NVIDIAが売上高過去最高を報告、2020年第3四半期決算にて
by EdTech Stanford University School of Medicine
現地時間2020年11月18日、半導体大手のNVIDIAが2020年度第3四半期決算を発表しました。NVIDIAの有する事業の中でもデータセンター部門とゲーム部門の収益の成長が著しく、総売上は前年同期比57%増の47億2600万ドル(約4900億円)、純利益は前年同期比49%増の13億9800万ドル(約1450億円)を記録しました。
NVIDIA Announces Financial Results for Third Quarter Fiscal 2021 | NVIDIA Newsroom
https://nvidianews.nvidia.com/news/nvidia-announces-financial-results-for-third-quarter-fiscal-2021
Nvidia (NVDA) earnings Q3 2021
https://www.cnbc.com/2020/11/18/nvidia-nvda-earnings-q3-2021.html
NVIDIAの好調な業績をけん引しているのが、データセンター部門とゲーム部門の2本柱です。ゲーム部門の売上高は前四半期比37%増、前年同期比37%増となる22.7億ドル(約2360億円)に達し、過去最高益を記録。この好調には、世界初の8K・60fpsを実現した「GeForce RTX 30シリーズ」の販売開始や、人気ゲーム「フォートナイト」がNVIDIAユーザー向けにレイトレーシングとNVIDIA DLSSを実装したことなどが大きく寄与したと特記されています。
NVIDIAがGeForce RTX 30シリーズを正式発表、最上位モデルは世界初の8K・60fpsゲーミングが可能に - GIGAZINE
データセンター部門の売上高は前四半期比8%増、前年同期比162%増の19億ドル(約1970億円)とこちらも過去最高益を記録。新たにVMwareとの大規模なパートナーシップを締結したことや、同社のGPUである「NVIDIA A100」がアマゾンウェブサービス(AWS)・Oracle Cloud Infrastructure・Google Cloud Platform・Microsoft Azureなどの大手クラウド事業に採用されたこと、ビデオ会議向け映像加工用プラットフォーム「Maxine」を発表したことなどが大きく貢献したとNVIDIAは記しています。同社はデータセンター向けハードウェアの拡充を図っており、2020年11月17日にはデータセンター向けGPU「NVIDIA A100 80GB」や研究開発向けのAIワークステーション「NVIDIA DGX Station A100」などを発表しています。
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一方、ゲーム部門とデータセンター部門の躍進に反して、プロフェッショナル向けの映像編集部門は前年同期比27%減となる2億3600万ドル(約245億円)、自動車部門は前年同期比23%減となる1億2500万ドル(約130億円)の売上高となりました。これらの部門の不調は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が影響しているとみられていますが、いずれも部門としての規模が小さかったことから総売上に対する打撃は比較的軽微でした。
NVIDIAは2020年第4四半期の総売上を48億ドル(約4980億円)からプラスマイナス2%の範囲になると見込んでいます。
なお、2020年第3四半期にNVIDIAに生じた大きな出来事としてはArmの買収が挙げられますが、取引の完了が2022年第1四半期となるため、今回の決算に直接的な影響はないとされています。
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