを伸ばしており、2020年第3四半期にはシェア20%に到達。2020年第4四半期には19%までシェアを落としていますが、それでも前年比で2.8%もシェアを伸ばしていることとなります。なお、シェアは2.8%の伸びですが、AMDのモバイル向けプロセッサの出荷台数は前年比で60%も増加しているとマカロン氏は指摘。
モバイルCPUシェア | 2019Q4 | 2020Q3 | 2020Q4 |
---|---|---|---|
Intel | 83.8% | 79.8% | 81.0% |
AMD | 16.2% | 20.2% | 19.0% |
合計 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
以下の表は2020年第4四半期、2020年第3四半期、2019年第4四半期におけるデスクトップ向けプロセッサのメーカー別のシェアをまとめたもの。こちらもAMDは2020年第3四半期にシェア20%越えを達成しているのですが、2020年第4四半期にはシェアを少し落として19.3%に落ち着いています。他の部門と比較すると成長率は少ないものの、それでも少しずつIntelのシェアを奪っていることは明らか。
デスクトップ向けCPUシェア | 2019Q4 | 2020Q3 | 2020Q4 |
---|---|---|---|
Intel | 81.7% | 79.9% | 80.7% |
AMD | 18.3% | 20.1% | 19.3% |
その他 | 0.1% | 0.1% | 0.1% |
合計 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
さらに、マカロン氏は過去数年間にわたって起こっているデスクトップPCからノートPCへの移行が、新型コロナウイルスのパンデミックによりさらに加速したと指摘し、2020年のプロセッサ市場の伸びは主に32ビットプロセッサとモバイル向けプロセッサで起きたと推定しています。
ただし、デスクトップ向けプロセッサでAMDのRyzen 5000シリーズが大躍進をみせており、これまで最も人気の高かったシリーズの出荷台数よりも2倍以上多い、100万台近くを2020年第4四半期に出荷したと推定。このRyzen 5000シリーズの好調がAMDプロセッサの平均販売価格を引き上げ、第4四半期の記録的な売上に寄与したとMercury Researchは指摘しています。
AMDがノートPC向け新世代CPU「Ryzen 5000」シリーズを発表 - GIGAZINE
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in ハードウェア, Posted by logu_ii
You can read the machine translated English article AMD will steadily increase its CPU share….