NVIDIAが過去最高の売上高をたたき出す、ゲームとデータセンター事業で特に大幅な収益増を記録
by Alexey Vinokurov
2021年2月24日に半導体大手のNVIDIAが2020年第4四半期(2020年11月~2021年1月)の決算報告書を発表しました。同社はその中で、同期におけるゲーム事業とデータセンター事業の収益が過去最高を記録し、通年の売上高も過去最高となったことを報告しています。
NVIDIA Announces Financial Results for Fourth Quarter and Fiscal 2021 | NVIDIA Newsroom
https://nvidianews.nvidia.com/news/nvidia-announces-financial-results-for-fourth-quarter-and-fiscal-2021
NVIDIAは決算報告の中で、2020年第4四半期の売上高が50億ドル(約5301億7500万円)で、前年同期の31.1億ドル(約3297億6263万円)に比べて61%増、前四半期の47.3億ドル(約5015億3609万円)から6%増と過去最高を記録したことを発表しました。
NVIDIAの創業者兼CEOであるジェン・スン・フアン氏は発表の中で、「前四半期に引き続き、今期はまたしても記録的な四半期となり、NVIDIAのコンピューティング・プラットフォーム躍進の幕開けを飾るにふさわしい結果となりました。当社のアクセラレーティッドコンピューティングにおける先進的な取り組みにより、ゲームは世界で最も人気のあるエンターテインメントとなり、スーパーコンピューティングがすべての研究者の手に届くものとなり、AIがテクノロジーにおける最も重要な力となりました」とコメントしました。
フアン氏は特に、同社が2020年9月に発表した「GeForce RTX 30」シリーズのグラフィックスカードの需要が驚異的なものとなったことに言及し、「このシリーズはゲーマーがレイトレーシング、DLSS、AIに夢中になる中で、大きなアップグレードサイクルのうねりを生み出しました」と指摘しています。
グラフィックスカードの需要増などにけん引され、NVIDIAの第4四半期におけるゲーム事業の収益は前四半期比で10%増、前年同期比では67%増となる25億ドル(約2651億4500万円)を記録し、過去最高となりました。また、2020年の通年の売上高も、前年から41%増の77.6億ドル(8232億4288万円)という記録的な成績でした。
ゲーム事業に並び、特に好調だったのがデータセンター事業です。2020年第4四半期におけるデータセンター事業の収益は19億ドル(約2015億6720万円)で、既に好調だった前四半期比では微増にとどまったものの、前年同期比では97%と飛躍的な伸びを見せました。その結果、通年の売上高は前年から124%増の67億ドル(7108億4320万円)となり、過去最高を記録しました。
データセンター事業についてフアン氏は、「当社のユニバーサルAIデータセンターGPUであるA100は、クラウドサービスプロバイダーなどに大きく普及しています。世界中の多くの企業がNVIDIAのAIを使って、クラウド製品を生み出しています。私たちは、あらゆる業界で『スマートフォンの瞬間』を目撃しているのです」と述べました。なお、海外ニュースメディアのZDNetによると、フアン氏が言う「スマートフォンの瞬間」とは、スマートフォンが急速に普及した時のように「産業界と顧客のコミュケーションが一変する瞬間」を指しているとのこと。
NVIDIAは、2021年第1四半期の収益を「53億ドル(約5624億4395万円)プラスマイナス2%」と予想しており、相次いで過去最高を更新した2020年第3・第4四半期に続き、2021年第1四半期も記録更新となる可能性が高いとの見方を示しています。
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